私は本日が今年の仕事納めで、水曜日からお正月休みに入ります。
水曜日に映画鑑賞の予定があり、その映画の記事を書いてブログを一時休止しようと思っているので、本日が今年最後の旧作の紹介になります。
私が大好きな人の大好きな作品を、「アチャ~!!」という気合の怪鳥音と共に紹介しましょう。
仕事納めの後、一応、会社で忘年会を兼ねた打ち上げがあるので、早く更新しておきます。
『ドラゴンへの道』
解説: ブルース・リーが企画・監督・脚本・主演・武術指導・ひとり5役を務めた主演第3作。知人がイタリアで経営する中華レストランがギャングの地上げにあって苦しんでいる事を知り、単身ローマに降り立つタン・ロン。彼の存在を快く思っていなかったレストランの従業員たちもチンピラたちを瞬く間に倒したタン・ロンに心酔する。だがギャングの嫌がらせとタン・ロンの防衛戦は次第にエスカレートしていく。やがてギャングのボスはタン・ロン打倒のために凄腕の空手家を呼び寄せるのだった……。
画像は『ドラゴンへの道』のチラシ・関西版新聞広告・パンフです。
この作品、簡単に言えば、上記の解説文のまんまです(汗)、だって、あの勝新太郎が、「紙芝居みたいな映画だなぁ」って評した作品です(笑)
でも、私はブルース・リーの作品の中で一番好きな作品ですわ。
この作品に関しては、私個人の事を含めて面白いエピーソードが沢山あるので、本日の記事ではその一部を紹介したいと思います。
ブルース・リーはアメリカから香港に帰国し、『ドラゴン危機一発』、『ドラゴン怒りの鉄拳』で大ブレイクするんですが、キス・シーンの演出中にドッグ・レースの中継をラジオで聴くような、両作の監督ロー・ウェイと決裂、自身でひとり5役を務めて完成させたのが『ドラゴンへの道』です。
まずタイトルがむっちゃカッコいいですね、ドラゴンへの道=ブルース・リーへの道ですよ(笑)・・・。
ひとり5役のワンマン映画なんで、リーが撮りたかった映画がどんな作品なのか、興味津々で観てみると、これが見事なコメディ演出で驚きました。
冒頭のローマの空港のシーンで、実に落ち着きなく迎えを待つリー。中国の田舎者丸出し。
迎えに来たノラ・ミャオは、店の用心棒に来たリーが、あまりにもドンくさそうな田舎者なんで、最初はバカにしてるんですね。しかもリーは、肝心な時にトイレにばっかり行ったり(これには理由がある)、ノラ・ミャオに、「ローマでは女性には笑顔で接しなさい」と言われ、街で実践した途端に美女に逆ナンパされ、部屋で服を脱がれ慌てて逃げるという(笑)・・・。
カッコいいはずのリーがボケ倒しとるわけですよ(笑)・・・ドラゴンへの道どころか、リーのイメージが崩れまくりで、「リーはコメディアンになりたいの?」って展開なんです。
タイトルバックではカッコよかったテーマ曲を、そのままコメディ・アレンジで使用しているし。
ところが、やっとリーが拳法でチンピラを倒すシーンの緊張感の凄さ。
「柔」と「剛」のコントラストが際立つ演出ですわ。
クライマックスのコロシアムで展開される、チャック・ノリスとの対決も凄いです。
野良猫の鳴き声を合図に始まる決闘は、観ていて痛みが伝わってくるような感じ。
今思えば、後のジャッキー・チェンのアクション・コメディの原点みたいな作品ですね。
有名な話なんですが、ワーナー配給の『燃えよドラゴン』の業界試写を見た東宝東和の役員が、「これはとんでもないヤツが現れた」と驚いて、香港に飛び、「ブルース・リーってヤツの映画、全部売ってください」って契約を結んだ。その時に抱き合わせで買わされ、決まっていた作品と差し替えて、慌てて封切ったのが、ジミー・ウォング主演の『片腕ドラゴン』です。
ところがゴールデン・ハーヴェストという会社が、東映からポルノ女優(池令子)を借りる契約で、東宝東和を裏切ったんですね。だから『ドラゴンへの道』だけが東映の配給で公開されたんです。
当然、東宝東和はクレームをつけます。
それに対するゴールデン・ハーヴェストの答えが、「では『死亡遊戯』を完成させてあげましょう」というモノだった。
