ナニワのスクリーンで映画を観るということ。

大阪の映画好きゾンビまんです。 映画館のスクリーンで映画を観るということ。

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2024年2月23日、金曜日(祝)、MOVIXあまがさきの様子です。
3連休のアタマとあって、あさイチからシネコンは大盛況でした。私もこちらの同じ⑪番スクリーンにて映画のハシゴでした。
この記事では私がこの日最初に観た『マダム・ウェブ』を紹介します。
この11番スクリーンは大きなシアターでシネスコワイドなスクリーンも大きくて見やすい。私は2本目に観た『マッチング』が邦画でしたので、音を聞き取る為にH列で。両作共にシネスコワイド作品でしたので、大迫力でした。


『マダム・ウェブ』
解説:マーベル・コミックスのキャラクター、マダム・ウェブを主役に描くミステリーサスペンス。原作コミックでは未来予知の能力でスパイダーマンを救う役割を担い、知性を武器にする点でもほかのヒーローとは一線を画するキャラクターとして知られるマダム・ウェブの若かりし頃の物語を描く。

ニューヨークで救命士として働くキャシー・ウェブは、生死の境をさまよう大事故にあったことをきっかけに、未来を予知する能力を手にする。突如覚醒した能力に戸惑うキャシーだったが、ある時、偶然出会った3人の少女が、黒いマスクとスーツに身を包んだ謎の男に殺される悪夢のような未来を見たことから、図らずもその男から少女たちを守ることになる。

主人公キャシー・ウェブ/マダム・ウェブ役は「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」「サスペリア」のダコタ・ジョンソン。キャシーが未来を救おうとする3人の少女を、「リアリティ」のシドニー・スウィーニー、「ゴーストバスターズ アフターライフ」のセレステ・オコナー、「トランスフォーマー 最後の騎士王」のイザベラ・メルセドがそれぞれ演じる。監督はテレシリーズ「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」などを手がけてきたS・J・クラークソン。

2024年製作/116分/G/アメリカ
原題:Madame Web
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
劇場公開日:2024年2月23日

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私は普段、もうハリウッドスターでも「いい加減うんざり」と食傷気味を訴えるアメコミ・ヒーロー映画は見ません。
しかし今回の『マダム・ウェブ』は、主役がダコタ・ジョンソンだからチョイス。
監督が女性だというのもポイントでした。

冒頭、どこかのジャングルで臨月の学者が貴重な蜘蛛を発見するのですが、同行したエゼキエル・シムズ(タハール・ラヒム)の裏切りに遭い蜘蛛を奪われたうえに銃で撃たれる。
原住民の手で無事に出産だけは終えた学者は命を落としてしまう。
やがて成長したその赤ん坊はニューヨークでキャシー・ウェブ(ダコタ・ジョンソン)として救命士となり活躍していた。
ある日の事故現場で車ごと川に沈んだキャシーは、少し先の重大な事故などを予知する能力に目覚めてしまう。
戸惑うキャシーはある日、電車内で出会った3人の少女たちが謎の男たちから命を狙われている様子を見てしまい、以後、最初は反発する3人の訳あり少女たちを守ることに奔走する…というお話。
(序盤の何気ないシーンに、3人の少女たちがそれぞれ別のシーンでキャシーと接点があるという描写が上手い)

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私、実はこの映画がかつてないほどにクソミソにけなされているのを気にせずに見たのですが、やはり私が予想した通り、ダコタ・ジョンソンにハズレなし!
ど派手なCGてんこ盛りなアクションの連続で見せる従来のアメコミ映画とは一線を画す、むちゃくちゃ面白いサスペンス・アクション映画だった。特殊能力に目覚めたキャシーが変身しないのも凄くいい。
実は貧乏人あがりのエゼキエル・シムズは、自らが蜘蛛の毒によって黒いスパイダーマンみたくなり、将来自分を倒しにやってくる三人の少女の命を狙っている。
その未来のヒーローになる3人の少女、メガネ女子ジュリア(シドニー・コーンウォール)におませなアーニャ(イザベラ・メルセド)、少し弾けてる黒人マティ(セレステ・オコナー)たちのキャラも良い!
やはり少女3人に囲まれると、ダコタ・ジョンソンも随分とお姉ちゃんに見えるから不思議(汗)…


