ナニワのスクリーンで映画を観るということ。

大阪の映画好きゾンビまんです。 映画館のスクリーンで映画を観るということ。

2021年04月

らいぐら2


IMG_1873
IMG_1874
IMG_1879

2021年4月24日、土曜日、TOHOシネマズなんば・別館の様子です。
私は久しぶりに午前中は仕事で、午後は映画鑑賞してきました。
一部のクソバカ感染者やマナー違反者のおかげで緊急事態宣言になり、明日25日から大阪の映画館は殆ど休業になります。
店を休業にするより、線引きして、ここから先でコロナに感染した人は病院で診ませんと宣言したらええねん。バカほど小心者やから自然に出歩いたり酒盛りなんてせんわ。ホンマに真面目にやってる人がクソ迷惑してる。
映画『グランパ・ウォーズ』、盛況でした。





『グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告 』
解説:『アイリッシュマン』などのロバート・デ・ニーロ主演のコメディー。孫のものだった部屋で暮らすことになった老人と、彼のせいで屋根裏部屋に追いやられた孫の対立が大騒動に発展する。監督は『イースターラビットのキャンディ工場』などのティム・ヒル。『ワンダーストラック』などのオークス・フェグリー、『ワン・モア・タイム』などのクリストファー・ウォーケン、『ダイアナの選択』などのユマ・サーマン、『ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~』などのロブ・リグルらが出演する。

あらすじ:妻に先立たれ、娘のサリー(ユマ・サーマン)の家族と暮らすために引っ越しをしたエド(ロバート・デ・ニーロ)。エドと一緒に暮らすことを喜ぶ孫のピーター(オークス・フェグリー)だったが、自分の部屋を彼に明け渡して屋根裏部屋に移らされるのを知って腹を立てる。ピーターはエドに宣戦布告めいた手紙を送り、彼を追い出そうと次々とイタズラを仕掛ける。度を越していくイタズラに業を煮やしたエドは、悪友ジェリー(クリストファー・ウォーケン)の知恵を借りて反撃に打って出る。




この映画、妻を亡くしたエド爺さんの買い物風景から始まるんですが、スーパーが導入したセルフレジで四苦八苦するエドは万引き犯と同じような事をやらかしてしまい、黒人の巨漢支配人に追われてるんやけど、そんなエドを援護すべく黒人支配人を攻撃する老人たちの描写がめちゃくちゃパワフルで(笑)・・・。
そんなエド、父親を心配する娘サリーの好意で、サリーの家族と暮らすべく自分が建てて暮らしていた思い出多き我が家を後にします。
サリーは亭主と、姉妹と長男合わせて子供3人の5人家族なんですが、なんとエドに息子ピーターの部屋を与え、ピーターを屋根裏部屋に追いやったので、ピーターはプンスカ怒る。

私、虫やネズミの巣窟だから屋根裏部屋は嫌だと言うピーターの言い分はよく分かる。普通の感覚ならと言うか、私なら、可愛い孫の部屋は奪わないのですが(私も虫は大嫌いやが)、この映画の誇り高き老人エドにしてみれば、「ああ、私に部屋を用意してくれたのか」で終わり(爆)・・・。
そんな周りの態度に怒りが爆発したピーターは、手紙を書いてエドに宣戦布告するんですが、大人げないエドは不敵な笑みを浮かべて「よし、受けて立つ」と(爆汗)・・・。

エドとピーターのいたずら合戦は笑えるポイントなのですが、孤軍奮闘するピーターに対し、エドは仲間たちと老人パワーで対抗するところがミソ。
この映画、案の定、笑えるシーンは予告編で出尽くしていて(それでも場内笑いに包まれてウケていました)、私はニヤニヤするばかりでしたが、コメディーというよりはハートウォーミングなファミリー映画でした。
とにかくデ・ニーロをはじめ、登場人物たちが楽しそうでね(笑)・・・。

[2021年、4月24日、『グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告 』、TOHOシネマズなんば・別館スクリーン⑩にて鑑賞]

raigura2

らいがめ2IMG_1847
IMG_1854
IMG_1855
IMG_1860

2021年4月22日、木曜日、梅田ブルク7の様子です。
いよいよ緊急事態宣言下になるようですね。
駆け込みではないですが、今回のガメラ上映、盛況でしたよ。お客さん30人以上はおったと思う。
こちらの梅田ブルク7は、火曜日と木曜日がキネゾー・デーで映画が安いんです。
ドルビーシネマにて上映でしたが、『ガメラ3』はヴィスタサイズなのでスクリーン全開!凄い迫力でした。



