ナニワのスクリーンで映画を観るということ。

大阪の映画好きゾンビまんです。 映画館のスクリーンで映画を観るということ。

2014年08月

一応、映画記事なんですが、映画の内容案内にはなっておりません。
100%自分語りなんで、ファン限定記事にしました。
軽くスルーして、映画の資料編としてお楽しみください。
 
 
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『黒いドレスの女』と、同時上映だった『恋人たちの時刻』のチラシです。
 
 
 
 
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↑『黒いドレスの女』パンフです。
 
 
 
 
『黒いドレスの女』
解説:「時をかける少女」「天国にいちばん近い島」の原田知世が脱アイドルを目指して挑んだ北方謙三原作のハードボイルド映画。監督は「十階のモスキート」「いつか誰かが殺される」の崔洋一。庄司というヤクザの国外逃亡を手引きしていたバーのマスター田村のもとに、ある日義理の妹の知人と名乗る女、朝吹冽子がやって来る。ここで働きたいという冽子を、とりあえず店の2階に住まわせる田村。数日後、田村は冽子の手荷物の中から拳銃を見つけ不審を抱くのだが…。
 
 
 
今年のお盆休み、私は色々とあって心身の調子が悪かったんで、家族行事以外は家にひきこもって高校野球のテレビ中継ばかり見ていてね。夜はヒマなんでYouTubeばかり見てました。
好きなジャンルの動画も見尽くしてしまった感じがしていたときに、ふとね、昔憧れたバーテンダーの動画を見ていたらハマってしまいましてね・・・。
息子と一緒にいろんなカクテルのレシピを動画で見て感心していたんですよ。
私は板前とか鉄板焼きのコックとかバーテンダーなどの、食のカウンター職人が好きなんです。
そんな時に、お気に入りブロガーのイヴさんが、ミントを使った飲み物を記事にされていて、モヒートなんかを紹介されていたんですね。なんちゅうタイムリーかと(汗)・・・。
”カクテル“・・・”バーテンダー“というと、私の脳裏に浮かぶ映画があります・・・。
 
 
私、トム・クルーズがバーテンダーを演じた『カクテル』という映画も好きなんですが、いかにもアメリカナイズされたアクロバティックなバーテンダーには魅力を感じない。
お客さんに気を使わせない職人タイプの渋いバーテンダーに憧れる・・・。
バーでのお酒は盛り上がるよりムードよムード(汗)・・・。
 
 
私、1987年は滋賀県で働いていたんですよ。
自堕落で借金を作ってしまった私は、大阪を離れて住み込みで働いていた。
週末になると友達に会いたくなるので、お金に余裕があるときの週末は大阪と滋賀を往復したり、中間の京都で遊んだりしてたんですよ・・・。
そんな87年の春に、私のおじいちゃんが亡くなった。
私は子供の頃から家の事情でオカンの郷里である宮崎県によく預けられたんで、おじいちゃんが大好きやった。頑固で厳しいおじいちゃんでしたけど・・・。
当時、私は家を引き払って住み込みやったんで、大阪に帰っても居場所がなくてね。
友達がいないときは、仕方ないから実家に泊まらせてもらうんですが、当時は私と家族の関係が悪化してた時で、実家の敷居が高くてね。そんな状態だし宮崎も遠いんで、私はおじいちゃんの葬式とかには行けなくて、大阪に取り残されたんですよね。
凄く自分で情けなくて、行き場を失ったときに、逃げ込むように映画館で時を過ごしてました。
そんな最高に気分が落ち込んでいたときに観た映画が、『黒いドレスの女』という角川映画。
普段は邦画を見なかった私が『黒いドレスの女』をチョイスしたのは、『恋人たちの時刻』という作品と2本立て興業だったから。そう、完全に時間調整が目的ですよ。ヒマつぶし。
 
