ナニワのスクリーンで映画を観るということ。

大阪の映画好きゾンビまんです。 映画館のスクリーンで映画を観るということ。

2014年06月

今日はですね・・・午後から息子と一緒におでかけしてきました・・・。
 
 
 
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青空の甲子園球場で・・・。
 
 
 
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連敗中なのに変わり映えしないタイガースのスタメンを眺め(汗)・・・。
 
 
 
 
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以前から食べたかった甲子園球場のケンタッキー・フライド・チキン限定のチキン南蛮丼を食った(汗)
いえね・・・。
ちゃんと野球観戦しに行ったんですがね・・・。
 
 
 
 
 
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我がタイガースのエース能見さんがいきなり8点も取られちゃったもんで、いきなり消化試合ですわ(爆汗)・・・。
 
 
 
 
 
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超満員のライトスタンドのお客さんも、タイガースの外野手3人も、どうしてよいのかわからんという感じで(汗)
 
 
 
 
 
 
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私と息子は最悪な事がいろいろと重なって観戦意欲を失くし、5回で球場を後にした(涙)・・・。
他にも帰るお客さんがたくさんいた(爆汗)・・・。
 
 
 
 
 
 
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朝起きたら嫁さんは仕事に出かけた後で、息子に甲子園球場での飲食代を置いてくれていた。
嫁さんの為にも楽しい野球観戦にしたかったんですが、結果は歴戦最悪やった。
 
息子は財布を落としたと大騒ぎになるし(無事見つかりましたけど)
後ろの席の47歳で三人の子持ちの女と隣の50歳のオッサンが意気投合して、そのままホテルに消えていきそうな勢いの濃密な会話を大声で延々としてる(超爆)・・・。
私、そういうのん凄く嫌いというか、キモいんですよ。案の定、それを聞いていた息子も、「後ろのオバハンたちの会話がキモい」って言い出してね(笑)・・・。
「試合も壊れてるし、俺、こんな状況やったらテスト前やから家で勉強したい」という息子の言葉を聞いて帰る事にした。
 
 
 
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今日は球場外周にジャック・ダニエルが飲めるバー・コーナーがあったんですよ。
ハニー・ボールをヤケ酒に飲んでトボトボと家路についたよ(涙)・・・。
みなさん、明日からも気持ちを切り替えて頑張りましょうね(汗)・・・。
お疲れさんでした(笑)・・・。
 

本日は家の用事で映画に行けなくなったので、映画の資料記事を更新します。
前回の「新聞広告」書庫で2001年の上半期公開の映画広告を紹介したので、今回は下半期を。
(新聞広告はすべて関西版です)
 
 
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 これはね、公開直前に未見だった『ハムナプトラ』をテレビで観て面白かったから続編を見た。
悪役だったザ・ロックが強烈で、後にスピンオフ作品も制作されましたね。
 
 
 
 
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これはダウンタウンの松ちゃんが褒めてたので、テレビ放映時に観ました。
モニカ・ベルッチが凄く綺麗な映画です。
 
 
 
 
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私は基本的にラヴ・コメはあまり見ないんで、これは未見です。
マシュー・マコノヒーは今でも頑張っていますが、ジェニファー・ロペスは最近見ないですね・・・。
 
 
 
 
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キューブリックの脚本をスピルバーグが引き継いだ超話題作でした。
実は私、この作品が凄く好き。
世間の酷評が信じられないです。感動しました。
 
 
 
 
 
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これは空飛ぶ恐竜たちをメインにしたシリーズ3作目。
私は凄く楽しめましたね。
 
 
 
 
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『クリフハンガー』のハーリン監督とスタローンが再び組んだレース映画なんですが・・・。
レース以外の場外暴走のほうがおもろいねん(汗)・・・。
アイドル的に売り出したキップ・パルデューも消えたね。
 
 
 
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これは一番ヒットしたね。
私は基本、アニメは見ないんですよ。でも、これは後年テレビで観て圧倒された。
だから昨年、私は劇場で『風立ちぬ』を見る気になった。
 
 
 