私はこの作品、テレビ放映が初見だったんですが、放映後の学校は『ドラ道』一色(笑)・・・校庭で、階段で、廊下で、みんなドラゴン(爆)・・・。
チャック・ノリスの胸毛の代わりに、制服のボタンをちぎられていたヤツ数名(爆)
そんな最中、私と趣味が合う酒屋の息子と、友人のフリオが『ドラ道』の事で喧嘩してた(爆)・・・。この二人は面白くてね、最初は共通の話題で二人盛り上がるんですが、基本的にフリオが酒屋の息子を見下しているので、途中から喧嘩になるんですわ(笑)
『エーゲ海に捧ぐ』を、私を含む三人で鑑賞した時も、二人はくだらん事で喧嘩してたなぁ(笑)・・・。
『ドラ道』の時はね、酒屋の息子は劇場で『ドラ道』を観たらしく、「最初の空港のシーンで、腹が減ったリーがローマの店のメニューを読めず、適当に注文したらスープばっかり出てくるシーンがテレビではカットされていた」って言うんよね。劇場で爆笑のシーンがカットされていてつまらんと。
それを聞いたフリオがね、「ブルース・リーがそんなマヌケな事するわけがない。今、お前が適当に考えたやろ?」って(笑)・・・言われて、熱く反論する酒屋の息子に、フリオは「リーをマヌケ扱いされて許せん」とばかりにまわし蹴りを食らわして逃げよった(爆)・・・酒屋の息子は怒ってフリオを追い掛け回すんですが、デブで足が遅いから半泣きで酸欠状態になってました(笑)・・・。
酒屋の息子は私に言いました、「スープのシーンがあるから、後のシーンでリーはトイレにばっかりいくねん」って・・・知らんがな(爆)・・・。
でも数年後、完全な形で『ドラ道』を観たフリオが私に教えてくれました。酒屋の息子が言ってた事は真実やったと(笑)・・・。
「お前・・・あん時まわし蹴り入れてたで・・・酒屋の息子、半泣きでお前の事追いかけてたな」って、私がフリオに言うと、フリオは高らかに笑い飛ばした挙句、「テレビでやってないもんはないねん。でも・・・ホンマにスープだらけになってて笑ってもうたわ」って、また高笑いしてました(爆)・・・。やれやれ・・・。
水曜日に映画鑑賞の予定があり、その映画の記事を書いてブログを一時休止しようと思っているので、本日が今年最後の旧作の紹介になります。
私が大好きな人の大好きな作品を、「アチャ~!!」という気合の怪鳥音と共に紹介しましょう。
仕事納めの後、一応、会社で忘年会を兼ねた打ち上げがあるので、早く更新しておきます。
『ドラゴンへの道』
解説: ブルース・リーが企画・監督・脚本・主演・武術指導・ひとり5役を務めた主演第3作。知人がイタリアで経営する中華レストランがギャングの地上げにあって苦しんでいる事を知り、単身ローマに降り立つタン・ロン。彼の存在を快く思っていなかったレストランの従業員たちもチンピラたちを瞬く間に倒したタン・ロンに心酔する。だがギャングの嫌がらせとタン・ロンの防衛戦は次第にエスカレートしていく。やがてギャングのボスはタン・ロン打倒のために凄腕の空手家を呼び寄せるのだった……。
画像は『ドラゴンへの道』のチラシ・関西版新聞広告・パンフです。
この作品、簡単に言えば、上記の解説文のまんまです(汗)、だって、あの勝新太郎が、「紙芝居みたいな映画だなぁ」って評した作品です(笑)
でも、私はブルース・リーの作品の中で一番好きな作品ですわ。
この作品に関しては、私個人の事を含めて面白いエピーソードが沢山あるので、本日の記事ではその一部を紹介したいと思います。
ブルース・リーはアメリカから香港に帰国し、『ドラゴン危機一発』、『ドラゴン怒りの鉄拳』で大ブレイクするんですが、キス・シーンの演出中にドッグ・レースの中継をラジオで聴くような、両作の監督ロー・ウェイと決裂、自身でひとり5役を務めて完成させたのが『ドラゴンへの道』です。
まずタイトルがむっちゃカッコいいですね、ドラゴンへの道=ブルース・リーへの道ですよ(笑)・・・。
ひとり5役のワンマン映画なんで、リーが撮りたかった映画がどんな作品なのか、興味津々で観てみると、これが見事なコメディ演出で驚きました。