 
ハッキリ言って、『黒いドレスの女』という映画は特に面白くもなかったし、『黒いドレスの女』も『恋人たちの時刻』という作品も、どっちも凄く暗い映画で私はますます暗く気が滅入ったんやけど(爆汗)・・・。
『黒いドレスの女』の劇中、永島敏行演じるかっこいいバーのマスターが登場する。
そこへ菅原文太演じるヤクザの庄司が客として現れる。
庄司はマスターに言うんですよ・・・「水割りを作ってくれ。いいバーテンダーは、水割りを飲めば腕がわかるんだ」って。
そう言われて、何の変哲もない水割りを作る永島敏行の仕事ぶりがむっちゃカッコええねん。
バイト先の喫茶店で、毎朝フレンチトーストを注文するヤクザの親分にビビりながら、フレンチトーストを焼いていた私とは大違い(爆汗)・・・。
私にとって、『黒いドレスの女』という映画は、そのバーテンダーのシーンだけで良いし、そのシーン以外は憶えとらん(爆汗)・・・。
おじいちゃんが亡くなったショックで、うわの空で眺めてた映画なもんで・・・。
 
 
[1987年、3月14日、『黒いドレスの女』、シネラマОS劇場にて鑑賞]
 
 
 
 
 
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劇中に登場するバーの雰囲気もいいんですが、永島敏行演じる寡黙なバーテンダーの仕草や仕事ぶりがめっちゃカッコ良かった。
この作品を見ると水割りが飲みたくなる。
でもね、若い頃は無茶飲みしてたウイスキーの水割り、私はいまだに美味しいとは思わない。
あれはムーディーに酔う為のお薬だと思っている(汗)・・・。
 
 
 
 
 
 
 
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この作品、バーに出入りする菅原文太さん演じるヤクザもカッコいい。
「刺すだけじゃあ人は簡単に死なない。えぐらなきゃあ」が口癖。
 
 
 
 
 
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この作品で大人の女へとイメージチェンジした原田知世。
ミステリアスな女の役なんですが、よくわからないだけの存在で(爆)、渋い男たちの間で完全に添え物状態でしたわ。
原田知世は、若い頃の主演女優の時よりも、近年のCМで見かける笑顔のほうがいい。
 
 
 
最後にオマケ。
私が先日見ていたバーテンダーの動画を貼っておきます。
なかなか面白いですよ。
バーに行きたくなります。
 
 
                 https://www.youtube.com/watch?v=8vn9q1F3RqU
 
 

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↑『遠い夜明け』B5チラシ2種です。
 
 
 
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↑関西版新聞広告です。
 
 
 
 
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↑A4パンフです。
 
 
 
 
『遠い夜明け』
解説: 南アフリカ共和国のアパルトヘイト問題に立ち向かった黒人運動家スティーヴ・ビコを取材した記者ドナルド・ウッズの原作を基に、「ガンジー」のR・アッテンボローが製作・監督した社会派ドラマ。物語の前半は、ウッズとビコの友情を軸に人種差別問題の実態を描き、拷問の末にビコが獄中死してからの後半では、真実を訴えようと国外脱出を図るウッズ一家の動向がサスペンスフルに描かれる。ビコに扮したD・ワシントンが熱演。
 
 
 
 
イギリスを代表する名優であり名監督であったリチャード・アッテンボローが90歳で亡くなられた。
私はそんなにリチャード・アッテンボローの作品をたくさん見たわけではないんですが、私がしゃかりきになって映画館に通っていた1980年代後半の彼の作品で忘れられない作品がある。
南アフリカ共和国のアパルトヘイト問題を描いた『遠い夜明け』という映画です。
 
 
私は世界の文化や歴史に疎いので、『遠い夜明け』という作品を遠い昔に鑑賞した後の今もなお、アパルトヘイト問題に関してはよくわからない(爆)・・・。
でもね、そんな南アフリカの背景がわからないまま鑑賞した『遠い夜明け』という作品は面白かったんですね。
 