 
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これは鬼才ティム・バートン監督が『猿の惑星』に挑戦した。
私はひねった最後のオチを含めて、この作品は好きですね。
他のバートン作品とは相性が悪いので(汗)・・・。
 
 
 
 
 
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これは公開時に、映画監督の井筒さんが絶賛されていたんですが、普通に面白い犯罪映画でした。
 
 
 
 
 
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『パール・ハーバー』も『コレリ大尉のマンドリン』も、千日前・国際劇場で観た。
どちらも面白かったけど、『パール・ハーバー』の終盤には呆れた。
 
 
 
 
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これは嫁さんと観た。
下着姿で道路を走るブリジッド・ジョーンズを見て、夫婦で「アホや」と突っ込んだ(笑)・・・。
映画館が満員で、南街シネマの2階席で初めて観た作品。
 
 
 
 
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これは劇場の大スクリーンで観たんですが、まったく記憶に残らない作品やった(汗)・・・。
アンジェリーナ・ジョリーには悪いんやけど。
 
 
 
 
 
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これはデンゼル・ワシントンが悪徳刑事を演じてオスカーを受賞した作品やね。
作品自体も凄く面白かった。
 
 
 
 
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この1作目、凄く好きなんですよ。
まさか大作シリーズ化されるとは、これを観たときは夢にも思わんかった。
この作品のポール・ウォーカーが凄く良いんですよね・・・。
 
 
 
 
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これ、コテコテの難病恋愛映画で、一緒に観た嫁さんはボロカスでしたが、私は凄く良かった。
ちょっと辛口の恋愛映画で、最後に置いていかれるキアヌ・リーブスが切なかったなぁ・・・。
エンヤの主題歌も最高。
 
 
 
 
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『クローン』はマデリーン・ストゥ目当てで観た。
科学の進歩で、この頃からクローンが題材の作品が増えましたね。
『オー・ブラザー』は未見です。
 
 
 
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これは最高に面白かった。
この頃まではトラボルタもカッコ良かったね。
この作品はハル・ベリーが最高なんですよ。乳出すわフェラするわで(爆汗)・・・。
 
 
 
 
 
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実はこの映画、個人的に無理して見た作品で、鑑賞中に体が辛かった思い出しかない(汗)
(理由は巻末に書きます)
 
 
 
 
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これは韓国産・火災パニック映画なんですが、ストーリーに異常者が絡んでいるところがオモロイ。
 
 
 
 
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これは良かったんですが、私がミュージカルに対して感度が悪くなったと思い知らされた作品(汗)・・・。
 
 
 
 
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これはアンジェリーナ・ジョリーが脱ぎまくっている事が話題になっていたんですが、意外に面白いラヴストーリーでしたね・・・。
 
 
 
 
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この作品も地味だけど面白かった。
実はね、『エボリューション』から『裏切り者』までの作品、私が休職中の平日に観た作品なんです。
実は私、これより10年前にした手術の経過が悪く、再発してね。
傷口を再切開して、入院の後、通院してたんで、10日ほど仕事できなかった。
(私の主治医とベテラン医師が対立したので、翌年に再手術するんですが)
痔ではなく、場所が臀部なんで映画館で座っているのが苦痛でね、苦しくて、映画館の椅子に横になって観た映画が数本あるので、あんまり内容が記憶に残ってないんですよね・・・。
自分の体調が悪いのに、いろんな活動をしていたので、とにかく忙しい2001年でした。
 
みなさんの2001年はどうでしたか?(汗)・・・。
 

久々に個人的映画書庫、「この映画のソコが凄い!」を更新します。
前記事である鈴木則文監督の追悼記事を書いていて、東映のプログラムピクチャーにこんなオモロイのがあるよって脳裏に浮かんだ作品を、私ゾンビマンが褒めちぎります(汗)・・・。
 
