ナニワのスクリーンで映画を観るということ。

大阪の映画好きゾンビまんです。 映画館のスクリーンで映画を観るということ。

2015年05月



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この作品のふたつ折りチラシの両面と関西版新聞広告です。




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本日の梅田ブルク7の様子です。
朝からアニメ作品が上映されていたので、ロビーは大混雑。
『誘拐の掟』の初回もね、なかなかの盛況でしたよ。



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前売り特典の手ぬぐい。なんで手ぬぐいやねん(爆)・・・。
どこのなにが“ヨロシク”やねん(爆)・・・。



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パンフ、定価700円です。






『誘拐の掟』
解説:『96時間』シリーズなどでアクション俳優としての地位を確立した名優リーアム・ニーソンが主演を務め、ローレンス・ブロックの傑作ミステリーを映画化したサスペンス。引退した敏腕刑事が、猟奇殺人犯と激しい頭脳戦を繰り広げる姿を活写する。『ザ・ゲスト』などのダン・スティーヴンスや、ラッパーのアストロことブライアン・ブラッドリーらが共演。邪悪な猟奇殺人鬼に挑む主人公のパワーに圧倒される。
 
あらすじ:ニューヨーク中が連続誘拐殺人事件におびえていた1999年、元刑事のマット(リーアム・ニーソン)のところにある依頼が舞い込む。それは妻を誘拐された夫からの、犯人を見つけ出してほしいというものだった。マットはこれまでの刑事人生で身に付けた全てのスキルを総動員して誘拐犯の捜索に挑むが、相手もなかなか尻尾を出さず……。
 
 
 
近年のリーアム・ニーソン、ジェイソン・ステイサムに負けないほどの多作アクションスターになっていますが・・・。
私は『96時間』を見逃してしまったばっかりに、リーアムさんの近年のアクション作はスルーしていました。ところが、信頼できるブロ友さんが、「この作品は一味違う」みたいに褒められていたので、速攻で前売り券を買いに行って鑑賞してきました(汗)・・・。
 
まず最初に、この作品はアクション映画ではない。
一流のプロたちの仕業による、極上のサスペンス映画でした・・・。
 
この作品ね、ネタふりとして1991年のニューヨークから始まる。
ワイルドな風貌で昼間っから同僚の制止も聞かず酒を飲んでいる刑事マットは、店にやって来た強盗を退治するんですが・・・。
1999年、サッパリとイメチェンしてるマットはね、警察を引退して無免許の私立探偵をしているんですが、教会の酒を断つ会に参加している。
その会で知り合った若者ピーターから、ある依頼をされるんですね。
それは、ピーターの弟ケニーの妻を誘拐して惨殺した犯人を見つけ出してほしいというもの。
実は表向き建築業のケニーの裏の顔は麻薬の仲介人なんですね。だから警察には通報できない。
情にほだされて嫌々仕事を引き受けたマットは、様々な人と協力し合い、犯人に接近していく・・・というお話。
 
この作品、ネタふりでマットに酒を断念させるきっかけになったアクシデントがあって、その傷を背負って生きているマットの悟りを開いたような佇まいが独特かつ重要ポイントなんですよ。
人に対してクールかつ穏便に接する無表情のマットが出会うワケありの登場人物たちは、心のどこかで救いを求めているような人間ばかりで、事件に巻き込まれたマットの人柄に見事に絡め取られてしまう。
実はこの作品の素晴らしいところって、サスペンス以上に、人のハートの動きが魅力的に描かれているところなんですよ。
そういう地に足のついた人物描写がグイグイと物語を牽引しているから面白い。

この作品、あらすじだけ追うとかなり複雑なドラマなんですが、どれだけ暴れても紳士としての品格が崩れないリーアム・ニーソンの誠実キャラが活きた傑作探偵サスペンスでした。
これはリーアム・ニーソンの同じキャラで続編が見たいと思いましたね。
 
[2015年、5月30日、『誘拐の掟』、梅田ブルク7、シアター6にて鑑賞] 







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 1999年、2000年問題が騒がれるNYで、私立探偵のマット(リーアム・ニーソン)は、自分が参加している断酒の会の若者ピーター(ボイド・ホルブルック)からある人に会ってほしいと頼まれる。
すっかり落ち着いた物腰のマットですが、冒頭ではその8年前、マットの人生を変えた事件が描かれていて、マットが参加する断酒の会が教会のサークルだというところがミソなんですね。
この作品の根底にはほのかな宗教観が漂う・・・。







