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2020年4月4日、土曜日、シネ・リーブル梅田の様子です。
相変わらず自粛ムードですが、大阪でも指折りの観光名所、梅田スカイビルは見事に閑散としていて・・・。
シネ・リーブル梅田は「3密」を解消しようとご覧のように座席間隔を空けての販売で。
暇な野郎たちが詰めかけた『ナイチンゲール』も、ご覧のようにオッサンたちの頭がひとつ飛ばしで並んでる(笑)・・・。
やはり他のシネコンがみんな臨時休業なので、じっとしていられない映画ファンがチラホラ来ておられました。
ちなみに、珍しくシネ・リーブル梅田のスクリーンがシネスコ・ワイドに最初からなっているなと思っていたら、『ナイチンゲール』という映画は今では珍しいスタンダード・サイズ(真四角)の作品で笑った・・・。


『ナイチンゲール』
解説:第75回ベネチア国際映画祭で審査員特別賞とマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)に輝いたスリラー。『ババドック ~暗闇の魔物~』などのジェニファー・ケント監督が、流刑地の女性虐待と先住民の迫害の歴史を映し出す。ドラマ「ジーニアス:ピカソ」などのアシュリン・フランチオージ、『あと1センチの恋』などのサム・クラフリンらが出演。

あらすじ:19世紀のオーストラリア。アイルランド人の若い女囚クレア(アシュリン・フランチオージ)は、英国軍の将校たちから暴行を受けた上に、夫と子供を殺されてしまう。復讐(ふくしゅう)を決意した彼女は、逃亡した将校らを追うために、植民政策により虐げられている先住民アボリジニの青年ビリー(ベイカリ・ガナンバー)に道案内を依頼する。理不尽に全てを奪われた二人はタスマニアの過酷な森をさまよい、加害者たちを追い詰める。

 


19世紀。
冒頭からご主人様らしき人に小言を言われている赤子のお母さんクレアは、ワケあり女感がたっぷりでね。
「すべてを失う事が一番怖い」というクレアはアイルランド人で、同郷の夫エイデンと共に小さな盗みを働いた罪でオーストラリアのタスマニアの森の中で生活している。つまりクレアたち夫婦にとってタスマニアは流刑地なんですよね。ソコは重要ポイント。
厳しい軍規で駐屯する英国将校のホーキンス中尉(サム・クラフリン)は、刑期を終えたエイデンとクレアを自由(保釈)にしなかった。なぜかというと、澄んだ歌声と美貌を持つクレアを、影で手籠めにしていたから。
ある夜、釈放の事でエイデンと揉めたホーキンスは、エイデンの目の前でクレアを犯した挙句にエイデンを射殺し、ホーキンスに𠮟責された下士官ははずみでクレアの赤ん坊を殺してしまった。自らも瀕死のクレアは復讐を誓い、先住民アボリジニの青年ビリーを全財産で雇い、素行不良から出世を目論み、上官のいるローンセストンを目指したホーキンスの小隊を追い、原野を行く・・・というお話。

女性監督ジェニファー・ケントが描くこの映画、私はレイプ犯罪に付き物の女性の復讐ホラー・サスペンスドラマやと思ってたんですよ。
ところが少し違った。
軽犯罪者が罪を償う19世紀のでの流刑地での差別と闘いを描いた、レオナルド・ディカプリオ主演の『レヴェナント:蘇えりし者』のテイストに近い映画でした。
オーストラリアとカナダとアメリカの合作だという2018年度のこの映画、136分の後半が急速にテンポダウンするので150分の大作に感じてしまうのが少し難点なのですが・・・。
いつの時代であっても、権力を笠に着た弾圧や理不尽な暴力や殺戮は許さんという人間の愚かな部分に鋭くメスを入れた作品やと思いますね・・・。歴史的検証に裏打ちされた民族たちの風習や差別も含めて、たいへん面白い大作映画でした。

[2020年4月4日、『ナイチンゲール』、シネ・リーブル梅田④にて鑑賞]
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