IMG_1865.jpg

入場特典のフィルムですね。



『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』
解説:大映による特撮怪獣映画「大怪獣ガメラ」を復活させた「平成ガメラ」3部作の第3作。「ガメラが人類の敵だったら」というテーマのもと、ガメラとギャオスの戦闘による被害で両親を失った少女を主人公に、人口が密集する大都会に怪獣が出現することによる災害を真正面から描いた。ガメラとギャオスの戦闘で両親を失ったことでガメラを憎んでいる少女・比良坂綾奈は、ある洞窟で謎の生物を発見し、「イリス」と名付けてかわいがっていた。一方、東京に2匹のギャオスが飛来し、ガメラがこれを撃退するものの甚大な被害が出たことから、政府はギャオス以上にガメラを危険視するようになる。やがて、綾奈のかわいがっていたイリスがギャオスの変異体であることが判明し……。監督は平成ガメラ3部作ですべてでメガホンをとった金子修介。特技監督も同様に前2作から引き続き樋口真嗣が務め、当時の最新技術を駆使し、日常の風景が奪われていく惨事を徹底した描写で描いた。2021年4月「ガメラ55周年記念プロジェクト」の一環として、4Dデジタル復元した「4K HDR版」が全国のドルビーシネマで期間限定上映。
1999年製作/108分/日本
配給:KADOKAWA
日本初公開:1999年3月6日


あらすじ:1999年。地球は異常事態に見舞われていた。人を喰う巨大怪鳥ギャオスが、世界各地で大量発生、被害が急速に拡大していた。女性鳥類学者の長峰真弓(中山忍)は、4年前、人類を恐怖に突き落としたギャオスに遭遇して以来、その災禍をくい止めるため、生態研究をすすめていた。が、謎は深まるばかりだった…。

ライガメ1
らいがめ3

子供の頃に特撮怪獣映画でシネマの面白さに目覚めた私ですから、そのジャンルの映画は出来る限り映画館で観て来たつもりやったんですが、平成ガメラ3部作の最終章である『邪神<イリス>覚醒』だけは見逃していたんですわ。この度ドルビーシネマにて初めて鑑賞しました。

この映画が凄いのは前2作と繋がったうえで、“いくら正義の味方でも、あんなに巨大な生物が都会で暴れたら、それなりの被害者がおるやろう”という疑問に少し答えたところ。
1999年、世界中のあちこちでギャオスが発生し、人様に迷惑をかけているというとんでもない世紀末で(汗)、鳥類学者の真弓やガメラと交信できた浅黄(藤谷文子)は事態を調査しながら世界をまたにかけている。
その数年前、ガメラとギャオスの戦闘時に両親(三田村邦彦&かとうかずこ)を巻き添えにされて亡くした綾奈(前田愛)は、幼い弟と共に奈良の親戚の家に身を寄せているのですが、そこの家族にも心を許さない綾奈は、地元の同級生から酷いいじめを受けている。
そんな綾奈に密かに想いを寄せる地元の名家の孫、龍成(小山優)はいつも綾奈を守ってあげているんですが、いじめの延長で禁じられた洞窟に侵入した綾奈は、龍成とともに奇妙な化石と生物を発見。綾奈は可愛がっていた猫と同じ名前を生物につけて育てる事を決意し、猛スピードで謎の怪獣クラスに成長したイリスとともに、ガメラへの復讐を誓う・・・というお話。

この映画は数分おきに怪獣を出すというセオリーを無視して、シリアスな人間ドラマの比重が大きいのが特徴。
しかし、クライマックス・シーンの舞台となる京都駅での怪獣バトルを含む特撮の完成度と世界観は、樋口真嗣特技監督がひとつの頂点を極めた感があり、金子修介監督のライブ感溢れる演出とのハーモニーが抜群なんですよね。
地球の守護神としてのガメラの墓場が海底にあるという設定もショッキングですが、子供の味方(本作でもそういうシーンあり)であった昭和ガメラとは違い、片腕を失っても戦い抜いたガメラを描いたというこのショッキングな怪獣映画は、はっきり言って子供にはしんどい(超爆)・・・。2作目の『レギオン襲来』と双璧の、レベルの高い特撮怪獣映画です。

[2021年、4月22日、『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』、梅田ブルク7・ドルビーシネマにて鑑賞]

