ナニワのスクリーンで映画を観るということ。

大阪の映画好きゾンビまんです。 映画館のスクリーンで映画を観るということ。

2010年05月

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今日の更新は無茶苦茶ベタに「レッドブル」です(笑)・・・ベタすぎてすいません。
いや~昨日は久々に、家から一歩も外に出ませんでした。・・・子供絡みで生活パターンが激変し、すこし生活疲れがあったので、良い充電になればいいんですが、昔から友人のフリオに、「充電や言うて、ず~と放電してんの、お前くらいや」と揶揄されてますんで、回復してればいいんですが(笑)

「レッドブル」、昨日は見事にサッカーの裏番組になってましたね・・・私は扱いが可哀想だったので、普段はテレビ観ないんですが、「レッドブル」にチャンネル合わせてました。
CMに入ると、サッカー中継にチラチラ浮気したりして(笑)・・・ちなみに私はサッカー嫌いです(爆)・・・マジで。・・・あまりにも岡田監督がボロクソに言われて可哀想だったので気になり、逆風の中、頑張る日本の選手の健闘を覗き見していました。
しかし「レッドブル」、やはり面白いですね。
ストーリーなんて、凄く使い古されたネタなのに・・・ウォルター・ヒル監督が自ら手がけた「48時間」なんかと同じパターン・・・「ブラックレイン」なんて、殆ど同じパターンのお話しなのに、「レッドブル」は「レッドブル」で面白い。

「レッドブル」
解説:  シカゴへやってきたロシアの刑事が、アメリカの刑事とペアを組んで麻薬組織を壊滅させるポリス・アクション。J・ベルーシとA・シュワルツェネッガーが、米ソの刑事を演じる

画像は「レッドブル」のチラシ・関西版新聞広告・パンフです。

この作品、シュワちゃん演じるロシアの刑事が、シカゴへ逃亡した犯人を追って、シカゴ名物の噴水などを破壊しながら大暴れするという、シンプルにもほどがある作品です(笑)。
ウォルター・ヒルは、「レッドブル」の前に、「クロスロード」、「ダブルボーダー」という、ちょい訳の分からん迷作?を連発したんですわ(笑)・・・その反動やね・・・シュワちゃんというスターを迎えて、「48時間」の焼き直しみたいな、ソリッドな「レッドブル」を世に出した。
ホンマにワンパターンを踏襲した作品なんですが、やっぱり面白いんですわ(笑)。

能面のようなロシアの刑事にシュワちゃんはハマりすぎやし、シカゴでの相棒になるジェームズ・ベルーシが最高ですわ。
シュワちゃんを空港に迎えにいくベルーシ。袋に入ったおやつをテンポ良く食べながら、すれ違うギャルに「今晩どう?」って声掛けて、「クソして寝ちまいな」って、ギャルに秒殺で言い返されてる(爆)・・・「最近の女は冷てぇな」やて(笑)・・・この作品のジェームズ・ベルーシ、最初から最後まで、ずっとこんな調子。・・・なんか他人とは思えん(笑)。

ウォルター・ヒル作品の定番、スモーク立ち込める中での決闘シーン、仏頂面のシュワちゃんが、クールに敵を撃ち抜いても、ベルーシは軽いまま(笑)。「だって脚本に書いてあるんだから、軽いのは仕方ないよ」って言いたげな軽さがとても良い(笑)・・・。
私はシュワちゃんの相手役に、ジェームズ・ベルーシを選んだヤツはナイスやと思います。
あのジョン・ベルーシの弟なんですが、シリアスもお手のものって感じのジェームズ・ベルーシは、私の好きなアクターです。品の無さが他人とは思えんわ(笑)。
各キャラの徹底した描きこみの凄さは、やはりウォルター・ヒルならでは。

邦画の「寅さん」だって、「網走番外地」だって、「座頭市」だって、ある程度のパターンを楽しむ映画がある。・・・逆に言えば、基準値の面白さは約束された映画ですわ。・・・私は「レッドブル」って映画、そんな感覚で楽しみました。
ウォルター・ヒルの作風が好きな人にはたまらん、ウォルター・ヒルらしい作品です。
本来、映画を紹介する記事って、これから観れたりする作品を紹介するものやと思うんですが、テレビ放映をやり終えたばかりの映画を紹介してしまいました。

[1988年、10月9日、「レッドブル」・北野劇場にて鑑賞]