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マットはピーターの弟ケニー(ダン・スティーヴンス)から、妻を誘拐して惨殺した犯人を探してくれと依頼される。
元警官のマットは、ケニーが裏で麻薬に絡んでいるいる事をすぐに見抜き、依頼を断るんですが、ケニーの傷心ぶりと犯人のあまりに残虐なやりくちに憤りを感じ、犯人を捜す決意をする。
まず、マットがなぜ麻薬成金で格好つけてるケニーの依頼を引き受ける気になったのか?という部分の脚本が上手い。
ふと見せる人の繊細で弱い本性を、切れ者のマットは見逃さないハートの持ち主だという部分が、一番この作品の魅力な部分ですから・・・。






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マットは地道な聞き込みで、誘拐事件の輪郭を掴んでいく。
この作品の事件の裏側は複雑。
裏に麻薬捜査官の動きが絡んでいるし、バラバラになっている猟奇誘拐殺人事件の背景もある。
それらがね、物語の進行と共に繋がっていく過程も見事。





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マットは、図書館で出会ったワケありの黒人少年ТJ(ブライアン“アストロ”ブラッドリー)を相棒にする。
このマットとТJの出会いのシーンもいい。
頭が切れるマットは、優秀な人を見分ける目も鋭い。
あのムツゴロウさんが、動物に噛まれながらも(爆)、相手を引き入れる術に優れているように、マットも問題を抱えた人たちを仲間にする手練手管に優れているというキャラ造形が面白い。





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この作品のもうひとつの見所は、誘拐犯人の二人組のサイコキラーぶり。
犯人はね、あえて警察に通報できない黒い背景を持つ成金だけをターゲットにしている。、






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新たなターゲットを誘拐した犯人に対し、マットは正面から対峙する。
「相手はすぐに人質を殺してきた。では、相手が人質を殺さない状況を与えてやることだ」というマットの機転のもとに、マットに協力してきた人物たちが集結するというクライマックスの展開もおもろい。





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この作品で殆ど表情を変えないリーアム・ニーソンの内面演技が魅力的。
銃を向けられても恐れないマットの不動心には、トラウマからくる贖罪の念が作用しているという設定も良い。
マットのね、「私も実はこうなんだ。君もよければ話してみないか?」というぬるま湯のような人との接し方がすんごく効いてる。
マットはТJに探偵の条件を聞かれて、「運が凄く大事だ」と答える。
この作品を見ると、運は自分の能力と出会う人によって切り開かれるという語り口が心地よい。

私、ブロ友pu-koさんのおかげもあるんですが、最近見た映画って当たり続き。
それらの作品群に共通しているのは、作り手がよく映画を勉強してるのが分かること。
個人的に感じたのは、70年代の映画をよく勉強しているなと思いました。
ゆったりと重要なタイトルバックの使い方に、効果的な音楽。
そして、この作品の凝った絵心のある撮影と脚本は素晴らしいです。









仕事帰りに映画を観てきたので紹介します。韓国映画を見てきました。
ここは基本、映画ブログなんですがね、ここへ訪問の足跡を残される方の大半は、韓国映画どころか新作映画に興味ない方ばかり。もしくは、私の記事にまったく興味のない人。
私の記事に魅力がないのはわかってる(爆)・・・マニアックなものばかり取り上げてるから、訪問しても軽くスルーしてるって正直な指摘もされたしね。
こちらは目に付いた足跡には全部訪問返してるから、画面も重い分、最近疲れてきました。
点数稼ぎかなんか知らんけど、どうせスルーするなら訪問してくるなよと言いたい。
この記事はね、結末は書きませんが、ある程度のネタバレに触れてます。
どうせ、ミニシアターで公開されてる韓国映画、ここへ来る人の大半は見ないですから。



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↑チラシと、両面チラシの2面です。




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5月26日、シネ・リーブル梅田の様子です。
お客さんの大半が若い女性でした。




