ナニワのスクリーンで映画を観るということ。

大阪の映画好きゾンビまんです。 映画館のスクリーンで映画を観るということ。

Category: 映画レビュー「ら行」

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2024年3月31日、日曜日、シネ・リーブル梅田の様子です。
4月になれば館名が変わるシネ・リーブル梅田、メインである3階のリニューアルも進んでいました。




『RHEINGOLD ラインゴールド』
解説:「女は二度決断する」「ソウル・キッチン」などで知られるドイツのファティ・アキン監督が、実在するラッパーで音楽プロデューサーのカターの破天荒な半生を描き、本国ドイツで大ヒットを記録した伝記映画。

クルド系音楽家のもとに生まれたジワ・ハジャビは、亡命先のパリで音楽教育を受けた後にドイツのボンに移り住むが、両親の離婚により貧しい生活を余儀なくされる。ある日、街の不良たちに叩きのめされた彼は復讐のためにボクシングを覚え、「カター(危険なヤツ)」となってドラッグの売人や用心棒をするように。さらに金塊強盗にまで手を染めて指名手配された彼は、逃亡先のシリアで拘束されてドイツに送還され、刑務所内でレコーディングした曲でデビューを果たす。

「悪魔は私の大親友」のエミリオ・サクラヤが主演を務め、カター本人がセリフ監修を担当。

2022年製作/140分/PG12/ドイツ・オランダ・モロッコ・メキシコ合作
原題:Rheingold
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この映画は『女は二度決断する』と『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』を手掛けたドイツの鬼才ファティ・アキン監督の作品だからチョイス。今回もかなりクレイジーな内容なのですが、実話ベースだから凄い。
クルド人の音楽家の両親のもとに生まれたジワなのですが、生まれて最初の記憶が両親と共に入れられていた刑務所だというように、壮絶な人生を歩んでいる。
両親が演奏会をしている会場に兵士が乱入し、銃を乱射。内戦による砲撃を避ける為に防空壕のような洞穴で立ったまま一人でジワを産み落とした母親。
やがて亡命先のパリで母親の強い勧めにより音楽を学ぶようになるジワなのですが、両親の意に反して、チンピラ街道まっしぐらの道を歩んでいくんですね(汗)…

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この映画は逃亡先のシリアで逮捕され、刑務所に収監されたジワ(後のカター)の姿から始まり、過去の回想を含めてスクリーンサイズを変えながら描かれていくといった凝りようで。
マリファナに手を出した事で不良たちに叩きのめされたジワは、復讐の為にボクシングを習い、不良たちにお礼参りを済ませると、「危険なヤツ」の称号であるカターを名乗り、生まれ変わったかのように悪の道へ。
薬の売人や用心棒でのし上がっていくカターは、地域の顔役から預かった麻薬消失の穴埋めに、金塊強盗にまで手を染める。
そのあたりはカターの単なるチンピラ・サクセスストーリーなのですが……
色んな国を巡って悪さした挙句にドイツへ送還されたカターは、父親と面会したときに、「時間があれば音楽、曲を書きなさい」と言われ、どうせ暇やからと一念発起(汗)…
なんとかつての知り合いに協力してもらい、刑務所内で吹き込んだラップをレコーディングし、売り出して成功する(ドカ~ん!)
私は常々、人生はプラマイゼロやと思っていますが、カターのような振れ幅の大きい人生も映画になるくらいやから稀ですよね!

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この映画はカターを演じたエミリオ・サクラヤの個性も強烈でしたが、カターのオカンや恋人を演じた女優さんも凄く良かった。
この監督さんの描く女性はいつもたくましく強い。
私はいつも書くのですが、楽器を用いないラップは音楽だと思っていない。ポップミュージックやロックを衰退させたジャンルとして私は大嫌いなんです(爆汗)…
チンピラがそれなりの苦労を経て(犯罪まみれやが)、最後には家族幸せで大豪邸に住んでるこの映画を見ると、痛快を通り越してけったくそ悪かったけどね(爆汗)…クルド人魂を見せつけられた映画でした。

[2024年、3月31日、『Rheingoldラインゴールド』、シネ・リーブル梅田②にて鑑賞]
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2024年、2月25日、日曜日、MOVIXあまがさきの様子です。
本日の大阪&尼崎は雨。
私が観た『落下の解剖学』は珍しくあさイチからでの上映ではなかった為、シネコン内は時間帯的に落ち着いていました。
小さなシアターで上映の『落下の解剖学』、半分ほどお客さん入っていましたが、私が尼崎で観た理由は、同じく小さなシアターでしか上映されていない大阪地区での『落下の解剖学』が混雑していたから。

