↑
2020年5月30日、土曜日、シネ・リーブル梅田の様子です。
『CURED キュアード』
解説:ゾンビパンデミックが収束した後の世界を映し出したSFスリラー。差別やテロなど現代社会の問題を思わせる物語を描く。夫をゾンビに殺された女性を『フラットライナーズ』などのエレン・ペイジが演じ、『モンスターズ/新種襲来』などのサム・キーリー、『メイズ 大脱走』などのトム・ヴォーン=ローラーらが共演。監督はデヴィッド・フレインが務める。
あらすじ:アイルランドで人間を凶暴化させるウイルスのパンデミックが起きてから6年。新たな治療法によって回復した75パーセントの人々が社会復帰することになった。シングルマザーのアビー(エレン・ペイジ)は、回復した義理の弟セナンを受け入れる。一方、回復者を恐れる市民の抗議デモが活発化し、不満を持つ回復者たちは復讐(ふくしゅう)テロを企てていた。
アイルランド。ウイルス感染により、噛まれた人間は狂暴化するという、ゾンビパニックが終息に向かおうとしていた。
新たな治療法により回復した感染者は、受け入れ先(主に家族とか)があれば社会復帰できるようになるのですが、回復者にはなんと自分が狂暴化した時の記憶が残っている。
シングルマザーのアビー(エレン・ペイジ)には小さな息子がいるんですが、回復した義理の弟セナン(サム・キーリー)を受け入れる。周りの非難をよそに、アビーの息子はセナンによく懐いている。
セナンには回復者たちの矯正施設で知り合い、まるで兄弟の契りを交わしたようなコナー(トム・ヴォーン=ローラー)という仲間がいるのですが、コナーは“ゾンビ営業中”に自分の母親を死に至らしめているので、父親はコナーに辛く当たるだけなので、コナーの居場所がないわけです。
そんなコナーは回復者たちを差別する市民に反旗を翻すサークルに参加して社会へ憎悪を燃やし、セナンも引き入れようとする・・・というお話。
この映画はフランスとアイルランドの合作で、2017年の映画なんです。ゾンビパンデミック(感染)終息後を描いた物語やから、今が旬のネタなんですが、新型コロナウイルス蔓延前の作品なので、感染映画としても、ゾンビ映画としても、どの角度から見ても美味しいネタを持て余した中途半端な映画で、テーマが定まっていないから、ひたすら暗くてテンポが悪い。
特に、現実の新型コロナウイルスでも話題になっている、回復者の社会復帰に伴う差別とかね。
“ゾンビ化している”という映画的な部分が、現実的な作品テーマの足かせになっているという、珍しいタイプのプチ失敗作やと思うね。だから3年もお蔵入りしていたのかも。
[2020年、5月30日、『CURED キュアード』、シネ・リーブル梅田②にて鑑賞]