『私の少女』
解説:『クラウド アトラス』などで国際的に活躍するぺ・ドゥナと、『冬の小鳥』などのキム・セロンが共演した社会派ドラマ。元エリートの女性警察官と一人の少女との交流を、家庭内暴力や性的マイノリティー、外国人の不法就労といった社会問題を織り交ぜて描く。『オアシス』などのイ・チャンドン監督がプロデュース、本作が初の長編作となったチョン・ジュリが監督を務め、第67回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門、第15回東京フィルメックスコンペティション部門で上映されるや高い評価を受けた。
 
あらすじ:ソウルからとある港町の派出所所長として赴任した女性警察官ヨンナム(ぺ・ドゥナ)は、母親に捨てられ養父と義理の祖母から暴力を振るわれている少女ドヒ(キム・セロン)と出会う。何とかドヒを救い出そうと手立てを考えるヨンナムだったが、自身の過去が世間に知られ窮地に陥ってしまう。そんなヨンナムを助けるべく、ドヒはある決断を下すが……。
 
 
 
傑作アクション映画『アジョシ』で、ウォンビンが命懸けで守った少女を演じたのがキム・セロン。
そのキム・セロンが、最近はハリウッドで活躍するペ・ドゥナと共演するという予備知識だけで観たこの作品、私は予想外の展開にドン引きした(汗)・・・。
 
ソウルからおもいっきり田舎の港町に赴任してきた女性警察官ヨンナム。
所長に就任したヨンナムは、同級生から寄って集っていじめられている少女ドヒを助ける。
母親に捨てられたという14歳のドヒは、学校どころか家でも継父ヨンハや糞ババアに虐待されており、ヨンナムはドヒから目が離せなくなるんですね。
守ってくれるヨンナムを慕うようになったドヒは、ヨンナムに「一緒にいたい」と懇願するようになる。
ある日、糞ババアが海で事故死。自分のオカンが死んで更に虐待をエスカレートさせるヨンハからドヒを守る為に、ヨンナムはドヒを家に入れるんですが、体中傷だらけのドヒを見たヨンナムは、保護という名目でドヒと一緒に暮らすようになるんですね。
 
無邪気なドヒを救ったヨンナム、本来なら子供の為にも明るく大人は振る舞いたいもの。
ところがヨンナムは不自然なほどにドヒとの距離を詰めようとはしない・・・。
ある日、ソウルから綺麗な女性がヨンナムを訪ねてきた。
私ここでね、その二人の女性の会話がなんかおかしいなと思ったら、ソウルから来た女性はヨンアムの元恋人で、しかもキスしているところを対立するヨンハに目撃され、あらぬ疑いをかけられ告訴されるんですね・・・。
そう、実はヨンナムは同性愛者で、その事が原因で田舎町に左遷されたんですよ。
私、韓国の同性愛者に対する差別と偏見と対処のしかたに驚いたんですが、結局、ヨンナムはドヒと暮らしていた事で未成年者に対する性的虐待の濡れ衣を着せられて逮捕されてしまう・・・というお話。
 
コレね、映画を見ている観客だけは、ヨンナムの行いが全て正しい事を知っている。
しかし、劇中のヨンナムは、同性愛者に対する偏見だけで完全に犯罪者扱い。
後半のテイストは、幼児に対する性犯罪の冤罪に苦しむマッツ・ミケルセン主演の『偽りなき者』と同じで、観る側はスクリーンに向かって「それは違うで」と叫びたくなる。
見る側と同じ気持ちになったドヒはね、ショッキングなある行動に出てしまう。
 
私はこういう映画を見ていつも素晴らしいなと思うのは、同じ孤独に共鳴する者同士は、そう簡単には引き離せないし、離れてはいけないという運命を感じる事ができるから。
 
[2015年、5月26日、『私の少女』、シネ・リーブル梅田1にて鑑賞] 




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田舎の港町に所長として赴任してきたヨンナム(ペ・ドゥナ)は、母親に捨てられ、周りから虐待されまくっているドヒ(キム・セロン)と出会う。
まずね、いくら閉鎖感溢れる田舎だとしても、ドヒのいじめられ方は異常。
14歳の少女が完全に孤立してる。
だってね、一緒に暮らしてる継父とその母親は、ドヒの事を「クソガキ」としか呼ばない。
そんな異様なドヒの日常に危機感を感じたヨンナムは、遂にドヒを自分の家に住まわせる。