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夜中に目が覚めて、ふとPCを開けたら、デニス・ホッパー死亡の記事が・・・。
またひとり、イカれて、イカした怪優がいなくなりました。
彼を追悼する意味で記事を書くなら、「イージー・ライダー」辺りが妥当なチョイスなんですが、80年代末に、彼が本当の意味でのジャンキーからの復活を遂げた、私の大好きなスポ根ドラマの隠れた名作、「勝利への旅立ち」を紹介したいと思います。
日本では同時期に公開された「ブルー・ベルベット」の方が印象深いと思いますが、地味に封切られていた「勝利への旅立ち」で、彼はアカデミー賞・助演男優賞にノミネートされています。
画像は「勝利への旅立ち」のチラシとパンフです。チラシが単色で、いかにこの作品が地味に封切られたかが分かります。

「勝利への旅立ち」~解説~
1951年、インディアナ州の田舎町の高校バスケットチームが、新任コーチのパワフルな指導で力をつけ州大会で勝利をつかみとるまでの感動的な物語。選手たちの悩み、強烈な個性派コーチとの交流等をじっくりと描いている。


この作品の主人公は、この人が亡くなったら、私はマジで寝込みそうなほど好きなジーン・ハックマン。彼が田舎町の高校にバスケのコーチとして赴任してくるところから映画は始まります。
アメリカという国のバスケ熱は凄く、田舎町といえども、地域の人間はバスケ部に注目しています・・・12年のコーチ経験のブランクがあるジーン・ハックマンは、よそ者という事もあり、最初は強い反発を受けるんですが、部員に徹底した基礎と守備の練習を強います。(どんな競技でも、このふたつを徹底すれば、最低限の試合作りができる)

選手も個人プレーに走り、新任コーチに反発するんですが、相手のラフ・プレイに怒り、共に退場させられて分かり合うという、ジーン・ハックマンの猪突猛進キャラを生かしたドラマ作りが面白い。自らの信念を曲げない、ハートフルな力強い演技で、ジーン・ハックマンは観てる側のハートをわしづかみにして、画面へ引き込んでくれます。

デニス・ホッパーは、アル中の元バスケ選手で、チームの選手の父親。最初の登場シーンでも、いきなり酔っ払って、学校の校長に小銭をせびっています(笑)そんな彼は町の鼻つまみ者・・・。
ジーン・ハックマンは、そんなデニス・ホッパーにコーチの補佐を頼みます・・・身綺麗にすることと、酒断ちを条件に・・・。
最初は干渉された事にキレたデニス、しかし、彼は試合中にスーツを着てベンチに入ります・・・このシーンのデニス・ホッパーの照れくさそうな演技は凄く良い。
デニス・ホッパーって、どこかぶっ飛んだイメージが先行していますが、凄くナイーブで、壊れやすい人を演じると最高に上手い・・・繊細すぎてハリウッドに翻弄され、ジャンキーになっていた、彼の実生活の様子とダブるんですわ。
スポ根ドラマの熱い展開の中にあって、デニス・ホッパーの役割は、ドラマをいっそう劇的にする大事な化学反応的な役割を果たしています。・・・チームの再建と、アル中のデニスの、人間としての再生ドラマが同時に描かれていますから。

田舎町とバスケを嫌い、一旦は町を飛び出したものの、親の世話の為に町に戻り、感情を抑圧して暮らす女教師バーバラ・ハーシーと、ジーン・ハックマンの淡いロマンスも見応えあります。・・・ジーン・ハックマンの人との交流の仕方は凄いね(笑)人の心の鍵をこじ開けるという表現がぴったり(笑)・・・。
典型的なスポ根ドラマなんですが、私は負け犬が自己の再生の為に、もがき食らい付く話が大好き。この作品の登場人物も負け犬達です・・・彼らがひとつになる過程をテンポ良く描いた「勝利への旅立ち」という作品、私は掘り出し物の名編だと誰にでもお薦めできます。

この作品でもうひとつお薦めは音楽。ジェリー・ゴールドスミスが素晴らしいスコアを提供しています。このテーマ曲は、今でもテレビ番組などのBGMでよく使われています。
聴けば、「ああ、聴いたことある」って思い当たる名スコアです。

最後に、デニス・ホッパーって、ホンマに酔っ払いの演技が上手いですね。
私は天に召されたデニス・ホッパーに言いたい。「日本では地味に公開されて、忘れられてるような、あんたの演技が最高やった作品、紹介したぞ~!!」って・・・。

[1987年、10月14日、「勝利への旅立ち」・ニューОS劇場にて鑑賞]

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最近、大阪の映画館を調べて気づいたんですが、大阪の近鉄沿線にあった「小阪国際」という映画館、今年の春に閉館していたんですね・・・。