1975年、武装した警官が黒人たちを襲うという南アフリカ共和国の黒人移住地の近くに、新聞社の編集長であるウッズが家族と滞在している。
良識派の白人であるウッズは人種差別が大嫌いで、黒人運動家であるビコの活動を新聞で批難していたんですね。ビコは逆に白人に対して差別的じゃないか?って・・・。
ある黒人女医の訪問を受けたウッズは、捏造記事により世間に誤解を与えているビコという人物に、良識のある記者なら会ってみるべきだと進言されるんですね。
“聞くと見るとでは大違い”・・・身の危険を冒してまで紳士的に力強く黒人差別の現状を語るビコに共感したウッズは、自分の目で見たアパルトヘイトの真実に驚愕する。
そんなとき、拘束されたビコは、自身が嫌っていた暴力によって、反対派の白人に葬られてしまう。
同時に、黒人弾圧の真実を世界に伝えようとするウッズの身にも危険が迫る・・・というお話。
 
この作品は大きく前半と後半に分かれていて、ウッズとビコの友情を描いた前半と、ビコが殺された後、真実を伝える為に命を狙われるウッズが、家族と亡命を企てる後半の展開が熱くスリリングに描かれている。
リチャード・アッテンボローという演出家は、いつも真正面からの直球勝負。
人が人に心を動かされて惹かれあう瞬間を誠実に見せてくれるので、政治的な背景がかすんでしまうほどの地に足のついた人間模様を見せてくれる。
私はバカ正直なだけが取り柄みたいな(失礼)、ハッタリに頼らないリチャード・アッテンボローの語り口は好きでしたね・・・。
 
[1988年、3月8日、『遠い夜明け』、千日前国際劇場にて鑑賞]
 
 
 
 
 
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人種差別が嫌いなウッズ(ケビン・クライン)はね、最初は黒人運動家ビコ(デンゼル・ワシントン)の事を、野蛮で白人嫌いの男として批判してたんですよね。
ところが、会ってみると、単に人間としての自由を求めるビコにウッズは共感する。
 
この作品のビコは、禁じられていた演説をした事で、リンチを受けて死ぬんですが、私は運ばれる車の中でね、車がバウンドした時にビコは頭を打って死んだと思ったんよね(汗)・・・。
後日、この作品をビデオで見た友人のフリオにその事を言ったら、「あの展開で車がバウンドしてビコが死んでたらおかしいやろ」って、私はすんごくバカにされたんよね(爆汗)・・・。
誠実で強い信念を持つビコを演じた、若き日のデンゼル・ワシントンは素晴らしい。
そんなビコに惹かれるウッズを演じたケビン・クラインは、後半の亡命劇で見せてくれます。
『サウンド・オブ・ミュージック』や『アルゴ』の後半を彷彿とさせるこの作品の後半もハラハラドキドキしますよ。
 
 
 
 
 
 
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『遠い夜明け』を撮影中のリチャード・アッテンボロー。
この人は、俳優としては『大脱走』の脱走リーダーがカッコよかったですわ・・・。
娯楽大作の監督としても巨匠でした。
私はこの人の監督作では『コーラスライン』が好きやね・・・。
 
余談なんですが・・・。
『遠い夜明け』、超満員の劇場で観たんですが、この作品は70mm上映でした。
いつもは音響がしょぼい千日前国際劇場という大劇場が、『遠い夜明け』の上映時は爆音でね。
映画館って、普段は本気出してないんやという実情を思い知らされた作品でした。
 

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『他人の顔』
解説:顔に大火傷をおってしまった男が、妻に嫌われたこともあって、まったく他人の顔を医者に作ってもらう。勅使河原宏が『砂の女』に続いて監督した作品で、同様に安部公房の原作・脚本によるもの。
 
 
 
以前から興味があったこの作品、YouTubeにフルでアップされていたので、いつでも見れるわという気分でのん気に構えていたんですが、ブロ友pu-koさんが記事にされていたんで、よい機会だと思い鑑賞しました。この作品は1966年公開のモノクロ作品です。
 
 
見た感じ一流企業の役員のような主人公の男は、工場での事故により顔に大やけどを負う。
顔面を包帯で覆った男は、一度だけ妻に拒絶された事がショックで精神科医のお世話になるんですね。
精神科医は、患者(男)の失われたプライドや空虚な心を埋めるべく、精巧な仮面を作って男に別の“顔”を与える。(その試み自体が精神科医の実験みたいなんですが・・・)
仮面によって他人になりすます行為に自由を感じた男は、他人として妻を誘惑するという、大変スリリングな作品なんですが・・・。
 