さすがは韓国映画という部分、どうでもよい場面が笑える・・・。
私ね、こめかみに小さいサロンパスみたいな絆創膏を貼った糞ババアって久々に見て感動したわ(爆)・・・。
あとね、言葉の壁を超えて、明らかにヘタだとわかるおっさんの歌とか(笑)・・・。
で、その歌の歌詞が、「みんなに愛されてきた俺だが~♪」やったとき(超爆)・・・。






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所長としての任務を厳しくこなすヨンナムは、反面、家に帰ると酒に溺れる日々。
一方、暴力から逃れたドヒは無邪気に振舞う。
そんなドヒを見て、ヨンナムも心が癒されるんですが、どこかヨンナムのドヒに対するスキンシップがぎこちない。腰が引けた感じなんですよ。
私は見ていて、いつかはドヒを家に返さないといけないから線を引いているのかなと思った・・・。
実はヨンナムは同性愛者で、その事で左遷させられたという背景があった。
元恋人の女性が会いに来たことで激しく動揺するヨンナム。
そんなヨンナムの姿を見て、ドヒもまた精神不安定になり、暴れるようになる。






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不法滞在者を奴隷のように扱うドヒの継父ヨンハ(ソン・セビョク)は、厳しく取り締まるヨンナムを逆恨みしている。
そんなヨンナムと女性のキスシーンを目撃したヨンハは、ドヒに対する性的虐待をでっち上げ、ヨンナムを告訴する。
ヨンナムを変態扱いする村民や警察は、決めつけの誘導尋問でドヒから証言を得て、ヨンナムを逮捕してしまう。
家に戻って再び虐待されたドヒは事の重大さに気づき、ヨンナムと自分を救う為にある行動に出る。
このヨンハという男、とにかく地上最悪のクズ野郎。








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あの『アジョシ』で目玉をくり抜かれそうになった幼女を演じていたキム・セロン、大きくなった(笑)
この作品の劇中でもね、成長期なのか、女性らしく変化していくんですよね。
孤独と友達になっているようなドヒの逞しさに、韓国人の強さを感じますわ。
そんなドヒが自分を捨てた母親以上に心惹かれる人物が、同じように孤独を抱えたヨンナムだという部分が泣かせる。








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一見クールなヨンナムの温かい心を見事に表現したペ・ドゥナの演技は圧巻だった。
ハリウッド映画で中途半端なときより数百倍いい。
最後にね、ヨンナムは若い真面目な警官に、「あのドヒという子は変わっているから嫌いだ。子供らしくないし」とかけなされているのを聞いて、忘れ物を取りに帰る決心をする。ソコが凄くいい。
この作品は女性監督チョン・ジュリさんのデビュー作だそうです。アッパレ!
この作品の女性同士の繊細な心の動きは女性にしか表現できない。
このお話で描かれた背景は、ある意味恥部をさらけ出しているので、全体の印象はやるせない。
でも、心から安心した人間の寝顔は幸福の証なんだと伝えるこの作品は、人間の本当の強さを見せつけている。







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映画が終わり、外に出ると暗くなっていて、ライトアップされた噴水が目にしみたわ・・・。

 




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↑チラシです。





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本日の梅田ブルク7の様子です。
最近の梅田ブルク7は音が凄く良いですね。爆音。
このシアター2はスクリーンがシネスコ(ワイド)になっても天地が縮まないので大きくて迫力がある。





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↑横型パンフです。





『リピーテッド』


解説:SJ・ワトソンのベストセラー小説を実写化したミステリー。前日の記憶を保持できない障害のある女性が、一本の電話を受け取ったのを機に思いも寄らない事態に引きずり込まれていく。製作に『グラディエーター』などのリドリー・スコット。主演に『めぐりあう時間たち』などのニコール・キッドマン、『英国王のスピーチ』などのコリン・ファース、共演に『ビトレイヤー』などのマーク・ストロングと豪華な顔ぶれが結集。謎が謎を呼ぶ先読み不可能な展開に加え、彼らが織り成す濃密なストーリー展開に息をのむ。


 


あらすじ:目覚めると前日までの記憶が全てリセットされてしまう特殊な障害があるものの、献身的な夫(コリン・ファース)に支えられ日々を送っているクリスティーン(ニコール・キッドマン)。ある日、医師だという人物から電話がかかってくる。それを受けたクリスティーンは、夫に黙って彼のもとで診察を受けていると聞かされ、数週間前から自分が毎日の出来事を映像で記録していることも教えられる。その映像を捜し出して再生する彼女だったが、そこには信じられない光景が収められていた。