 
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1974年度公開の東映映画、『0課の女 赤い手錠』
この作品、私がブログを始めた頃に一度記事にしています。
まず、1974年頃の映画界は、一番映像表現が自由やった時代で、映画界が不況になっていくほど、その表現はどんどん過激になっていた時代なんですね。
低予算で制作されるプログラムピクチャーは、昭和の映画職人の腕の見せ所やったわけです。
『0課の女 赤い手錠』という作品、原作は当時の人気漫画やったらしいんですが・・・。
私流にこの作品を説明すると、女刑事が主人公の007みたいなお話を、おもいっきり無茶苦茶な東映のダシに漬けた後、発酵させたような映画なんですよ(爆汗)・・・。
 
 
 
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昭和の東映の映画って、主演スターの歌う主題歌がタイトルバックに流れるパターンが多かった。
この映画のまず"ソコ"が凄いのは、元々歌手志望だったという主演の杉本美樹の歌が凄い(汗)・・・。
演技のセリフ棒読みと同じく、妖しい棒読みの歌唱に、まず耳が脱臼しそうになる(超爆)・・・。
 
 
 
 
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次期総理大臣候補の南雲(丹波哲郎)の娘が、「ヨコスカの玉ころがし」という出所したばかりの愚連隊にさらわれた(爆)・・・。
南雲はね、なんでよりによって玉ころがしとかいう連中に娘が誘拐されなアカンねんと憤るわけ(笑)・・・。
しかも恥ずかしいから公にしたくない(爆)・・・。
そこで南雲は、秘密捜査官である零(杉本美樹)に、娘を救う為のおとり捜査を任命する。
丹波哲郎さん演じる南雲という男からしてむちゃくちゃ(汗)・・・。
目的達成の為には手段を選ばない。
いつもの丹波口調で、「どのような方法でも生きたまま娘を連れ戻し、そのすべてを極秘にするように」と。
 
 
 
 
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これ、秘密捜査官・零の赤い警官グッズ(汗)・・・。
このチープ感も凄いですよね(笑)
こんなん、下町の駄菓子屋さんに行ったら100円ぐらいで売ってたで(超爆)・・・。
それを赤く塗っただけ。
 
 
 
 
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零は誘拐犯グループが潜伏するスナックに、囮捜査のため潜入することに成功するんですが・・・。
零を信用しない犯人グループは、零をいきなり拷問するんですが、零は口を割らない。
ハイっ! この映画はここからが凄い。
スナックのママ加津子(三原葉子)は、「アタシに任せてみな。女には、女にしかわからないツボがあるんだよ」みたいな事を言い放って零を責める。加津子の方法とは・・・。
なんと加津子は素っ裸になって零を愛撫し始める(爆)・・・レズビアン攻撃(超爆)・・・。
それ以前にね、加津子って、いつもどんぶりを小脇に抱えてラーメンライス&餃子を食ってるんよ(超爆)・・・。
そんなスタミナの塊みたいなおばさんがド~ンとボテボテの身体を晒し全裸になる(汗)
演じる三原葉子さんという女優さんは、新東宝時代からお色気路線で売ってきた人で、脱ぎっぷりもいい。
この熟年ボディのヌードは、どれだけの観た男子に衝撃を与え、その隠れた性癖に火をつけたであろう(超爆)・・・。
東映のプログラムピクチャーって、ホンマに女性を知る教科書でしたよ。
でね、全裸で零に迫ってみた加津子は零に反撃され、バスタブを血まみれに染めて死ぬ(爆汗)・・・。
 
 
 
 
 
 
 
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出所してきたばかりの、ヨコスカの玉ころがしのリーダー沖原(郷鍈治)
この作品は基本的に狂っているんですが(汗)、この沖原のクレイジーぶりが凄いんですよ。
いきなり強姦目的でカップルを襲い、男を簡単に殺して女を売りとばす。
その女が次期総裁の娘だと知り、誘拐して身代金を要求する。
沖原はね、弟を溺愛している。しかし、心の優しい弟は、誘拐された娘を逃がそうと気を許すんですね。
それを見た沖原はどうするのか?
あれほど溺愛していた弟の頭ををビール瓶でかち割って瞬殺(爆汗)・・・。
ありえへん野獣ぶり。
演じる郷鍈治さんの怖い顔は、この役を演じる為にあると言っても過言ではない(爆汗)・・・。
 