これ、もし私が若い頃に見ていたら、私の感度が悪くて途中で放棄したかもしれん(爆汗)・・・。
まずね、作品のスタンスがかなり実験的かつ芸術的で、まるで人間観察のような絵作りと音楽などの総合芸術面がひとつの方向を強烈に向いている映画やね。
でね、顔を失い自信を失った主人公がとことん卑屈になってるんで、暗くイジイジした野郎が嫌いな私が観ていると、主人公の男に対してイライラしてくるんですよ。
そんな男を治療する精神科医も、どこかシニカルな男で、男と精神科医の会話が長回しで続く前半の哲学的なやりとりは見ていて退屈・・・。
 
ところがね・・・。
仮面によって他人の顔を得た男がやっとひとりになれたときの解放されたような笑顔。
そこからこの作品は劇的に面白くなる。
人間って、いじめられたり、よく壁にぶち当たって人生がマンネリ化して守備固めに疲れると、誰もが自分の存在を知らない世界や土地に行ってみたいなんて思ってみたりする(俺だけか?(汗)・・・)
とりあえず“自由”を探してみたくなるという心理があると思う。
そういう部分を精神科医は興味深く観察していたんですが、仮面を与えた患者である男は、自分を拒絶した妻を誘惑するというクソつまらん行為に走った挙句、ボロボロになって暴走する。
なぜかこの作品の主人公は復讐という発想が強いんやね。
 
この作品、個人的に驚く事があった。
若い頃に見たら私は途中で見るのをやめていたかもしれんと書いたんですが、私はこの映画を若い頃に途中から観ていた事に途中から気付いて絶句した。
これ、私が長年探していた映画だった。
この作品の劇中、顔半分がケロイド状になった美少女が登場するアナザーストーリーが挿入されているので、観ようによったらオムニバス映画にも見える。
私はその美少女の悲しいエピソードのほうが強烈で、ずっと再見したいと探していたんですよ。
 
やっと見つけた。・・・pu-koさん、よいきっかけをくれてありがとうございます。
 
 
 
 
 
 
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事故で顔に大やけどを負った男は、精神科医(平幹二朗)のカウンセリングを受けている。
エジプトが似合いそうな顔面包帯ぐるぐる巻きの男は、妻に拒絶された事にショックを受けているんですね。
前半の男と精神科医のやりとりは哲学的かつ自虐的で見ていて疲れる(汗)・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
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男の妻(京マチ子)は優しいんですよ。
男を拒絶した理由を、ちゃんと「まだ事態に慣れなくて、気が動揺しているから」と伝えているんですね。
でも男は卑屈になっているから、妻に対して常にいじけた感じになっている。
この夫婦はある意味典型的な仮面夫婦。
「さぁ、何を話そうか。話題は自由に変えていいよ」なんて言う夫が面白いはずがない(超爆)・・・。
 
 
 
 
 
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精神科医は精巧な仮面を作り、男に他人の顔(仲代達矢)を与える。
新しい顔を得た男と精神科医がいつも街のビアホールで密談するんですが、なぜかその店がいつも「ミュンヘン」なんですよね。
「ミュンヘン」には家族でよく行っていたので、この映画が公開された昭和41年、私が生まれた年の「ミュンヘン」の様子は興味深かったです。
 
 
 
 
 
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この作品、精神科医の助手(岸田今日子)とか、男が他人になって潜伏するマンションの管理人親子(千秋実と市原悦子)のキャラがね、どこかシュールなギャグみたいなんですよね。
私は少し笑えた。
 
 
 
 
 
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本編とは関係ない少女のエピソード。
精神病院に出入りする少女(入江美樹)は、顔半分がケロイド状になっている。
少女は兄と彷徨う事になるんですが・・・。
少女の兄は、綺麗なほうの少女の顔を「綺麗すぎるんだ」って言う。
そんな兄を残し、少女は顔を隠していた髪をあげ、海へと向かう。
私にとってこのエピソードはトラウマ。
なぜ私がこの映画を見つけられなかったのかというと、昔見たこの映画をカラー作品だと勘違いしていたから。
少女を演じた入江美樹さんという人を調べたら、モデルさんで、俳優の小澤征悦のお母さんなんですよね。
 