 


 


 


ファミコンが普及し始めて、『ドラクエ』のようなRPGが登場し始めた頃に、私は『殺意の回想』とかいう推理ゲームにハマった事がありまして、そのゲームは表示された時間軸内に証拠やアイテムを揃えないと、翌日に進めないという凝ったゲームでした。
条件を満たさないと、スタートに戻りリセットされるわけです。
私が今回鑑賞した『リピーテッド』という映画もそんな感じでしたね・・・。


 ある事故をきっかけに、朝目覚めると前日までの記憶がすべてリセットされるという障害に苦しむクリスティーンは、毎朝、献身的な夫ベンから同じ事情を聞かされてから1日をスタートさせる。
そしてベンが出かけると、毎朝、同じ医師ナッシュからの電話を受け、隠したカメラに自分の出来事を記録するという治療を、クリスティーンはベンに内緒で受けている。
そういう日々の小さな出来事の記録を積み重ね、クリスティーンは自分が失った記憶をたどるわけですが、クリスティーンは自分が事故ではなく事件による頭部への打撃で記憶を失っている事、夫ベンとは4年前に離婚が成立していた事、そして、自分には9歳で病死した息子がいたという事実を知る。
クリスティーンに疑問を投げかけられたベンは、「君を傷つけ混乱させたくないから」と弁明するんですが、クリスティーンは自分の為に同居してくれているベンを信じられなくなる・・・というお話です・・・。


 この作品、登場人物も少ない狭い世界を描いていて、クリスティーンから見て夫のベンが、どうも重要な事実を隠しているという人物に描かれているので、流れからして、ありえない斜め上からの降って湧いたようなオチは考えられない(汗)・・・。
ところがね、この作品が凄いところは、ある程度の先が読める展開なのにめちゃくちゃ面白いんですよね。
予想できるネタバレにひと工夫が加えられているので、観る側は軽くひねられた気分になって、「やられた」と納得&満足できるサスペンスなんですよ(笑)・・・。


 むちゃくちゃ設定に無理があるお話で、真実の中身はぶっさいくでドロドロなんです(笑)・・・。
しかし、救いを持たせて綺麗に終わるこの作品、年齢を重ねても綺麗なままのニコール・キッドマンの美貌が内面からも溢れ出ていて、なんとなく許せてしまうから凄い(爆汗)・・・。
作り手の演出と最高のカメラワークが、全てを優しくコーティングして牽引しているという部分が素晴らしい作品で、ベストセラーになったという原作に対して、大変、見ごたえのある映画に仕上がっていましたわ。


 


[2015年、5月24日、『リピーテッド』、梅田ブルク7・シアター2にて鑑賞]


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クリスティーン(ニコール・キッドマン)は、朝目覚めると前日までの記憶がなくなりリセットされてしまう。だから夫のベン(コリン・ファース)は、まずクリスティーンに、自分が夫であることから説明しなければならない。
家のあちこちに過去の写真や生活に必要な情報が説明つきで貼ってあり、クリスティーンは毎日怯えながら生活している。
映画の最初、クリスティーンは全裸で目覚める。
ニコール・キッドマンは見事な背面ヌードを披露するんですが、ケツのラインまで綺麗なのには驚いた。







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夫ベンが出かけると、これまた毎朝、同じ医師ナッシュ(マーク・ストロング)から電話がかかってくる。
「君はもう忘れているだろうが、私は君の担当医師だ。クローゼットに入った箱からカメラを出してみて」とナッシュに言われるままカメラを覗くクリスティーン。
そこには、クリスティーンの日々の出来事が少しづつ記録されている。
以後、クリスティーンはカメラに向かい、自分の新しい“過去の記憶”を日記のように撮り重ねていく。






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ベンに内緒でナッシュとの治療に身を委ねるクリスティーンは、カメラに収めた記録を頼りに、自分の過去の記憶と、次々に明らかになる疑問と向き合うようになる。
その過程で、真実を隠したがる夫ベンに不信感を抱くようになるクリスティーンは、同時に夢の中に現れる過去の忌まわしい記憶に困惑する。
顔に傷のある男と、血にまみれた凄惨な出来事の謎・・・。







