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2021年10月16日、なんばパークスシネマの様子です。
映画『最後の決闘裁判』は、私が昨夜観た『DUNE/砂の惑星』とほぼ同じ上映時間153分なのですが、面白さの密度が天と地ほど違う。
観客も同じ30人ほどでしたが、今回の『最後の決闘裁判』の長尺はまったく苦にならなかった。
私は通路の延長線上の最後尾やったんですが、斜め前の男性、ホラー映画の予告編でビビりすぎやで(超爆)・・・。

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『最後の決闘裁判』
解説:エリック・ジェイガーによる「最後の決闘裁判」を原作に描くミステリー。600年以上前にフランスで行われた、決闘によって決着をつける「決闘裁判」の史実を基に、暴行事件を訴えた女性とその夫、そして被告の3人の命を懸けた戦いを映し出す。『グラディエーター』などのリドリー・スコットが監督を務め、マット・デイモンとベン・アフレックが脚本とともに出演も果たす。ドラマシリーズ「キリング・イヴ/Killing Eve」などのジョディ・カマー、『マリッジ・ストーリー』などのアダム・ドライヴァーらが共演する。

あらすじ:中世のフランスで、騎士カルージュ(マット・デイモン)の妻マルグリット(ジョディ・カマー)が、夫の旧友であるル・グリ(アダム・ドライヴァー)から暴力を受けたと訴える。事件の目撃者がいない中、無実を主張したル・グリはカルージュと決闘によって決着をつける「決闘裁判」を行うことに。勝者は全てを手にするが、敗者は決闘で助かったとしても死罪となり、マルグリットはもし夫が負ければ自らも偽証の罪で火あぶりになる。

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イギリス出身のヴィジュアリスト、リドリー・スコット監督は私のオカンより年上の83歳なんですよね(2021年10月現在)。映画の巨匠の晩年といえば、子供帰りしちゃって凡作を発表する例が多いのですが、SFと並んで自分が好きな歴史もの(時代劇)に挑んだリドリー・スコット監督の新作がですね、まさかの傑作映画になるとは・・・驚きました!

14世紀のフランス。
騎士カルージュはとても勇敢で、火の点く矢が飛んでこようとも、鉄仮面無しで敵陣に先頭を切って突撃する猛者で、そんなカルージュに戦場の最前線で命を救われたル・グリは、以後カルージュとは親友となります。時が流れ・・・。
深刻な飢饉から王に納めるお金が滞りがちな地主の娘マルグリットと政略結婚のような形で結ばれたカルージュなのですが、従騎士として処世術に長け、王の身内で領主ピエール2世(ベン・アフレック)に可愛がられるル・グリとは溝が出来るようになる。
マルグリットの嫁入りに際する持参金としてある土地を手に入れるはずのカルージュは、借金のカタにその土地を奪ったピエール2世が、ル・グリに譲った事に激高し、二人を訴えた事から、なんと父親の後を継いで自分が就くはずの長官のポストを奪われてしまうんですね。そのポストを引き継いだのは、連日のピエール2世の酒池肉林にお付き合いしていたル・グリだった。表向きは王に忠誠を誓う騎士として、握手して新妻のマルグリットをル・グリに紹介するカルージュなのですが・・・。
ある日、遠征から帰ったカルージュが、ヤル気でマルグリットをベッドに誘うと、なんとマルグリットから、誰もいない留守時にル・グリの訪問を受け、強姦されたと告白される。
しかし、「合意のうえだ」と無罪を主張するル・グリは無罪を主張。
その結果、カルージュとル・グリによる、決闘によって決着をつける“決闘裁判”に持ち込まれる。もし訴えた夫カルージュが負ければ、妊娠6ヶ月のマルグリットまで火あぶりの刑に処される・・・というね。

実はこの映画、上記までのストーリーがワンセットで、3つの章からなる。
同じ場面を、カルージュ、ル・グリに、マルグリットの視点から描かれる。(そして、作り手はあえてマルグリットの章に“真実”だとテロップを添える)
そう、この映画はリドリー・スコット監督の『羅生門』というべき作品なんです。
3度描写される同じ場面の微妙な違いであぶり出される、人間としての願望、誇り、そして愛の姿の秀逸な事ね。
特に、3番目に描写される、マルグリットの“子宮で考える”女の心理に迫った今回のリドリー・スコット監督の語り口は圧巻だった!
この映画、劇場内の殆どは、私を含むオッサンやったんですが、色んな意味で、女性にも是非見てほしい傑作ミステリーです。

[2021年10月16日、『最後の決闘裁判』、なんばパークスシネマ・スクリーン⑧にて鑑賞]
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