 
この作品、ここまでの展開だけでも十分ファンキーでしょう?(爆汗)・・・。
ちなみに、この無茶苦茶な作品、トーンはむっちゃシリアスなんですよね(汗)
笑ったらアカン雰囲気なんよ(超爆)・・・。
 
 
 
 
 
 
 
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沖原と手錠で繋がれてしまった零は、南雲が差し向けた日下警部(室田日出男)との銃撃戦に巻き込まれる。
後半、アメリカ人の別荘に立てこもった沖原と警察との攻防は西部劇タッチで、室田日出男さん演じる警部はゾンビみたいになっとるね(爆)・・・。
もうね、ひと粒で何度美味しいねんて映画(超爆)・・・。
この作品、中盤に凄まじい拷問シーンがある。
ガスバーナーでチンコを焼いたりね(汗)・・・。
とにかくグロ描写は徹底的に痛みを感じさせる職人技のオンパレードです。
 
 
 
 
 
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この作品の杉本美樹さん、主役なんやけど常にお飾りみたい・・・というか、周りのキャラが強烈すぎて、主役なのに各シーンに花を添えてるだけなんですよね(汗)・・・。
(それがシリーズ化されなかった原因かもしれん)
でも、棒読みのセリフに綺麗なヌードの杉本美樹という女優さん、クールなんだけど守ってあげたくなる女性の魅力に溢れている。
私は大好きやね。この作品で杉本美樹さんのファンになった。
お色気ハードアクションでありながら、グロ描写も強烈なこの作品、最後はやはり耳が脱臼しそうな杉本美樹さんの歌で終わる(爆汗)・・・。
なんかその辺は徹底しとんねん(超爆)・・・。
 
私ね、この作品をダビングして何度も家で見ていたんですね。
そしたら嫁さんに、「アンタ、そういうえげつないのん好きやなぁ・・・。頼むから、それだけは子供の前では見ないようにしてや」と言われた映画(爆汗)・・・。
そう、逆に女子供を寄せ付けないのが東映のプログラムピクチャーの魅力であり、凄さかもしれん。
 
この作品、梅宮辰夫さん主演の『不良番長』シリーズを撮っていた野田幸男という監督さんが撮った。
典型的な東映のプログラムピクチャー作品なんですがね・・・。
見ていてね、理屈抜きにめちゃくちゃ面白いんですよね。
度を超えた無茶ぶりが奇跡のバランスで融合している。
場末の汚い東映の映画館で体験してみたい作品ですわ。
今も邦画界では漫画を映画化した作品が多いですが、この作品のような映像表現は不可能。
一番映像表現が過激やった時代の、数多いプログラムピクチャーの中に埋もれた大傑作ですね。
鈴木則文監督の追悼記事でも書いたんですが、私は『0課の女 赤い手錠』をはじめとする東映のプログラムピクチャーを認めた事で、映画に対する自分の視野がグンと広がった。怖いものがなくなったね。
面白ければ何でもアリ・・・は有りだと・・・。
 

今日は朝から映画鑑賞してきたので紹介します。
 
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『飢餓海峡』の宣材2種です。
 
 
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本日の大阪ステーションシティシネマの様子です。
今朝は雨模様やったんですが、場内はほぼ満席でした。
 
 
 
『飢餓海峡』
解説: 水上勉の同名推理小説を内田吐夢が映画化。「砂の器」と並び、日本映画の傑作と称される。東映が監督に無断で編集した167分版と、監督自身の手による183分の完全版がある。昭和22年に青函連絡船沈没事故と北海道岩内での大規模火災が同時に起きる。火災は質屋の店主を殺害し金品を奪った犯人による放火と判明。そして転覆した連絡船からは二人の身元不明死体が見つかった。それは質屋に押し入った三人組強盗のうちの二人であることが分かる。函館警察の弓坂刑事は、事件の夜に姿を消した犬飼多吉という男を追って下北半島へ赴く。
 
 
 