私が新聞購読で貰えた無料招待券で利用できる劇場だったんですが、無料招待券が禁止になると同時に閉館になったみたいです。

昨年の12月に、初めて「小阪国際」に入場し、歴史ある建造物や、昭和の匂いを感じさせる場内に感動したばかりなのに・・・。
支配人と話す機会があったので、もっと色んな事を聞いとけばよかったですね。

私の老後の楽しみが、またひとつ無くなりましたわ・・・。
数少ない大阪の単独映画館も、次々消えていくんやろね・・・寂しいですわ。

昨年、「小阪国際」に行った時の記事に写真載せたんですが、載せきれなかった写真を、今回アップしておきます。

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私がブログを開設したときに、一番最初の記事で紹介したのが「シネラマOS劇場」の写真でした。
「ОS劇場」は、東京の「テアトル東京」と並び、日本に2館といわれたスーパー・シネラマシアターです。
今の若い世代の方に、「シネラマ」と言っても分からないでしょう。・・・大きく湾曲した巨大スクリーンと、立体音響を誇る大劇場の事です。

このスクリーン、今のシネコンのフラットで大きな一枚布ではなく、リボンを縦に並べることで湾曲スクリーンを形成していたらしいです。・・・私も友人と「エイリアン」を鑑賞した時に、このリボンがずれていまして、噂は本当だったって気づきました。

「シネラマOS劇場」で映画を観るという事は、毎回、特別な体験でしたね・・・。
私が映画館に通い出した70年代の終わり頃は、「ОS劇場」は全席指定の入れ替え制でしたが、当事の他の劇場は、入れ替えなしの自由席制でした。
「ОS劇場」の座席は3つのエリアに分かれており、一番高額なエリアは2500円でした。
一番安い席でも、当事で1500円でしたから、値段的にも特別な劇場でしたね。

私がОS劇場に通い出した頃、今のナビオの前身である、旧・北野劇場などを含む建物が取り壊され、工事中だったので、この頃からナビオが完成するまでの数年間が、一番、「ОS劇場」が作品に恵まれた時期だと思います。
ナビオが完成した80年以降は、「ОS劇場」も、入れ替えなしの自由席制に変わりました。

巨大スクリーンで私が鑑賞した作品を並べてみます。
「スター・ウォーズ」「ディア・ハンター」「エイリアン」「007ムーンレイカー」「スター・ウォーズ帝国の逆襲」「未知との遭遇~特別編~」「キャノンボール」「ビバリーヒルズ・バム」「悪魔のいけにえ2」「ナビゲイター」「ザ・フライ」「黒いドレスの女/恋人たちの時刻」「モーニング・アフター」「エイリアン2/ランボー怒りの脱出」「摩天楼はバラ色に」「ハリーとヘンダソン一家」「ダーティ・ダンシング」「パラダイム」「007リビング・デイライツ/アンタッチャブル」「バック・トゥ・ザ・フューチャー/ヤング・シャーロック」「ゾンビ伝説」「悪夢の惨劇/サイゴン」「ウィロー」「フライトナイト2」「孔雀王」「ゼイリブ」「メタル・ブルー」「ワンダとダイヤと優しい奴ら」「ザ・フライ2」「エイリアン・ネイション」「コクーン2/ダイ・ハード」「ハーレム・ナイト」「リベンジ」「ロボコップ2」・・・。

やはり、最初に観た6本が忘れられないですが、この劇場は、リクエストに応えるかたちで、ムーブ・オーバー作品を2本立てでよく上映してくれました。シネラマ・ファンのニーズがあったわけです。ロード・ショー公開後にみた「エイリアン2」「アンタッチャブル」「ダイ・ハード」などの作品を、スーパー・シネラマ方式で鑑賞できた私は幸せでした。

画像は、シネラマOS劇場の、2本立て興行時の新聞広告と、70年代のОS劇場の指定券の半券です。
現在のОS劇場の跡地には「ОSビル」が建ち、巨大ゲーム・センターやフィットネス・クラブになっていますが、今も跡地前の歩道に、「ОS劇場」の歴代上映作の名が刻み込まれています。・・・大阪一の繁華街の足元に名が刻まれるって凄いことです。

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先日「ベスト・キッド」を紹介したので、今週は続編を紹介します。
画像は「ベスト・キッド2」のチラシ2種とパンフです。