『落下の解剖学』
解説:これが長編4作目となるフランスのジュスティーヌ・トリエ監督が手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞したヒューマンサスペンス。視覚障がいをもつ少年以外は誰も居合わせていなかった雪山の山荘で起きた転落事故を引き金に、死亡した夫と夫殺しの疑惑をかけられた妻のあいだの秘密や嘘が暴かれていき、登場人物の数だけ真実が表れていく様を描いた。

人里離れた雪山の山荘で、視覚障がいをもつ11歳の少年が血を流して倒れていた父親を発見し、悲鳴を聞いた母親が救助を要請するが、父親はすでに息絶えていた。当初は転落死と思われたが、その死には不審な点も多く、前日に夫婦ゲンカをしていたことなどから、妻であるベストセラー作家のサンドラに夫殺しの疑いがかけられていく。息子に対して必死に自らの無罪を主張するサンドラだったが、事件の真相が明らかになっていくなかで、仲むつまじいと思われていた家族像とは裏腹の、夫婦のあいだに隠された秘密や嘘が露わになっていく。

女性監督による史上3作目のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。主人公サンドラ役は「さようなら、トニー・エルドマン」などで知られるドイツ出身のサンドラ・ヒュラー。第96回アカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされた。

2023年製作/152分/G/フランス
原題:Anatomie d'une chute
配給:ギャガ
劇場公開日:2024年2月23日


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この映画は私がずっと注目してきたドイツの名優ザンドラ・フュラーさんが、本年度のアカデミー賞にノミネートされた映画だと知り、楽しみにしていました。
この映画は女性監督によるフランス映画なのですが、劇中の主人公サンドラが、演じたザンドラ・フュラーさんと同じくドイツ出身であるのにもかかわらず、数か国語に堪能で、この作品でもメインは英語という設定(本作では凄く重要)でありますから、アカデミー賞の選考に該当したというね。

この映画は売れっ子の作家サンドラ(ザンドラ・フュラー)が、雪山に佇む自宅の山荘で、若い女性記者の取材を受けているシーンから始まる。
そんなインタビュー中に爆音でへんてこリズムの曲を流すサンドラの夫。
集中できなくなったサンドラは取材を打ち切る。サンドラには11歳になる視覚障害者の息子ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)という息子と大きな愛犬もいるのですが、犬の散歩から帰ってきたダニエルは、家の前で頭から血を流し倒れて死んでいる父親を発見して叫び声を上げる。
当初は、誰も知らないような雪の山荘での事故死だと思われたのですが、死因や現場の状況から不審な点が多く、証拠が不十分な状態でサンドラに殺人の疑いがかかり、やがて裁判に発展する。

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この映画では警察の捜査等は殆ど描かれない代わりに、サンドラは検察側の弁護士から裁判で徹底的に犯人扱いにされる。
ところがですね、中盤以降は法廷劇になるこの映画では、事件の真相、つまり犯人は誰か?というお話にはならない。
裁判で浮かび上がってくるのは、息子がまだ知らなかった、“大人の事情”としてのパパとママの本当の姿やったんですね。
で、そういうのは薄々感じている息子が、深く傷ついていたというお話の部分は面白いんです。子供は親の姿って敏感に感じ取っていますから。
サンドラは旧知のイケメン弁護士ヴァンサン(スワン・アルロー)と共に裁判を闘う。

劇中での裁判の大きなカギを握る、サンドラと夫の夫婦喧嘩は、どこの家庭にもある類のもの。
我が家の夫婦喧嘩やったら激しすぎて裁判にならない(汗)というほど、サンドラの夫婦喧嘩の中身はまだやさしい類に思えるのですが、サンドラの浮気であったり、息子の視覚障害の原因になった事故の責任であったり、夫は薬に頼るほど心にダメージを受けていた事が判明する。
おもろいのは、この映画のサンドラは男っぽいサッパリした性格で、「俺は話し合いたいんだ」という夫の言葉をすべて女々しい愚痴だと片づけている。
ところが、この映画の女性監督の語り口の方は、どちらかと言えばぐずぐずして女々しいから退屈する(汗)…
152分は長すぎると思いましたが…

数か国語を操り、見事にサンドラを演じたザンドラ・フュラーは素晴らしかった。
この人が演じたサンドラが“揺るぎない”人だったから、見ている私が法廷劇に惑わされる事はなかった。
あと、息子を演じたミロ・マシャド・グラネールは、視覚障害者という設定が活かされていなくて残念な部分もありましたが、盲目的に親を愛する心がビシバシ感じられて感動させられた。