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積み重ねられた記憶から、友人のクレア(アンヌ=マリー・ダフ)と再会できたクリスティーンは、自分の知らない自分の過去を知らされて驚愕する。
クリスティーンが浮気していた事実や、一度は逃げた夫が戻ってクリスティーンの世話をしている事など・・・。
実はクレア、一度だけベンと関係を持ってしまった罪悪感から、クリスティーンに近づけなかったという告白をするんですね(実はソコ重要ポイントなんです)







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ナッシュの治療の効果で、少しづつ記憶を呼び戻し、繋ぐ事に成功していくクリスティーンは、辛い過去を受け止めながら献身的に尽くしてくれるベンの愛に感謝するようになるんですが・・・。





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最初から怪しいオーラ全開のベンを演じたコリン・ファース。
実際、毎日同じ説明からスタートする夫って凄くしんどいと思う。
どれだけ進展しても、朝になるとリセットされる妻を持つ夫の苦悩を表現したコリン・ファースはさすが。





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世界で二番目にかっこいいハゲ(汗)、マーク・ストロング。
この作品でも謎めいた医師を好演。
コリン・ファースもこの人も、誠実&悪のオーラ両面を感じさせてくれるでしょ?
だから登場人物が少ないのに、観る側は大いに惑わされる。
このお話には確実に悪い奴が一人おって、そいつは誰やねん?って、たった二人のうちのひとりよ(超爆)・・・。
そういう意味では見事なキャスティングやね。








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ニコール・キッドマンもね、さすがに老けてはきてる。
しかし、この人の美魔女ぶりは健在。むっちゃ綺麗。
綺麗すぎるから、すべてにリアリティが感じられない部分が逆にドロドロの話を魅力的にしてる(笑)

この作品が上手いのはね、女性が愛を感じれる部分の表現なんですよ。
愛は記憶ではないという本能の部分、ソコの表現がね、ニコール・キッドマンは凄く上手い。
さすがはオスカー女優という真髄を見た気がした。
昼下がりのサスペンスがお好きな人はドップリとハマれる映画。
軽くひねられちゃってみるのもいいよ(爆)・・・。
ちなみに、この作品の原題は、“Before I Go To Sleep”(私が眠りにつく前に)


 




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私は今日、上半期最後の土曜日出勤でしたので、午前中で仕事を終え、午後から映画鑑賞でした。
本日公開初日の『チャッピー』、お客さんの出足が悪い。空いてました。




『チャッピー』


解説:『第9地区』『エリジウム』の鬼才ニール・ブロムカンプが手掛けたSFアクション。人工知能を搭載したロボットのチャッピーが自身を誘拐したストリートギャングたちと奇妙な絆を育みながら、壮絶な戦いに巻き込まれていく。『第9地区』にも出演したシャールト・コプリー、『X-MEN』シリーズなどのヒュー・ジャックマン、『愛は霧のかなたに』などのシガーニー・ウィーヴァーなど、実力派や個性派が出演。純粋無垢(むく)なチャッピーの愛らしい姿やリアルな造形に加え、すさまじいアクションの数々も見もの。


 


あらすじ:2016年、南アフリカ。ディオン(デヴ・パテル)は、世界初の自身で感じ、考え、成長することができる人工知能搭載ロボットのチャッピーを開発する。しかし、世界でも有数の危険地帯ヨハネスブルクに巣食うストリートギャングにチャッピーと一緒に誘拐されてしまう。起動したばかりで子供のように純粋なチャッピーは、ストリートギャングのメンバーたちと接し、彼らから生き抜くためのスキルを学んでいく。圧倒的スピードでさまざまな知識を吸収していくものの、バッテリー残量が5日分しかなく……。


 


 


 


2016年の南アフリカの治安を守っているのは警官ロボットだというこの作品の冒頭は、あの名作『ロボコップ』そのまま。

集団でフォーメーションを組んで職務を執行するロボットたちに、過激なストリートギャングもお手上げ状態で、ヨハネスブルクの犯罪率も低下していた。


運悪くいつも派手に壊されて撤収されてくる22番ロボットが、また致命的に壊されて戻ってきた。開発者のディオンは新たにロボットに搭載できる人工知能を持っていたんですが、ヘマをやらかして一週間以内に金を工面しなければならないストリートギャング3人組に拐われてしまうんですね。三人組はロボットを利用して強盗を企んでいた。