『飢餓海峡』という作品、私は過去にテレビで2度観た事があるんですが、2回とも中途半端に鑑賞していたので、今回、初めて見るような感覚に襲われた。
私が今回、初めてスクリーンで鑑賞した『飢餓海峡』という作品は1965年公開の東映作品で、「飢餓海峡・・・それは、誰の心にも存在する」というナレーションで始まる。
 
昭和22年、青函連絡船の沈没事故と、北海道岩内で大規模な火災が同時に発生する。
転覆した連絡船から収容した遺体の数が乗客名簿より2名多い事と、火災のどさくさに紛れて発生した質屋一家強盗殺人事件を結び付けた函館警察の弓坂刑事は、犬飼という大男の行方を追うんですね。
しかし、青森で犬飼の消息は途絶えてしまう・・・。
この作品、台風の影響で実際に起きた歴史的事件を下敷きに描かれる前半のドラマが実にスリリング。
必死の逃亡を続ける犬飼という男を、弓坂が少し遅れて追跡しているという時間軸の使い方が秀逸なんです。弓坂は少しの後手を踏み続ける。
 
犬飼は、命がけで単身渡った青森で、八重という娼婦に出会うんですね。
極貧から身を売る八重に同情した犬飼は、八重に大金を渡して姿を消す。
しかし八重は、犬飼から貰ったお金を元に人生を立て直すべく東京へ向かう。
この映画の中盤では、犬飼を恩人として想い続けながら苦労する八重の姿が描かれるんですが、同時に八重の嘘によって、犬飼の姿を見失う弓坂の姿も描かれる。
ある日八重は、新聞記事に載っていた樽見という人物に犬飼の面影を感じ、樽見に会いに行くんですね。それは台風に紛れた歴史的事故から10年の歳月が流れた後だった・・・。
八重は、命の恩人である犬飼に一目会ってお礼が言いたいだけだった・・・。
しかし・・・八重に自分の正体を見破られた犬飼は、八重を殺してしまうんですね・・・。
 
この作品、根底で描かれているのが貧困なんです。
犯罪を犯してしまった者、追う者、犯人をかばい続けて、犯人を恩人として慕いながらも、結局は殺されてしまう者、すべてが貧困にあえいでいる。
正体を見破られ逮捕された犬飼が罪を認めて何に狼狽するのか・・・。
「飢餓海峡・・・それは誰の心にも存在する」という部分を描いた実に深い深い作品です。
この作品が約3時間と長いのは、そういう貧困にあえぐ人々の複雑なドラマを噛み砕いて説明しているからなんですよね・・・。
 
この作品のメッセージ、弓坂刑事を演じた伴淳三郎のセリフに集約されている・・・。
「本当の泥沼の貧困を経験した者にしかわからない」と・・・。
ただ生きる事に必死のパッチだった人間が何を信じられるのか?
生きる為にそれを見失ってしまった犬飼の生き様も悲しい。
まさに人間のを描いた傑作ですね・・・。
 
[2014年、6月22日、『飢餓海峡』、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン10にて鑑賞]
 
 
 
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冒頭、網走から出所した悪人に協力させられ、犯罪に巻き込まれる犬飼(三国連太郎)の姿が描かれる。
 
 
 
 
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台風により発生した青函連絡船の事故処理に追われる弓坂刑事(伴淳三郎)の姿が同時に描かれる。
弓坂刑事は、乗船名簿にない身元不明の2遺体の謎に注目する。
同時に発生した大規模な火災に紛れた殺人事件の真相と、転覆事故の遺体の数に注目した弓坂刑事は、目撃されていたひとりの大男の行方を追う。
このシーンが後半の伏線になるのは見事。
 
 
 
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捜査の目をかいくぐり青森に渡った犬飼は、八重(左幸子)という娼婦と出会う。
飢えた犬飼が、八重の持つおむすびで結ばれる出会いのシーンが良いですね。
明るい八重の不幸な境遇に同情した犬飼は、八重に大金を渡して姿を消すんですね。
 
 
 
 
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犬飼のくれたお金で借金を清算した八重は、親孝行した後、東京に行く決心をするんですが・・・。
犬飼を追ってきた弓坂刑事に、犬飼をかばって嘘をつく八重。
その嘘で、弓坂刑事は犬飼を逃してしまい、自身も窮地に陥るんですよね・・・。
 