[2024年、2月25日、『落下の解剖学』、MOVIXあまがさき・スクリーン④にて鑑賞]
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2024年2月19日、月曜日、シネ・リーブル梅田の様子です。
大阪は雨やったんですが、仕事帰りのちょうどいい時間に映画『ロブスター』の再上映があったので観てきました。
レインポンチョ着て自転車で(汗)…
今回の再上映は千円均一という嬉しい設定でしたが、時間の遅い昨日に鑑賞しなくて良かったと、見終えて心底そう思いましたね(汗)…




『ロブスター』
解説:アカデミー外国語映画賞ノミネート作「籠の中の乙女」で注目を集めたギリシャのヨルゴス・ランティモス監督が、コリン・ファレル、レイチェル・ワイズら豪華キャストを迎えて手がけた、自身初の英語作品。2015年・第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。独身者は身柄を確保されてホテルに送り込まれ、そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、動物に変えられて森に放たれるという近未来。独り身のデビッドもホテルへと送られるが、そこで狂気の日常を目の当たりにし、ほどなくして独り者たちが隠れ住む森へと逃げ出す。デビッドはそこで恋に落ちるが、それは独り者たちのルールに違反する行為だった。
2015年製作/118分/R15+/アイルランド・イギリス・ギリシャ・フランス・オランダ・アメリカ合作
原題:The Lobster
配給:ファインフィルムズ
劇場公開日:2016年3月5日


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今公開中の新作『哀れなるものたち』が話題のギリシャの映画監督ヨルゴス・ランティモス。
それにリンクして、『ロブスター』と『聖なる鹿殺し』が再公開され、私は見逃していた『ロブスター』を今回運良くスクリーンで見る事ができました。
この映画、私は最初、いつの時代を描いた作品なのかサッパリわからなかったのですが、いろんな紹介文を見るとこの映画の定義は“近未来SF”になってる・・・私的にはまずソコから疑問を抱く(汗)…

結婚歴があるが独身の中年男デヴィッド(コリン・ファレル)が、へんてこりんな「婚活パーティー」みたいな催しに強制参加させられる。主催者(オリビア・コールマン)が盛り上げる超豪華なホテルでのパーティーと、彼らが独身者を獲物として狙う狩りに明け暮れる毎日で、なんと45日以内にパートナーを見つけなければ、人間以外の動物に姿を変えられるという。
デヴィッドは他の動物なら「ロブスターになりたい」と。
このホテルでのルールは変なものばかりで、デヴィッドはある女性とペアになっても、軽い嘘をついたというだけで相手から殺されそうになるから、自分がその相手の女性を始末してしまう羽目に。
モテない滑舌の悪い男(ジョン・C・ライリー)や、相手を見つけ家族を得た足の悪い男(ベン・ウィショー)らとデヴィッドは行動を共にしていたのですが、ある日のトラブルが原因で、独り者たちが隠れ住む森へ逃げ込む。


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森ではリーダー(レア・セドゥ)を筆頭にクセのある独身者がコミューンを形成しているのですが、ソコでも細かいへんてこりんなルールがてんこ盛りで。
しかしデヴィッドは、その森で出会った近視の女(レイチェル・ワイズ)とベストマッチ(笑)…
しかし、理想の相手と恋に落ちるという行為は、森では禁じられていた…というお話。

コレ、毎回ひと癖ある語り口で見るものを惑わせ圧倒するヨルゴス・ランティモス監督作の中でも、一番の珍品ちゃいます?
超豪華キャストでマイルールのみで描き切ったこの映画、私は何を伝えたいのか?深いのか浅いのか?サッパリちんぷんかんぷんで(爆汗)…まさか結婚観を描いた作品ではないでしょうに…
感情を押し殺されたようなデヴィッドを演じたコリン・ファレルのキャラ作りも野暮ったいだけやったし(汗)…
ところが、この映画は上記宣材にあるように、カンヌでは賞に輝いている。この作品のどこが審査員たちの心を揺さぶったのかと。

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こういうへんてこりんなエロシーンのある中盤までは、まだ面白かったんやけどね。
このシーンは「入れてない」のですよ(笑)デヴィッドの生殖機能を確認する“朝の素股”(超爆)…
婚活が大変だというのもよくわかる。
正直、書くのにこんなに困った映画も稀。
何を伝えたかったのか?
ラストのデヴィッドの蛮行も、意味があるのかな?