ギャングに脅されたディオンは、解体された22番ロボットを組み立て、人工知能を搭載する。

生まれたての赤ちゃん状態のロボットはチャッピーと名付けられ、ギャングたちやディオンから猛スピードでスキルを学び成長していくんですが、チャッピーの残されたバッテリーの残量は5日分だけだった・・・というお話。


 ニール・ブロムカンプ監督の作品はいつもブラックなユーモアが満載。

無垢なチャッピーにスキルを与えるのがチンピラなんで(笑)、チャッピーはドヤ街をうろつく危ないオッサンみたく成長していく(爆)・・・・。

ところがね、チャッピーに生きる為に大切な事という、人間のベーシックな部分を教えていくうちに、ギャングたちも道徳を学んでいるという微笑ましい展開には笑える。


 ニール・ブロムカンプ監督が、『第9地区』、『エリジウム』と、この作品で描くテーマは共通している。進歩しすぎた文明批判を湛えながら、生きて行くために大切な事を子供が見てもわかるレベルで一貫して描いている。

今回の『チャッピー』は、さらに一歩踏み込んで、「生きたい」「生きること」を強く訴えています。

ただね、この監督さんは底辺の描き方が上手いかわりに、語り口が良くも悪くも子供っぽいので、やや一本調子のこの作品、大人の鑑賞に耐えない浅い作品だと見る人も多いかもしれんね・・・。


 


[2015年、5月23日、『チャッピー』、TOHOシネマズ梅田・シアター9にて鑑賞]




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キャストに注目してみますと・・・。
チャッピーの親代わりになるストリートギャング3人組は最高でした。
ちなみにチャッピーの動きと声を演じているのが、ニール・ブロムカンプ監督作品の常連、シャールト・コプリーなんですよね・・・。




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人工知能の生みの親ディオンを演じたデーヴ・パテールの誠実キャラは良かったんですが、育ての親であるストリートギャングではなく、ディオンとチャッピーの絆のほうが強いという展開に少し無理を感じる。





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シガーニー・ウィーバーとヒュー・ジャックマンの二人は見せ場も多く貫禄がありました。
特にヒュー・ジャックマンの小悪党ぶりはコミカルですらあった。




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この作品の魂であるとか心を情報化させて生かすという設定はかなり乱暴(笑)・・・。
でも、それを否定すると、あらゆる宗教などで語られる“次のステージ”まで否定する事になるので、考えたら悲しいね。
肉体がなくなれば人生は終わり。無に帰るのみ・・・。
だからこそ・・・という深い部分にまでは切り込んでない映画なので、ご安心ください(超爆)・・・。
頭を空っぽにして楽しめば良い映画。


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↑『シグナル』、チラシとパンフです。



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本日の大阪ステーションシティシネマの様子です。
『シグナル』という作品、私を含めてお客さん10人もいなかった(汗)・・・。





『シグナル』


解説:『地球、最後の男』のウィリアム・ユーバンクが監督を務めたSFスリラー。何かに感染したという理由で政府の研究施設に監禁された若者たちの不安と恐怖、やがて彼らの肉体に起こる異変を描く。『ガンズ&ゴールド』などのブレントン・スウェイツ、『マトリックス』シリーズなどのローレンス・フィッシュバーンらが顔をそろえる。謎が謎を呼ぶ先の全く読めない展開に加え、鮮烈なビジュアルの数々にも目を奪われる。


 


あらすじ:マサチューセッツ工科大学で学ぶニック(ブレントン・スウェイツ)とジョナス(ボー・ナップ)は、校内のパソコンをハッキングするノーマッドを名乗るハッカーの正体と居場所を探ることに。彼らはニックの恋人ヘイリー(オリヴィア・クック)も連れ、ノーマッドがいると思われるネバダへ向かう。GPSを駆使して正確な居場所を割り出すが、そこで何者かにさらわれてしまう。目覚めたニックは、自分が何かに感染したために政府の研究施設に隔離されことを施設研究員の男(ローレンス・フィッシュバーン)に教えてもらうが……。


 


 この作品もね、先日紹介した『ホーンズ』の記事で書いたんですが、ブロ友pu-koさんにチョイスしてもらった。Pu-koさんからみて、私が一番楽しめる映画は『シグナル』であろうと。
さすがは私の嗜好を良く理解するpu-koさん、これも大当たりでした。