 
 
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10年の歳月が流れ、ある実業家として成功していた樽見の姿に犬飼の面影を見た八重は、敦賀にいる樽見に会いに行くんですね。
そこで樽見が犬飼であるという正体を見破った八重は、自分が生きる支えにしていた恩人に殺されてしまう(涙)・・・。
 
 
 
 
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八重を殺した樽見(犬飼)は、目撃された使用人も一緒に殺した事で、遂に逮捕されてしまう。
 
 
 
 
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後半に活躍するのは、樽見の殺人を暴いた味村刑事(高倉健)
味村は、犬飼を逃した責任を負わされ、貧困生活にあえいでいた元刑事である弓坂を呼び寄せる。
ブレイク前の健さん演じる味村という刑事も切れ者で良い。
 
 
 
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生きる為に罪を犯した犬飼。
弓坂に諭された犬飼は、海峡を渡る船上で、弓坂のお経を聞いて、ある行動に出る・・・。
 
 
 
 
 
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津軽訛りが凄い八重を演じた左幸子さんの菩薩のような演技は圧巻。
犬飼の爪を大事に抱き、犬飼への恩を支えに生きてきた八重が、なぜ犬飼に殺されなければいけないのか?という部分が凄く悲しい。
左幸子さんは、今村昌平監督の『にっぽん昆虫記』での演技も素晴らしい女優さん。
 
 
 
 
 
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劇中で大男と言われるくらいですから、三国連太郎さんは大柄やったんですね。
津軽弁の八重に対し、関西訛りがあるという犬飼を見事な関西弁で熱演。
 
先日私が鑑賞した『太秦ライムライト』という作品の福本清三さんが、全盛期の内田吐夢という監督さんについて語っておられた。
「ただ斬られる役でも、何でお前はそいつに斬りかかっていくのか。その後のお前の人生はどうなるのかまで考えて斬りかかっていけ」と指導されたと。
それだけきめの細かい演出をされるという、名匠内田吐夢監督の大傑作ですね。
長回しが多い撮影に応えた俳優陣の演技も光る名作です。
まったく3時間という長さを感じさせない構成は見事です。
 
 
 

本日の記事、まったく映画の内容案内にはなっておりません。
徹底した自分語りなので、興味ない方はスルーしてください。
資料編としてお楽しみください。
 
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↑『クリスタル殺人事件』のB5チラシです。
 
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↑これはチラシの裏面です。
 
 
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↑A4パンフです。
 
 
『クリスタル殺人事件』
解説:「オリエント急行殺人事件」「ナイル殺人事件」に続いて、アガサ・クリスティのミステリを豪華キャストで映画化した作品。今回は、ミス・マープル物の『鏡は横にひび割れて』を原作に、「007」シリーズのG・ハミルトンが監督し、出演陣にはA・ランズベリー、E・テイラー、R・ハドソン等を迎えている。ロンドン郊外の小さな町で撮影されていた映画『スコットランドの女王メアリー』の歓迎パーティ会場で殺人事件が発生した。推理好きで有名な老婦人ミス・マープルはさっそく独自に調査を開始するのだが……
 
 
 
 
 
 
 
先日もネット記事にて、「映画料金1800円は高い」という話題が盛り上がっていました。
今春の増税の影響が一部映画料金にも影響したようで、一部サービスデーと前売り券の料金が上がりましたね。ますます映画ファンがスクリーンから遠のきそうです。
 
私の会社に以前、岡山出身の先輩がおられたんですが、私より年齢がひとつ上のその方が言うには、「大阪に出てきてビックリしたのは、映画が1本立てやんか(汗)・・・岡山なんて2本立てが当たり前やからな。最近も子供と映画に行ったら、指定席なのは良いけど、入れ替え制になっとって、同じ映画を何回も観れん。最近の映画館は損する感覚しかない」と嘆いておられた。
 
