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2021年11月7日、日曜日、大阪ステーションシティシネマの様子です。
私ですら予告編も見た事ない映画『アンテベラム』、なぜか盛況で、お客さん50人前後は入ってました。
先日までキンモクセイの香りが最高やったんですが・・・いよいよ本格的な寒さに突入しそうですね。
私はYМОとかそんなに聴かないのですが、劇場で予告編やってた細野晴臣さんのライブ映画、むっちゃ惹かれます。

『アンテベラム』
解説:『ゲット・アウト』などのプロデューサー、ショーン・マッキトリックが製作したスリラー。社会学者として華やかな日々を送っていた女性の転落と、ある黒人奴隷の女性の運命が描かれる。メガホンを取るのは、ジェラルド・ブッシュとクリストファー・レンツ。『ムーンライト』などのジャネール・モネイ、『ウインド・リバー』などのエリック・ラング、『スターダスト』などのジェナ・マローンのほか、ジャック・ヒューストン、カーシー・クレモンズらが出演している。

あらすじ:社会学者で人気作家でもあるヴェロニカ(ジャネール・モネイ)。招かれたニューオーリンズで見事なスピーチを披露して喝采を浴び、友人たちとディナーを楽しんだ直後、順風満帆だった彼女の日常は突如崩壊してしまう。一方、アメリカ南部の綿花畑で奴隷として重労働を強いられているエデン(ジャネール・モネイ)。ある悲劇に見舞われた彼女は、それを機に奴隷仲間と脱走を企てる。

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私はシネコンでこの映画のチラシを手に取って、ホラー映画だと決めつけて観たので、実際に観たこの映画の序盤の展開には驚きました。

この映画は、“過去は消えない。通り過ぎようともしない”という格言で始まる。
南北戦争以前(原題ANTEBELLUM)、大きな屋敷の一角に陣取ったアメリカ南軍の白人兵士たちは、比較的裕福な黒人夫婦を捕まえ、夫の目の前で妻を射殺する。
綿花畑牧場にて黒人たちは奴隷として働かされる中、新しく連れて来られた黒人女性エデンは、白人から焼き印を押され、日々労働に耐え、脱出する機会を窺っている。
私、「えっ? この映画って黒人奴隷の解放とかを描いた話?」って面食らっていると、冒頭で妻を殺された男が、掃除を命じられた小屋の中で、火葬された妻の骨と形見のペンダントを見て号泣するシーンで、デジタル機器に囲まれた、エデンと同じ顔をしたヴェロニカという現代の人気作家の、洗練されたライフスタイルに場面が転調する。

公私ともに順風満帆な社会学者で、ベストセラー作家でもあるヴェロニカは、公演で訪れたニューオーリンズで旧友との再会を楽しむ。
ところが、ホテルを出たタクシー内で、何者かに襲われ拉致される。

再び画面が転調し、奴隷として仲間の自殺に遭ったエデンは、妻の形見のペンダントを付けた男に、「今夜脱出するわ」と、脱出計画の決行を告げる。
そして夜になり・・・。
この映画ネタバレを避けるとこれ以上書けません(汗)・・・。

この映画はあからさまに黒人に対する人種差別批判がテーマですから、二つの時代を交差させる事によって、黒人の地位が向上した今も、人種差別は完全には無くなってはいないよ・・・なんて大真面目に見せながら、スリラーとしては見事な大どんでん返しを見せる。
私の感想・・・「やられた!参りました!」
たったひとつのアイテムによって、シレっとこの映画がネタバレした瞬間の違和感の凄いことったら(爆汗)・・・。
お見事でした!

[2021年11月7日、『アンテベラム』、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン⑧にて鑑賞]
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