やはり面白い映画って、まずストーリーテリングありきだと見せつけた良作ですわ、この映画は。
逆に、この見事なエンタメ作にうだうだと文句つけてるような人とは私は話したくない(キッパリ)……
私は目まぐるしいCGアクションを連続で見せられるとすんごく退屈なのに、近頃のアメコミ・ヒーロー映画ってやたらと長いでしょ?
普通に面白い映画って、やはり2時間以内にまとまっているという、よき見本のような作品でした。
なんでこのエンタメ映画が酷評されているのか、私にはまったく理解できません。
先日の3連休、私は5本の映画を劇場で鑑賞しましたが、この『マダム・ウェブ』が一番面白かった。


[2024年2月23日、『マダム・ウェブ』、MOVIXあまがさき・スクリーン⑪にて鑑賞]

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2024年2月24日、土曜日、大阪ステーションシティシネマの様子です。
この日の私は朝から映画のハシゴ。あさイチは大阪ステーションシティシネマで映画『犯罪都市3』を観ていました。
この日私が観た2本の映画は小さなシアターでの上映でしたので、両作共にほぼ満席で。
普段は女性ファンが多いマブリーの映画、今回はおっさんが多めでしたね。


『犯罪都市 NO WAY OUT』
解説:「エターナルズ」「新感染 ファイナル・エクスプレス」のマ・ドンソク演じる型破りな刑事が犯罪組織と壮絶な戦いを繰り広げる人気クライムアクションシリーズ第3弾。

7年前のベトナムでの凶悪犯一斉検挙に関わった怪物刑事マ・ソクトは、ソウル広域捜査隊に異動し、ある転落死事件を捜査していた。そして捜査を進める中で、事件の背後に新種の合成麻薬と、日本のヤクザが関わっているという情報を掴む。一方、ヤクザの一条親分は、麻薬を盗んだ組織員たちを処理するため、「ヤクザの解決屋」と呼ばれる極悪非道な男リキを、極秘裏にソウルへ送りこむ。さらに汚職刑事のチュ・ソンチョルが消えた麻薬の奪取をもくろんでおり、マ・ソクトはリキ、チュ・ソンチョルという2人の凶悪な敵を相手に、三つどもえの戦いを繰り広げる。

主人公マ・ソクト役をマ・ドンソクが演じるほか、リキ役を青木崇高、ソンチョル役を「神と共に」シリーズ、ドラマ「秘密の森」のイ・ジュニョクが演じ、ヤクザの親分役として國村隼が顔をそろえる。
2023年製作/105分/PG12/韓国
原題:The Roundup: No Way Out
配給:ツイン
劇場公開日:2024年2月23日

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なんと、この映画の公開に合わせて、我らがマブリーが初めて公式に来日したらしい。
彼の日本での人気は凄まじいので、少し意外というか、遅すぎた気がしますね。
今回は人気シリーズ作になった、『犯罪都市NO  WAY  OUT』を鑑賞しました。


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このシリーズは、とにかく腕っぷしの強いソクト刑事(マ・ドンソク)の型破りな捜査が見ものなのですが、1作目なんかはアクションと笑いのバランスが凄く良かった。
2作目と、今回の3作目はかなりアクションの度合いが強くなっています。
今回の3作目は強力な麻薬密輸を牛耳る悪徳警官と、そこへハイエナのように群がる日本のヤクザ等に、ソクト刑事が挑むお話になっていますが、このシリーズに関してはそんなストーリー的な事はどうでもいい(汗)…
とにかく怪力でめちゃくちゃ強いマブリーの雄姿さえ見る事ができれば。
悪役の強さを見せる為か、暴力描写ばかりがパワーアップしていますが。

私は前作から少し気になっているのが、せっかくの愛くるしいマブリーのユーモラスなキャラの部分がすべり倒してること。
このシリーズは脇役にもへんてこりんなキャラがてんこ盛りで配置されているので、もっと笑える映画にしたほうがいいと私は思うのですが…
今回も登場した「真実の部屋」とか(笑)、ダイヤル式の金庫を結局は怪力で開けてしまうとか(爆汗)…
どうせ分かりづらいストーリー展開なら、印象に残るピンポイントでマブリーをもっともっと輝かせてほしい。
でないと、マブリーの女性ファンが逃げてしまう。
まだまだこのシリーズは続きそうなので、私は次に期待します。