冒頭のローマの空港のシーンで、実に落ち着きなく迎えを待つリー。中国の田舎者丸出し。
迎えに来たノラ・ミャオは、店の用心棒に来たリーが、あまりにもドンくさそうな田舎者なんで、最初はバカにしてるんですね。しかもリーは、肝心な時にトイレにばっかり行ったり(これには理由がある)、ノラ・ミャオに、「ローマでは女性には笑顔で接しなさい」と言われ、街で実践した途端に美女に逆ナンパされ、部屋で服を脱がれ慌てて逃げるという(笑)・・・。
カッコいいはずのリーがボケ倒しとるわけですよ(笑)・・・ドラゴンへの道どころか、リーのイメージが崩れまくりで、「リーはコメディアンになりたいの?」って展開なんです。
タイトルバックではカッコよかったテーマ曲を、そのままコメディ・アレンジで使用しているし。
ところが、やっとリーが拳法でチンピラを倒すシーンの緊張感の凄さ。
「柔」と「剛」のコントラストが際立つ演出ですわ。
クライマックスのコロシアムで展開される、チャック・ノリスとの対決も凄いです。
野良猫の鳴き声を合図に始まる決闘は、観ていて痛みが伝わってくるような感じ。
今思えば、後のジャッキー・チェンのアクション・コメディの原点みたいな作品ですね。
有名な話なんですが、ワーナー配給の『燃えよドラゴン』の業界試写を見た東宝東和の役員が、「これはとんでもないヤツが現れた」と驚いて、香港に飛び、「ブルース・リーってヤツの映画、全部売ってください」って契約を結んだ。その時に抱き合わせで買わされ、決まっていた作品と差し替えて、慌てて封切ったのが、ジミー・ウォング主演の『片腕ドラゴン』です。
ところがゴールデン・ハーヴェストという会社が、東映からポルノ女優(池令子)を借りる契約で、東宝東和を裏切ったんですね。だから『ドラゴンへの道』だけが東映の配給で公開されたんです。
当然、東宝東和はクレームをつけます。
それに対するゴールデン・ハーヴェストの答えが、「では『死亡遊戯』を完成させてあげましょう」というモノだった。
私はこの作品、テレビ放映が初見だったんですが、放映後の学校は『ドラ道』一色(笑)・・・校庭で、階段で、廊下で、みんなドラゴン(爆)・・・。
チャック・ノリスの胸毛の代わりに、制服のボタンをちぎられていたヤツ数名(爆)
そんな最中、私と趣味が合う酒屋の息子と、友人のフリオが『ドラ道』の事で喧嘩してた(爆)・・・。この二人は面白くてね、最初は共通の話題で二人盛り上がるんですが、基本的にフリオが酒屋の息子を見下しているので、途中から喧嘩になるんですわ(笑)
『エーゲ海に捧ぐ』を、私を含む三人で鑑賞した時も、二人はくだらん事で喧嘩してたなぁ(笑)・・・。
『ドラ道』の時はね、酒屋の息子は劇場で『ドラ道』を観たらしく、「最初の空港のシーンで、腹が減ったリーがローマの店のメニューを読めず、適当に注文したらスープばっかり出てくるシーンがテレビではカットされていた」って言うんよね。劇場で爆笑のシーンがカットされていてつまらんと。
それを聞いたフリオがね、「ブルース・リーがそんなマヌケな事するわけがない。今、お前が適当に考えたやろ?」って(笑)・・・言われて、熱く反論する酒屋の息子に、フリオは「リーをマヌケ扱いされて許せん」とばかりにまわし蹴りを食らわして逃げよった(爆)・・・酒屋の息子は怒ってフリオを追い掛け回すんですが、デブで足が遅いから半泣きで酸欠状態になってました(笑)・・・。
酒屋の息子は私に言いました、「スープのシーンがあるから、後のシーンでリーはトイレにばっかりいくねん」って・・・知らんがな(爆)・・・。
でも数年後、完全な形で『ドラ道』を観たフリオが私に教えてくれました。酒屋の息子が言ってた事は真実やったと(笑)・・・。
「お前・・・あん時まわし蹴り入れてたで・・・酒屋の息子、半泣きでお前の事追いかけてたな」って、私がフリオに言うと、フリオは高らかに笑い飛ばした挙句、「テレビでやってないもんはないねん。でも・・・ホンマにスープだらけになってて笑ってもうたわ」って、また高笑いしてました(爆)・・・。やれやれ・・・。