らいがめ4

IMG_1839IMG_1832
IMG_1833
IMG_1843

2021年4月19日、月曜日、シネ・マート心斎橋の様子です。
シネ・マート心斎橋の月曜メンズデーに、帰宅・仮眠後に行くという最近のパターンで。
映画『ハンバーガー・ヒル』、お客さん私と女性一人を含む6人でした(汗)・・・。



『ハンバーガー・ヒル』
解説:南ベトナム937高地、簡単に挽き肉にされてしまう事から“ハンバーガー・ヒル”と呼ばれるようになったその丘の攻略を目指して進撃する米軍部隊を、ドキュメンタリー・タッチで淡々と描いたベトナム戦争映画。
1987年に劇場公開され、キャスト等ほぼノーネームにもかかわらず年間洋画配給収入ランキング第13位を記録、ベトナム戦争の壮絶な局地戦を胸をえぐる迫真のリアリズムで描いた地獄の戦争映画『ハンバーガー・ヒル』が約34年ぶりに4月16日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開されることが決定(キングレコード提供、コピアポア・フィルム配給)。“あの丘を奪れ!”のキャッチコピーに合わせ、舞台となる悲惨な丘の急斜面を強調した新たなキービジュアルも同時に解禁された。


らいはん1


私の手元の資料を見ますと、この『ハンバーガー・ヒル』という映画、私は1987年9月19日に南街劇場で観ています。
当時は春のアカデミー賞にて映画『プラトーン』がオスカーに輝いた影響で、ベトナム戦争映画ブームが巻き起こっており、私的には内容が似ていて、後出しみたいに公開された『ハンバーガー・ヒル』にそれほど感度はなかったんですが、秋にちょうど『プラトーン』がアンコール上映されたとき(ちなみに同時上映は『ターミネーター』)、『ハンバーガー・ヒル』を立ち見で観たという友人を誘って劇場で『プラトーン』を見せたら、友人は「どっちも同じやん。俺はハンバーガーの方が愛着あってええわ」って、「どんな愛着じゃ!」言うてね(爆汗)・・・。
私はベトナム戦争でのアメリカの恥部を分かりやすくドラマ構成した『プラトーン』と、ドキュメンタリー・タッチの『ハンバーガー・ヒル』が「どっちもどっち」と言った友人の感想に当時はかなり反発を覚えたものですが(爆汗)、今回、約30数年ぶりに再見した映画『ハンバーガー・ヒル』、初公開時に観たときより、100倍面白かった。

冒頭、いきなり爆風で飛ばされたアメリカ兵が、破れた腹から出た内臓を抱えて落ちてくるという、ショッキングな戦場最前線のシーンから始まるのですが、すぐにアダム軍曹(ディラン・マクダーモット)率いる小隊のメンバーが、ベトナムの村で村民たちと共存し、英気を養っているシーンに変わります。
この映画は淡々と、そんな緩急・静と動の繰り返しなんです。
やはり階級や人種でまとまりのない小隊に、要らない装備に包まれた初々しい新兵が配属されてくる。彼らの衝突を繰り返す日常が描かれるのですが、中盤からは、そんな彼らが戦略上の重要ポイントである“エイショウ・バレイ”と呼ばれる937高地、別名“ハンバーガー・ヒル”に挑む様が延々と描かれる。

少し攻めては進んで下りを1日に何度も繰り返し、アメリカ兵たちは丘を日々少しずつ登っていく。日々戦死者を出す彼らは、本部からは「攻撃が手ぬるい」と罵られ、兵士たちはベトナム戦争に反対する世論に巻き込まれ、本国からも総スカン喰らっているという姿が浮かび上がってくる。
「周りがあなたたちを非難しようと、私はあなたの帰還を信じてます」という新妻の手紙に落胆するジョー(ティム・クイル)や、古参兵の、「一時帰国したら子供と妻の待つ我が家のトイレに知らない男がいやがった。俺は何も言わずに酒場に行って、そこからここへ戻ってきたよ」という彼らは、厳しい戦局をくぐり抜け、“国の鼻つまみ者”としてひとつにまとまっていく。
やがて大勢の仲間が死に、木々に覆われていた丘がですね、最後にはみんな吹き飛ばされてはげ山になっているという壮絶さ。

で、そんな彼らを描写したこの映画は何を言いたいのか?
この映画は、そんな彼らを忘れずに、抱きしめてあげてほしいと。
今回再見して、「さすが、今頃再上映されるだけはある」と、あらためて完成度の高さに唸りました。