人間が動物に変えられるシーンはありませんが、動物がひどい目に遭うシーンは多々あり。
凄く単純な事を独自の世界観で包みすぎてる気がしましたよ。私はサッパリわかりませんでした。
分かった人がいたら教えてほしいくらい。
SFで割り切って、昭和の映画『ローラーボール』のノリで楽しむのが正解なのかもです。

[2024年2月19日、『ロブスター』、シネ・リーブル梅田①にて鑑賞]

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2024年2月9日、金曜日、なんばパークスシネマの様子です。
私はこの週末3連休の初っ端、土曜日に映画の予定を入れていない関係で、どうしてもスケジュールの合わなかった『レディ加賀』を仕事帰りに観てきました。お客さん20人弱かな?寂しい初日の入りでした。

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こちらは前売り特典と入場特典です。

『レディ加賀』
解説:石川県の加賀温泉を盛り上げるために結成された旅館の女将たちによるプロモーションチーム「レディー・カガ」から着想を得た、ダンスで温泉街を盛り上げる女将たちの姿を描いた小芝風花主演のドラマ。

加賀温泉にある老舗旅館「ひぐち」の一人娘・樋口由香。小学校の時に見たタップダンスに魅了された由香は、タップダンサーを目指して上京したものの夢破れ、実家に戻って女将修行をスタートさせる。その不器用さから、由香の女将修行は苦戦するものの、持ち前の明るさとガッツで奮闘する毎日を送っていた。そんな中、加賀温泉を盛り上げるためのプロジェクトが発足する。由香は新米女将たちを集め、大好きなタップダンスのイベントを開催することになるのだが……。

由香役を小芝、新米女将たちを松田るか、中村静香、八木アリサ、奈月セナ、小野木里奈、水島麻理奈、由香の母親で旅館ひぐちの女将役を檀れいが演じる。
2024年製作/108分/G/日本
配給:アークエンタテインメント
劇場公開日:2024年2月9日

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この映画のタイトルを見た途端、「安易な企画で突っ走ってるんとちゃう?」と完全スルーのつもりやったんですが、そのパクられたようなレディーガガだって、元々はクイーンの曲から安易に名前パクってるしね(爆汗)……
主役の小芝風花さんが大阪出身なので応援したいのと、この映画の興収の一部が能登半島地震の義援金になるそうなので、ささやかな寄付のつもりでチョイスしました。

「いくら努力してもダメなものがある」と、タップダンサーを夢見て来た由香(小芝風花)の心が折れたタイミングで、母(檀れい)の体調が悪いと聞き、由香は実家である老舗旅館「ひぐち」のある石川県に帰る。
そこで思いのほか元気だった母に出迎えられた由香は、若女将を育てる為のゼミナールに参加する事になるが、元々そんなに気が進まない由香は他の志願者たちから遅れをとるばかりか、講師の白石(佐藤藍子)を怒らせてしまう。
そのタイミングで、由香が電車内で出会ったへんてこキザ男・花澤(森崎ウイン)がいっちょ嚙みしてきた加賀温泉を盛り上げるイベントに、タップダンスが用いられる事に。

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この映画はやたらとリズムとテンポが良いので、女将修行が若女将たちのタップダンスの練習に超無理やりシフトしても、そんなに違和感がない(爆汗)……
登場人物たちは2週間後に迫ったイベントに邁進するというお話です。

少し前にテレビドラマで見た時は「下手くそやな」と思った小芝風花さん、この映画では良かったけど、この人は髪型とメイクでむちゃくちゃ化ける人やね(爆汗)……ビックリした。
タップダンスも凄く頑張ってましたが、本当に上手い人が登場してステップを踏むと、差は歴然。
夢破れた腕前やから、設定上は問題ないんやけど(笑)……
温泉のアピールとしては少し弱い展開が玉に瑕でした。

しかし……

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まるで昭和の東映のプログラムピクチャーのようなこの映画を観て、心の底から感動して、頑張る気力を与えられるであろう人々がいる。
そう、今年の初っ端に大地震に見舞われた能登半島周辺の人たちです。
劇中、若女将たちに向けて白石は言う、「加賀温泉は2度の震災とコロナ過を乗り越えた。またみなさんで盛り上げましょう」と。
まさか、3度目の震災を元旦から喰らうとはね。すべてを失った人が大勢いる。
今も心の拠り所を失った被災者のみなさんがこの映画を見たら、号泣必至やと思います。
というか、たまたま偶然なんですけど、この映画は石川県にとってはエンタメという名の壮大なエールになっている。
特に、クライマックスでの由香の鬼気迫る舞踏には魂を揺さぶられると思います。
被災地では無料公開してほしいものです。