 冒頭から訳がありそうな意味深な旅を車で続ける若者三人。
ニックとジョナスは、旅の途中で学校内のパソコンをハッキングするノーマッドを名乗るハッカーの居所を突き止めようとする。ノーマッドはニックたちを挑発し、監視していたから。
ノーマッドの居場所にたどり着いた三人。そこは小さな廃墟だったんですが、車に残していたニックの恋人ヘイリーが消えたと同時に、ニックは気を失い、気がつけばある研究施設で隔離されていた。
ニックはジョナスとヘイリーを探し、施設からの脱出を試みるんですが、幾度も防護服を着た研究員の男デイモンに捕まってしまう。
どうやらニックたちは、何かに感染した為に隔離治療されているらしかった・・・。


 コレ、面白くて斬新。凄く繊細で巧妙なセンスに溢れたSFスリラーです。
「次はどうなんやろ?」とか、「どういうオチに着地するのか?」と興味津々で見ていると、あっという間に終わった。
青春ドラマで始まり、防護服の研究員たちの登場で急にSFテイストに変わり、クライマックスでは何が起こっても驚かないアクション映画に変貌を遂げる(笑)・・・。


この作品が上手いのは、主人公のニック、病気で足が不自由なんですね。
松葉杖で歩くニックの姿が急な物語の転調に合わせて変化していき、自分の置かれている現状を把握できていないニックの不安を見事に描写しているので、ニックに感情移入するほど、突拍子もない展開を観る側が素直に受け入れる事ができるという部分が実に巧妙なんです。
しかもこの作品の作り手は、オーソドックスなテクニックとシンプルなピアノ音楽を駆使して、心地よいリアルと悲しみを深い部分で感じさせてくれる。


 ハッキリ言って、「結局はソコに着地したか」というオチなんやけど、逆算してみると伏線としてオチは語られているので、驚きはないんですが、凄く絶望的で切ない余韻を残した事が、この作品をただのSF映画ではないレベルに昇華させていて素晴らしい。


 
[2015年、5月22日、『シグナル』、大阪ステーションシティシネマ・シアター6にて鑑賞]


 


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車である目的の為に旅をするニック(ブレントン・スウェイツ)と親友のジョナス(ボー・ナップ)、そしてニックの恋人ヘイリー(オリヴィア・クック)
途中のホテルで、ニックたちは母校のパソコンにハッキングしたノーマッドという人物に挑発される。
ジョナスの力でノーマッドの居所を突き止めたニックは、ノーマッドに接近する決意をする。
しかし、行き着いたところは小さな廃墟で、三人は気を失ってしまう。






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目覚めたニックは、自分がある研究施設で隔離され、防護服を着たデイモン(ローレンス・フィッシュバーン)という研究リーダーから、「君はあるものに感染した」と告げられ、質問責めにあう。
やがてニックは、通気口から聞こえてくるジョナスの声とやりとりするようになり、施設内の様子を探る。







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同じ施設内でヘイリーを発見したニックは、知恵を絞り何度も脱出を試みるが失敗し、足には不気味な義足をつけられているんですね。
歩けるようになったニックは、施設内のトラブルに乗じてヘイリーと地上に脱出する事に成功する。







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まったく表情を変えないデーモンは、執拗にニックを追う。
合流したジョナスと共に、ヘイリーを守りながら追手と戦うニックには、不思議な力が備わっていた。
その力が発揮されたとき、驚愕の真実が明かされる。







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この作品、独特の儚さみたいな色合いが濃い。
乱暴に言うと、『わたしを離さないで』のテイストに似たSF映画です。
謎に満ちた展開が最後まで続くんですが、ネタを小出しにバラしていきながら大胆に変貌していく。
(ちなみにノーマッドの正体は、この記事の中に書いてある。映画をみないと解けないんですが)

主人公たちの不安に感情移入できるという部分、冒頭のニックの回想を含む三人の旅の描写が凄く活かされている。
やはり青春ドラマの繊細さで引っ張られると、物語に惹きつけられる。
最近はSFも変化球が多いですが、この作品は非凡な才能と可能性を感じさせてくれた。
オチを深く考えると難解になるんですが(汗)、語り口が面白いので許せる。
出ずっぱりで主人公ニックを演じたブレントン・スウェイツはアッパレ!







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映画が面白かったんで、余韻を楽しむ為に喫煙所に行くと、綺麗にライトアップされていました。

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