[1987年9月19日、『ハンバーガー・ヒル』、南街劇場にて観賞]
[2021年4月19日、『ハンバーガー・ヒル』、シネ・マート心斎橋②にて鑑

IMG_1826IMG_1814
IMG_1818
IMG_1821
IMG_1824

2021年4月18日、日曜日、梅田ブルク7の様子です。
私は朝9時からの映画を観たのですが、30分前に着いて、シネコンはすでに賑わっていました。
『シン・エヴァ』はまだまだお客さん入ってますね! 私は全然違う『エヴァ』を観たんですが(汗)・・・。
お客さん30人以上は入ってました。
こちら、梅田ブルク7の2番シアターは、シネスコ・ワイドになっても天地が縮まないので、大画面で楽しめるのが良いのと、相変わらずここは音が抜群に良い。大阪一です。難聴の私が銃声で飛び上がりそうになる爆音やから。



『AVA/エヴァ』
解説:裏社会に生きる女暗殺者が、ある出来事がきっかけで組織に反逆するサスペンスアクション。自らの存在意義を追い求める暗殺者を『ゼロ・ダーク・サーティ』などのジェシカ・チャステインが演じ、『ジョン・ウィック:チャプター2』などのコモン、『マルコヴィッチの穴』などのジョン・マルコヴィッチ、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』などのコリン・ファレルらが共演する。『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』でジェシカと組んだテイト・テイラーがメガホンを取った。

あらすじ:美貌と知性、圧倒的な戦闘能力を兼ね備えた暗殺者エヴァ(ジェシカ・チャステイン)は、組織の指令通りに任務を遂行しながらも、標的の殺害に疑念を抱いていた。ある日、彼女は極秘の潜入任務に臨むが、正体がバレたことで敵と銃撃戦になってしまう。何とか生き延びるも自分を陥れようとする存在を疑うエヴァは、組織への不信感を募らせていく。その一方で、組織の脅威となった彼女は最強の殺し屋サイモンに命を狙われる。

らいえば2


この映画の冒頭のパリのシーン。空港へイギリス人を車で迎えに行く美女エヴァは、入念に口紅を塗り直し、相手を座らせている後部座席へ移動し、舌足らずなキャンディーボイスで相手を誘っているフリをしながら、「あなたいったい何をしたの?」と銃を向ける。
「人は最期の時に幸福かどうかわかる」という誰かの格言を添えて。
エヴァが必死に命乞いする男を射殺する様子を、少し離れた場所から盗聴している美人ライダー。
そんなエヴァの生い立ちを数々の身分証と共に映し出すタイトルバックも、人間だから完璧ではないという殺し屋エヴァのキャラと、この映画の制作者の一人であるジェシカ・チャステインの心意気を表しているようで、見終わって振り返ると秀逸なんですよね。

続いてサウジアラビアに飛んだエヴァは、殺しの際、簡単に包囲されて死にかけた事から、自分が所属する暗殺組織に不信感を持つ。エヴァは若くしてアルコール依存症になって人生を踏み外した事により、身内に何も告げず軍隊に入り、そこからの流れで訓練された殺し屋になった。
師事したデューク(ジョン・マルコヴィッチ)はエヴァに休息を勧めながら、自分の一番弟子であり、今や組織のトップになったサイモン(コリン・ファレル)に探りを入れます。
エヴァは組織から禁じられていたターゲットとの私語を犯したので、実は任務にかこつけて命をサイモンに狙われていて、それを阻止しようとしたデュークを殺された事により、エヴァはサイモンとの対決の時を迎える・・・というお話なのですが・・・。

この映画が面白いのは、エヴァの家族との描写がふんだんにあるんですわ。全然エヴァはミステリアスちゃうねん(笑)・・・。
8年間エヴァが家を空けている間、母に内緒で浮気していた父親は死んでおり、妹ジュディ(ジェス・ワイクスラー)は、自分の元恋人マイケル(コモン)と同棲していて、母親(ジーナ・デイヴィス)は、心臓を悪くして入院していた。
で、ちょいワル黒人青年のマイケルが街の違法賭博場で借金している事を突き止めたエヴァは、殺し屋謹慎中にそのスキルを使い、賭博場の女傑(ジョアン・チェン)率いるチンピラたちを叩きのめしてしまうという(超爆)、自分の思う型にハマっていないと映画をけなす幼稚な映画ブロガーがそっぽを向くような展開が半分を占める(超爆)・・・。
私的にはね、そんな穴の開いた靴下みたいなこのアクション映画が、人間臭くてツボに激ハマリでして。
映画とは楽しむもので、論破できるかどうかなんてクソ喰らえ!という、映画本来のエンタメ性の良さを再認識させられた。ジェシカ・チャステインよ、あっぱれです!

