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2020年10月20日、火曜日、シネ・リーブル梅田の様子です。
サービスデーなので映画鑑賞してきました。
こちらの梅田スカイビルにも少し、観光客が戻りつつあるようです。
今、洋画のメジャー作がコロナ過により公開延期の第二波のようで。ラインナップがアニメと邦画ばかりなんですよね。
お蔵入りしていた映画か厳選された各国の映画の中から作品をチョイスするのが大変で・・・。
私が今回観た『薬の神じゃない!』は2018年度の中国映画なのですが、超掘り出し物?の傑作映画でした!


『薬の神じゃない!』
解説:中国の医薬業界改革のきっかけになった、実際の薬の密輸事件を基にした社会派ドラマ。薬の密輸を始めた主人公の行く末を映し出す。『帰れない二人』などのシュー・ジェンが主演を務め、ドラマ「少林問道」などのジョウ・イーウェイ、『スプリング・フィーバー』などのタン・ジュオのほか、ワン・チュアンジュン、チャン・ユーらが共演。

あらすじ:上海にある男性用の回春薬を販売する店の店主チョン・ヨン(シュー・ジェン)は、店の賃料が払えず妻にもあきれられていた。何の喜びもない人生を送っていた彼のもとに、ある日、慢性骨髄性白血病患者のリュ・ショウイーがやって来る。彼は国内で認可された高額な薬の代わりに、インドのジェネリック薬を仕入れてほしいとチョンに頼む。チョンは断るが、大金に目がくらみ、密輸と販売を行うようになる。

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2002年の上海。冒頭で、売れない薬局を経営し、家賃を滞納している店主のチョンがいかにお金に困っているかが描写される。
ある日チョンは、慢性骨髄性白血病患者リュの訪問を受け、国内で認可された高額の薬ではなく、インドのジュネリック薬を仕入れてほしいと頼まれる。それは密輸にあたり完全な違法行為なんですね。
最初は断るチョンなんですが、自分の父親も重い病気で入院しており、薬が高額な為に治療を打ち切られるという有様を見て憤り、インドへ薬の買い付けに行き、上海への密輸ルートを開拓する事に成功します。

闇で偽薬が横行する為に最初は警戒されて売れなかった薬なのですが、白血病掲示板の運営者かつ美人ダンサーであるリウの協力により、白血病の仲間が集まりチョンの密輸は軌道に乗る。
なぜチョンの薬は売れ、良い仲間に恵まれて支持されたのかというと、チョンは貧しさから苦境に立たされる多くの白血病患者を見て、薬を出来る限り安く売り、縄張りを広げない事で当局の目をごまかす事に成功しているから。
ある日チョンは偽薬を高額で売るペテン師を妨害した為、逆にペテン師に逆恨みされてゆすられた事から、なんと保身の為にインドとの密輸ルートをペテン師に売り渡してしまう。
その事で仲間たちと袂を分かつチョンはその後、事業家として成功を収めているのですが、1年後、かつての仲間たちや多くの白血病患者が苦境に追い込まれているのを目の当たりにし、再び密輸に手を染めるようになる・・・というお話。

この映画の白血病患者が立たされる苦境とは、イコール死に直結している。
この物語は結果的に刑務所へ送られるチョンの姿が中国の医療業界改革につながるという実話の映画化なのですが、国や人を動かした密輸の裏にある熱いハートが描かれているから、見ていてむちゃくちゃ燃える!
この映画の登場人物はみんな心根が優しい。チョンの義兄弟であるツァオ刑事はね、犯罪者チョンを庇う白血病患者の懇願に遭い、犯罪と善行と法の板挟みになった挙句に刑事を辞めてしまう。それほどの熱い物語なんですわ・・・。
後半はまるで『シンドラーのリスト』のようになるこの映画、このブログをいつも見て、わたくしゾンビマンと映画の好みが似ているなとお感じの方なら是非劇場へ。

[2020年10月20日、『薬の神じゃない!』、シネ・リーブル梅田③にて鑑賞]

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