「ベスト・キッド2」
ダニエル少年とミヤギ老人が空手を通して友情を育む姿を描く「ベスト・キッド」シリーズの第2弾。今回は舞台をミヤギの故郷、沖縄に移してミヤギに復讐を目論むグループとの対立を描く。ミヤギのもとに父親の危篤を知らせる手紙が届いた。彼は弟子のダニエル(マッチオ)を連れて、故郷の沖縄に戻る。だがそこには、かつて同じ女性を愛したがために宿敵となった男が、復讐のために待ちかまえていた……。



この作品で思い出深いのは、鑑賞当日、仕事先の滋賀から大阪入りしたので、初回に間に合わず、劇場が凄く混んでいた事ですね。北野劇場の場内が、立ち見の超満員でした。
「アウトサイダー」から「ベスト・キッド」を経て、主人公のダニエルを演じたラルフ・マッチオの人気が凄かった。まさにアイドルで、場内は若い女の子でびっしり埋まっていまして、場内は熱気でムンムンでした。

「ロッキー2」と同じパターンで、「ベスト・キッド2」も、タイトルバックで前作をおさらいし、前作ラストの直後のシーンから、物語はスタートします。
いきなりミヤギが、コブラ会の師範の鼻を、「フンガ~」ってひねっています(笑)。
そこから画面は変わり、舞台が急展開で沖縄へ飛ぶんですが、名監督のジョン・G・アビルドセンが、やってはいけない演出のオンパレードを見せてくれます(笑)・・・まず沖縄の描き方が酷い・・・モンゴルの田舎町みたいな描かれ方ですわ(笑)。
作り手の日本観の勘違いが凄まじい。まぁ、彼らにしてみれば、アジアの国はひとまとめでモンゴルの田舎みたいに見えるんでしょう・・・前作での日系人ミヤギの描き方が良かっただけに、続編の沖縄の描き方はボロが出まくりという感じでした・・・時代錯誤も甚だしい。・・・劇中のダンス・ホールの場面では、場内の失笑を買ってましたわ。

ストーリーの軸も、凄くレベルの低い復讐と暴走ですので、作品全体が大味で、一言でいえば幼稚臭いんですわ。
前作の「鶴」に対抗する技が「でんでん太鼓」(笑)・・・決戦の最中に、町のみんなが半笑いででんでん太鼓を振る様にドン引きしました。
この作品で良かったのが、ヒロインを演じたタムリン・トミタの可愛さと、主題歌の「グローリー・オブ・ラブ」・・・それだけ(笑)・・・マジで(笑)・・・。

シリーズを通して、私的に共感できる部分は、青少年に、武道やスポーツの習い事を教える事の難しさ・尊さが、根底でメッセージになっているところですね。
前作と続編の冒頭に登場した「コブラ会」の師範は、私から見れば最悪の指導者です。
「勝ち負けも大事だが、努力する中で、自分の努力の質を信じる事だ」ってミヤギは言っていました。

私も2年前まで少年野球のコーチをしていましたが、私の携わっていたチームは勝ち負け優先主義で、それに疑問を感じた私はチームと衝突してチームを去った。
何でも上手くなる事って、どれだけ自分の選んだ競技が好きかなんです。辛抱たまらんくらい好きなら、人に言われなくても努力してしまうので、勝手に上達します。
特に子供って気まぐれですから、指導者は競技の魅力を最大限に伝えるのが仕事です。
半数以上の人数が補欠というチームで、同じ人間ばかりを使って勝つという事を、子供の時からやってしまうと、チームもまとまらないし、試合に出れない子は、努力がしんどくなり、自分の選んだ競技自体に魅力を感じなくなる。・・・本当に悔しさをバネにできるのは、大人に近づいた年齢からなんですから。

武道などでも教える挨拶って、一番大事ですわ。・・・私も色んなチームを見ましたが、本当に強いチームって、挨拶・礼儀がしっかりしています。指導者として、これを教えるのが意外と難しい事なんだって、私も思い知らされされました。
ルールに法り戦う以上、相手に敬意をはらう事によって、質の良い戦いが出来る。
この話題を書くと紙面がいくらあっても足りないね(笑)・・・。また別の機会で語ります。

話しは脱線しましたが、「ベスト・キッド」のダニエルは幸せです。・・・ミヤギに空手を通じて、人生を歩む基礎を教えてもらったわけですから・・・。
しかし「ベスト・キッド2」という作品は、私にとって印象薄いですね・・・この作品の後に、映画ハシゴしまして、隣のOS劇場で「悪魔のいけにえ2」を観てしまったんで(笑)・・・よけいに・・・。

[1986年、11月2日、「ベスト・キッド2」・北野劇場にて鑑賞]

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