[2021年、4月18日、『AVA/エヴァ』、梅田ブルク7・シアター②にて鑑賞]

らいえば1

IMG_1802IMG_1796
IMG_1794
IMG_1803
IMG_1804


2021年4月17日、土曜日、大阪ステーションシティシネマの様子です。
本日の大阪は一日雨。甲子園球場でも、予告先発が究極の雨男である青柳投手やったので、本領発揮して中止になりました。
シネコンも雨の影響で閑散としてましたわ。
今日の映画鑑賞はクソ最悪で、私の後ろの席のバカがビール飲んでいて、むっちゃ酒臭くて映画に集中できんかった。
金返せレベルで不快でした。
映画鑑賞にビールとか酒いるか?まったく理解できんわ。

『約束の宇宙(そら)』
解説:シングルマザーの宇宙飛行士と娘の絆を描いた人間ドラマ。待望の任務に選ばれるも、キャリアと娘への愛情のはざまで葛藤する女性を描く。監督は『ラスト・ボディガード』などのアリス・ウィンクール、音楽は坂本龍一が担当。主人公を『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』などのエヴァ・グリーン、その娘をおよそ300人の中からオーディションで選ばれたゼリー・ブーラン・レメルが演じ、『ハウス・ジャック・ビルト』などのマット・ディロン、『ありがとう、トニ・エルドマン』などのザンドラ・ヒュラーらが脇を固める。

あらすじ:欧州宇宙機関(ESA)で日々過酷な訓練に励んでいる宇宙飛行士のサラ(エヴァ・グリーン)は、夫と離婚し、7歳の娘ステラ(ゼリー・ブーラン・レメル)と二人で暮らしていた。ある日、サラは「Proxima(プロキシマ)」と呼ばれるミッションのクルーに選出される。長年の夢がかなう一方で、一度宇宙へ飛び立つとおよそ1年もの間、まな娘と離れ離れになってしまう。出発日が迫る中、母と娘は「打ち上げ前に、二人でロケットを見る」という約束を交わす。


らいやす1


子供の頃からの憧れだった宇宙飛行士になるべく、日々厳しいトレーニングに励むサラは、物理学者の夫トマス(ラース・アイディンガー)と離婚し、7歳になる娘ステラと2人暮らし。
サラは少し発達障害気味のステラの勉強が遅れている事が心配事なのだが、自身の夢を追いかけるべく、宇宙飛行士とシングルマザーの二足の草鞋を履くことに奮闘する。
そんなサラは、遂にProxima(原題)というミッションのクルーに選ばれる。クルーのリーダーであるマイク(マット・ディロン)がサラの頭脳明晰さを評価したから。
ところが、クルーに選ばれた以上、サラは2か月の隔離訓練の後に、宇宙へ旅立てば1年は帰ってこれなくなる。
慌ただしく準備に入らなくてはならないサラは、ステラを強引にトマスへ託し、訓練施設のあるロシアへ向かう。

日々体力の限界に挑むサラなのですが、やはりどうしてもステラの事が気になるから、訓練に集中できず、マイクからも厳しい𠮟咤激励を受ける(ちなみに、宇宙飛行士には共に訓練する補欠がいるので、代わりはいくらでもいる)のですが、どうにかサラはステラとの面会を繰り返すうち、二人はある約束をして試練を乗り越える・・・というお話。

この映画、女性監督がたいそうに宇宙飛行士の過酷さを描いているように見えて、実は世のシングルマザーたちの大変さをみんなが共感できるように描いた作品だと私はみた。
その語り口は男の私から見ても大変共感できるものであった。
“シングルマザーだから”、“女だから大変なのよ”という人としての甘えが一切ないからなんですよね。
劇中、宇宙へロケットで旅立つ事は、爆弾に乗り込むのと同じなんだと説明がある。
そんな危険な任務に就く為の訓練に、サラは再三遅刻する。ステラに手がかかるから。
静かなクライマックス・シーン、サラはステラとの約束を果たす為に、許される事ではないのだが、一時的に施設から脱走までする。
見ているこちらは他の人命にも関わることなので、サラの言動にヒヤヒヤしたりイラっとしたりする(爆汗)・・・。でも、世の働くお母さんって、大なり小なりそういう事を経験して子育てしてるんですよね。
だからこそ、ステラは空を見上げ、再び会う約束を信じて母親を見送り、待つことができるんやと思います。

[2021年4月17日、『約束の宇宙(そら)』、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン⑤にて鑑賞]

らいやす2

↑このページのトップヘ