[2024年、2月9日、『レディ加賀』、なんばパークスシネマ・スクリーン⑨にて鑑賞]
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2024年2月4日、日曜日、大阪ステーションシティシネマの様子です。
午前十時の映画祭と銘打ちながら、11時スタートという、私の一番嫌いな時間帯の開催ゆえ、お客さん入っていましたね。
ここでお断りしておきますが、実は私の今の精神状態が凄く悪いうえに、鑑賞中にコーヒーを荷物と上着の上にこぼして最悪の状態で観たので、作品の内容案内にはなっておりません。


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初公開時(1992年)のチラシと関西版新聞広告です。

『リバー・ランズ・スルー・イット』
原題 A RIVER RUNS THROUGH IT
製作国 アメリカ
ジャンル ドラマ
製作年 1992年
カラー カラー
スクリーンサイズ ビスタ
上映時間 124分
監督 ロバート・レッドフォード
出演者 ブラッド・ピット
クレイグ・シェイファー
トム・スケリット
ブレンダ・ブレッシン
受賞歴 アカデミー賞 撮影賞
映倫区分 G ※
備考 4K
解説
俳優ロバート・レッドフォードの3本目の監督作品。アメリカ自然文学の名作「マクリーンの川」の映画化。モンタナの美しい大自然を背景に、レッドフォードは家族愛と兄弟の絆を真摯に描き上げた。本作で注目されたブラッド・ピットの美青年ぶりも大きな話題に。アカデミー賞を受賞した名手フィリップ・ルースロの撮影が秀逸。
物語
1912年、モンタナ州の田舎町。ノーマンとポールの兄弟は、父マクリーン牧師(トム・スケリット)からフライ・フィッシングと勉強を学んでいた。兄の夢は牧師かプロボクサー、弟の夢はプロのフライ・フィッシャーだった。やがてノーマン(クレイグ・シェイファー)は東部の大学に進学、ポール(ブラッド・ピット)は地元の大学を卒業後、地方新聞の記者をしていた。ある日帰郷した兄は、弟が酒と賭けポーカーにのめり込んでいることを知る。

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この映画はロバート・レッドフォードが自分の後継者的にブラッド・ピットという俳優をブレイクさせた作品というイメージやったんですが、今回初めて見た私、半分は予想通りの作品でした。
その予想通りとは、ロバート・レッドフォードらしい優等生のような語り口のノスタルジックな作品だったということ。

1912年のモンタナ州。自然豊かな田舎町ですわ。
マクリーン牧師(トム・スケリット)のノーマンとポールの兄弟は、敬虔なマクリーンから大いに学んで成長していた。
家族みんなの趣味である釣りで非凡な才能を見せるポールは、「夢はフライ・フィッシャーだ」なんて宣言し、真面目な兄を驚かせる。
(ちなみに子供時代の兄ノーマンを、あのジョセフ・ゴードン・レヴィットが演じています。顔がそのまんま)

やがて大人になってきたノーマン(クレイグ・シェイファー)とポール(ブラッド・ピット)ですが、腕っぷしが強いが真面目なノーマンは東部の大学に進学。
やがて帰郷した際に恋をしたりなんかして……

さて、ここからは私の予想外の展開で、優等生に見えるポールは地元愛が強すぎてどこへも動かずなのですが、ちょっとやんちゃなんですね。
酒と博打に溺れているんです。
天才的で美しい釣りのときの姿とのギャップが凄いです。
この映画はロバート・レッドフォードのナレーションと、美しい自然描写で進んで行きますが、どちらかというと波風の少ない、誰もが自分の事のように感じられるシーンの連続。最後を除いては。
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この映画はブラピ以外の出演者もいい。
後のホラー映画等で好きだったクレイグ・シェイファーもいいし、何と言ってもお父さんを演じたトム・スケリットがね、1970年代から彼の映画を観てきた私にはたまりません。
ちなみに彼らが川でする釣りは流れが強く見ていても凄く危険。泳げない私には無理です。
また、ロバート・レッドフォードが他の作品でも描いたモンタナという田舎が、自然好きにはたまらんでしょうね。
美女も含めて、劇中での先住民たちの描き方も興味深い。
地味なエピソードの積み重ねなのに退屈しないのは、さすがロバート・レッドフォード。

(2024年、2月4日、『リバー・ランズ・スルー・イット』、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン⑧にて鑑賞

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