 
 
 
 
 
 
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男は他人になりすまし、妻をナンパして誘惑するんですが、同時に、簡単に誘惑に乗って関係を持った妻に憤るんですね。
しかし・・・。
妻は男が夫であることを見抜いていた・・・。
この作品での京マチ子さん、ヌードを晒していて驚きました。
この方、劇中でも大阪訛りが凄くて親近感をおぼえましたわ。
劇中の夫婦の会話が実に意味深だった・・・。京マチ子のセリフが・・・。
「女はなぜ化粧をするか。男を騙す為じゃない。へりくだっているのよ。女は女である以上に、見せびらかす顔なんて持っていない。化粧が覆面の代わりと言うような遠回しな皮肉だと言うの?・・・自惚れているよりはマシだわ」って・・・。
深いぜ(爆汗)・・・。
 
 
 
 
 
 
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接着剤で固定されているという仮面を、見る者に微妙に意識させる仲代達矢さんの顔芸は凄い。
この主人公、感情移入が難しいというより、理解したくない(汗)・・・。
やけどとか他人の顔とかいう以前に痛い人やもん(笑)・・・。
いくら私が生まれた年の映画であっても、「今からエッチするで」ってくだりで、「今から姦通するんだぞ」という男のセリフには、月まで飛んで行きそうになったで(超爆)・・・。
シュールな語り口で一見難解なこの作品、見る人の経験値でいろんな解釈が可能だと思うんですが、インテリぶってる前半ですらギャグに思える後半の暴走ぶりには非凡なモノを感じる。
私が一番感じたのは、良い人間関係を築くにあたり、一銭にもならんプライドばっかりが高くて、武装して相手と接しても無理があるよという事。
人間は中身です。
 
 
 
 

本日は久々に洋画旧作レビューを更新しますが、映画の内容案内にはなっておりません(汗)・・・。
相変わらずの自分語りですわ。
資料編としてお楽しみください。
 
 
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↑『オルカ』のチラシ2種です。
 
 
 
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↑パンフです。
 
 
 
 
 
『オルカ』
解説:漁師ノーランに妻子を殺されたオルカ(シャチの一種)の復讐という動物パニック物の変形。R・ハリス対オルカの設定は「白鯨」を思わせるものの全体として「JAWS/ジョーズ」の亜流の感は拭えない。
 
 
 
 
 
 
 
『オルカ』という作品、1977年暮れに公開されたお正月映画で、私は『ジョーズ』のような動物パニック映画やと思っていたんですが・・・。
その少し前の70年代中期に、その知能の高さを軍事的に利用される可愛いイルカを描いた『イルカの日』という秀作がありましてね、どこか『イルカの日』の動物に対するスタンスを継承したような『オルカ』という作品、パニック映画として見てしまうと肩すかしを食らうような作品なんですが、違う角度から見ると哲学的なニュアンスすら感じさせる人間への“キツイ一発”映画になっていて面白いんですよね・・・。
上記の転載解説文を書いたヤツは、公開当時を絶対に知らないヤツです。この作品は当時の配給会社だった東宝東和の売り方も上手かった。(理由は後記しますね)
 