その岡山出身の先輩が言う、昔の“損しない“映画館の魅力を語るときに、私の脳裏に浮かんだのが『クリスタル殺人事件』という映画なんです。
 
『クリスタル殺人事件』という映画、私は1981年の夏に、友人のフリオとオールナイト興業で鑑賞しました。
映画館がシネコン化する90年代初頭までは、新作映画の公開初日の土曜日の夜は、各映画館、オールナイト興業が当たり前の時代でしたわ。
当時の私ら若者たちは、「土曜の夜はフィーバーや!」言うて、そんなに金もないのに、とりあえず繁華街に繰り出すわけ。
肩で風を切って歩き、軽くお茶をしてゲーセンで他所のヤンキーにメンチを切り(爆汗)・・・オールナイトで映画を観て、朝までの時間をやり過ごしていました。
自分では硬派だと勘違いしていたんで、当時は女っ気ゼロの週末の夜(爆)・・・。
 
私とフリオは千日前スバル座という劇場に終電間際に入り、始発の走る朝までに『クリスタル殺人事件』を3回続けて観たんやけど、私は3回とも寝てしまったんですよね(爆汗)・・・。
なぜか『クリスタル殺人事件』という作品、つまらなかった。
私はどうもイギリスのハイソな世界を描いた作品と馬が合わないらしい。
同じシーンを3回観てるから、セリフを覚えてしまったくらいなのに、ストーリーがサッパリわからんかった(爆汗)・・・。
私はリアルタイムで観たガイ・ハミルトン監督の他の作品は面白かったので、今だになぜ『クリスタル殺人事件』がつまらなかったのか、自分でもよくわからない。
(次にガイ・ハミルトンが撮った『地中海殺人事件』は面白かった)
千日前スバル座という映画館はね、ロビーにゲーム機があったんですよ。
当時の映画館は雰囲気ごと楽しめたというか、映画の中身以外に魅力的な部分がたくさんあったんでしょうね・・・。
 
『クリスタル殺人事件』を観終えて、明るくなった繁華街にフラフラ状態で放り出され(笑)、腹が減って大変でした。
当時はね、コンビニはおろか、朝までやってる食い物屋がなかったんですよ。
(金がある時は、戎橋にあったヒロタのシュークリームの販売機のお世話になってた)
フリオと始発に乗って地元へ帰り、朝早く私の家に行って、前日の残りのカレーを食いたいって言ったら、さすがにオカンに、「何時やと思ってんねん。外で食え」って怒られて(汗)、フリオとふたり、私の家の前の公園でカレーを食べた夜明けが忘れられへん・・・。
 
 
 
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『クリスタル殺人事件』は、豪華キャストが見どころ。
と言っても、往年のスター博覧会みたいな作品やったね。
左から、キム・ノヴァク、ロック・ハドソン、エリザベス・テイラー。
 
 
 
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この作品、アガサ・クリスティー原作の映画化なんですが、探偵ポアロが登場するのではなく、ミス・マーブル(アンジェラ・ランズベリー)が謎解きをする。
私はやはりポアロが好きなんやね(爆汗)・・・。
 
 
 
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ミス・マーブルに協力するクラドック主任警部を演じたエドワード・フォックスは良かった。
この人は『ジャッカルの日』で鋭い殺し屋を演じたんですが、その後はユーモアを湛えた渋い脇役で存在感を発揮していました。
 
 
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この作品、ハッキリ言ってエリザベス・テイラーの為の映画でしたね。
おもいっきり見え見えの犯人やし(超爆)・・・。
晩年はマイケル・ジャクソン のここ一番の保護者みたくなっていたエリザベス・テイラー(汗)
そんなエリザベス・テイラーがまだ美魔女だった頃の作品です。
 
 
 
 
 
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この作品を観るきっかけは、友人のフリオがこの作品の主題歌を気に入ったから。
『ナイル殺人事件』の主題歌『ミステリー・ナイル』もヒットしたんですが、この作品の主題歌『ミステリー・シャドウ』もヒットしたんです。
 
               https://www.youtube.com/watch?v=Wbpgd53rH-w
 
『ミステリー・シャドウ』を聴くと、夜明けにフリオと皿を持って、公園で食ったカレーを想い出す。
 

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