私の記事らしく、大きく話題を自分語りに脱線させます(爆汗)・・・。
 
1978年の春、私と弟は家の事情で、夏までオカンの郷里である宮崎県で暮らしていたんですよ。その年の8月に、私と弟は大阪の今の土地に移住して落ち着く事になった。
当時私は小学6年生やった。
夏休みの間に友達もでき、新しい学校での新学期を私は迎えたんですが、いちびりの私はいきなりやらかしてしまう・・・。
私は挨拶がわりというか、悪戯心で前の席の男子の髪が長かったんで、そいつの後ろ髪にセロテープを貼り付けたんですよね(汗)・・・。
その前の席のビロというヤツ、振り向きざま私にグーパンチを見舞ってきた(超爆)・・・。
私ね、オカンにはよく平手でシバかれていたんですが、生涯で初めて人にグーで殴られた(爆)・・・。
私はその数か月前まで大阪の寝屋川というところにいたんですが、暴力とかいじめとは縁のない小学生でしたわ。
ところが、縁あって今も住んでいる大阪の福島区というところの学校には驚いたね。
力関係がすべて喧嘩の強さで決まるような土地柄で、なんか言えば「シバくぞ」という言葉が挨拶がわりになっているような危険カラー(爆)・・・私はカルチャーショックを受けたものです。
弟にプロレスの技を仕掛ける以外は、暴力の振るい方も知らなかった私は、戸惑うと同時に強くならなアカンなと思ったものですよ・・・。
 
でね、私は2丁目に住んでいたんですが、私を最初に殴ったビロというヤツは1丁目に住んでるくせに、いつも夕方4時くらいになるとたこ焼きを食いながら2丁目に遊びに来よる。
私と仲良くなったビロは、塾に行くまでの間、いつも2丁目に来てね、たこ焼きを見せびらかすように食いながら、爪楊枝を木枯らし紋次郎のようにシーハー・シーハーしとるわけ。
私らは近所の駄菓子屋で粉ジュースを買って飲むくらいが精一杯の金なしやったんで、いつも百円のたこ焼きを食っているビロは2丁目では浮いていたんよ(笑)・・・。
そんなビロというヤツ、とにかく喧嘩が弱いくせに喧嘩っぱやくて(超爆)、相手に挑発されたら誰にでもボクシングのファイティングポーズで向かっていく(汗)・・・。
2丁目には在日朝鮮人エリアがあって、学校は別なんやけど同い年の在日少年が徘徊して私らを小突いていくわけ。ある日、野球を通して私とよく遊んでいた在日少年がね、いつものようにたこ焼きを食いながら2丁目にやって来たビロを見て、私に聞くんですよ・・・。
「おい、あのたこ焼き野郎、最近よく見るな。あいつ、強いんか?」って。
私ね、その在日少年のリアクションに興味あったんで、「俺、いきなり殴られたで」って言ってしまったんですよね(汗)・・・。するとその在日少年は、いきなりビロを近所のマンションに連れ込んで、ビロはボコボコに殴られてしもた(爆汗)・・・。
私、子供が子供に「すいません」って謝る姿を初めて見たで(爆汗)・・・。
その在日少年も凄いヤツで、「あいつは強い」と教えた相手には必ず喧嘩を吹っ掛けるような猛者でしたわ。(私の一言で罪のないビロがボコられたんで、私はその事に関してはビロにスマンと思っている)
 
そんな弱いくせに人にすぐ食ってかかるビロとね、一度だけ映画の話をした事がある。
私の家で『ジョーズ』のパンフを見たビロが、「俺、お父さんと『オルカ』を観た」と。
私、『オルカ』は当時未見やったんで、当然ビロに『オルカ』の話をねだるわけ。
するとビロはね、「漁師がオルカを捕まえたらな、オルカの赤ちゃんが飛び出してきて気持ち悪いねん。可哀想やけど気持ち悪いねん」と言いながら顔面蒼白になってね。
ホンマに気持ち悪い言うて、私の家の台所でゲロ吐きやがんねん(超爆)・・・。
ビロってヤツは、普段から「俺は変態かもしれん」なんて豪語する変わり者でしたが(爆)、まさか映画のシーンを思い出してゲロ吐くとはね(超爆)・・・。
お父さんと『オルカ』を見た時も同じ状態になったそうで、「だから『オルカ』は』途中から観てへんねん」やて(超爆)・・・。
よく映画のシーンなんかでもね、気持ち悪いモノを見たら嘔吐する人がおるでしょ?
私はアレがどうしても理解できないんですよ。臭いで吐き気がする事はありますが。
人間って、視覚から吐き気を催すモノなんですか?・・・。
だからビロというヤツの存在自体が、私にはカルチャーショックのようでしたわ・・・。
 
映画『オルカ』はね、リチャード・ハリス演じる漁師ノーランが捕獲したオルカが身ごもっていて、オルカ母子は死んでしまう。
それを目撃していたお父さんオルカがノーランに復讐するというお話なんですよね。
そのオルカの復讐方法が凄い。知能ありすぎで、やりくちがヤクザなんですよね(爆汗)・・・。
オルカはね、ノーランの周囲の人間から始末していき、ノーランを海におびき寄せる。
オルカに迷惑かけられまくり、周囲の人間を傷つけられたノーランは、オルカと対決する為に海へ出ざるを得なくなる。
そんなオルカの復讐方法がね、妻と子を奪われた悲しみをおもいっきり含んでいるところが、この作品を単純な動物パニック映画として括れないところなんですよね・・・。
 
 
 
 
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漁師ノーラン(リチャード・ハリス)が捕獲したオルカは妊娠して出産間近だったが、お父さんオルカの前で死産し、母オルカも死んでしまう。
目の前で妻子を殺されたオルカは、ノーランの姿を目に焼き付け、復讐を誓う。
実はノーラン自身も、飲酒運転の車に妊娠中の妻を轢き殺されたという過去を持つところがミソ。
 
 
 
 
 
 
 
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海洋学者レイチェル(シャーロット・ランプリング)は、ノーランと行動を共にし、ノーランとオルカの死闘に巻き込まれる。
 
 
 
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この作品が上手いのはね、復讐するオルカのヒレに、ノーランに撃たれた傷をつけて目印にしてる。
北氷洋の氷山で決着をつけるノーランとオルカ。
ノーランはオルカに食われそうになるんですが・・・。
フェイントをかけた後に決着を見るこの作品の結末は実に虚しい・・・。
この作品はね、単なる動物パニック映画と区別されるように、スパックロマンと銘打たれて公開された。
スパック(SCIENTIFIC PANIC ADVENTUROUS CINEMA)の略だそうです(汗)・・・。
 
 
 
私、和歌山・白浜のアドベンチャーワールドが好きで何度も行ってるんですが、オルカがいなくなったのは寂しいね。
私が若い頃は、白浜アドベンチャーワールドって、パンダとオルカの2枚看板やったんですよね。
映画『オルカ』でも描かれているんですが、オルカの捕獲と飼育って難しいらしいです。
(ノーランが予定外のオルカを捕獲して死なせてしまったのも、日本からホワイトシャークの捕獲を依頼されたから)
今、白浜アドベンチャーワールドは、やたらと元気なパンダが子供をポコポコ量産しとるけども(笑)、やはり大きなオルカのショーをもう一度見たいものです。水しぶきが半端じゃないしね(爆)・・・。
 
 
最後にオマケ。
 
 
 
 
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私が若い頃のお正月、友人たちと白浜アドベンチャーワールドに行った時に撮影したオルカ。
この頃のオルカはシャープでキレがあったんですが、数年後に見にいったらメタボになっててオルカがしんどそうだった(汗)・・・。
案の定、数年後にオルカはショーから姿を消した。
寂しいね・・・。
 
 
 
 
 

今月の月例記事、テディ&ラン通信でもお伝えしたんですが、現在テディが通院中なんです。
どうも皮膚病みたいで、掻きむしって発作みたいになって危険な状態になってたので、結局は病院をかえた。
 
 
 
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名前が”テディー”になってますが(汗)・・・。
写真入りの診察券を作ってもらいました。
実はここの病院、昨年末に、も~やんがお世話になって、亡くなった病院なんです。
しかし、私の近郊では、ここの院長がエキゾチック・アニマルのスペシャリストらしいので・・・。
結局テディは、寄生虫にやられていたんですね。どうもダニらしいです。
薬を注入してもらい、数日様子を見てくださいとの事。
院長いわく、「すぐに元気になります」との事で、安心しているんですが・・・。
病院から帰ってきたテディの様子は安定しています。
また2週間後に、ランと共に再診に行きます。
(うつしあいしてもいけないので)
 
頑張れテディ!!

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