[2024年2月24日、『犯罪都市NO  WAY  OUT』、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン⑥にて鑑賞]
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2024年、2月25日、日曜日、MOVIXあまがさきの様子です。
本日の大阪&尼崎は雨。
私が観た『落下の解剖学』は珍しくあさイチからでの上映ではなかった為、シネコン内は時間帯的に落ち着いていました。
小さなシアターで上映の『落下の解剖学』、半分ほどお客さん入っていましたが、私が尼崎で観た理由は、同じく小さなシアターでしか上映されていない大阪地区での『落下の解剖学』が混雑していたから。

『落下の解剖学』
解説:これが長編4作目となるフランスのジュスティーヌ・トリエ監督が手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞したヒューマンサスペンス。視覚障がいをもつ少年以外は誰も居合わせていなかった雪山の山荘で起きた転落事故を引き金に、死亡した夫と夫殺しの疑惑をかけられた妻のあいだの秘密や嘘が暴かれていき、登場人物の数だけ真実が表れていく様を描いた。

人里離れた雪山の山荘で、視覚障がいをもつ11歳の少年が血を流して倒れていた父親を発見し、悲鳴を聞いた母親が救助を要請するが、父親はすでに息絶えていた。当初は転落死と思われたが、その死には不審な点も多く、前日に夫婦ゲンカをしていたことなどから、妻であるベストセラー作家のサンドラに夫殺しの疑いがかけられていく。息子に対して必死に自らの無罪を主張するサンドラだったが、事件の真相が明らかになっていくなかで、仲むつまじいと思われていた家族像とは裏腹の、夫婦のあいだに隠された秘密や嘘が露わになっていく。

女性監督による史上3作目のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。主人公サンドラ役は「さようなら、トニー・エルドマン」などで知られるドイツ出身のサンドラ・ヒュラー。第96回アカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされた。

2023年製作/152分/G/フランス
原題:Anatomie d'une chute
配給:ギャガ
劇場公開日:2024年2月23日


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この映画は私がずっと注目してきたドイツの名優ザンドラ・フュラーさんが、本年度のアカデミー賞にノミネートされた映画だと知り、楽しみにしていました。
この映画は女性監督によるフランス映画なのですが、劇中の主人公サンドラが、演じたザンドラ・フュラーさんと同じくドイツ出身であるのにもかかわらず、数か国語に堪能で、この作品でもメインは英語という設定(本作では凄く重要)でありますから、アカデミー賞の選考に該当したというね。

この映画は売れっ子の作家サンドラ(ザンドラ・フュラー)が、雪山に佇む自宅の山荘で、若い女性記者の取材を受けているシーンから始まる。
そんなインタビュー中に爆音でへんてこリズムの曲を流すサンドラの夫。
集中できなくなったサンドラは取材を打ち切る。サンドラには11歳になる視覚障害者の息子ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)という息子と大きな愛犬もいるのですが、犬の散歩から帰ってきたダニエルは、家の前で頭から血を流し倒れて死んでいる父親を発見して叫び声を上げる。
当初は、誰も知らないような雪の山荘での事故死だと思われたのですが、死因や現場の状況から不審な点が多く、証拠が不十分な状態でサンドラに殺人の疑いがかかり、やがて裁判に発展する。

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この映画では警察の捜査等は殆ど描かれない代わりに、サンドラは検察側の弁護士から裁判で徹底的に犯人扱いにされる。
ところがですね、中盤以降は法廷劇になるこの映画では、事件の真相、つまり犯人は誰か?というお話にはならない。
裁判で浮かび上がってくるのは、息子がまだ知らなかった、“大人の事情”としてのパパとママの本当の姿やったんですね。
で、そういうのは薄々感じている息子が、深く傷ついていたというお話の部分は面白いんです。子供は親の姿って敏感に感じ取っていますから。
サンドラは旧知のイケメン弁護士ヴァンサン(スワン・アルロー)と共に裁判を闘う。

劇中での裁判の大きなカギを握る、サンドラと夫の夫婦喧嘩は、どこの家庭にもある類のもの。
我が家の夫婦喧嘩やったら激しすぎて裁判にならない(汗)というほど、サンドラの夫婦喧嘩の中身はまだやさしい類に思えるのですが、サンドラの浮気であったり、息子の視覚障害の原因になった事故の責任であったり、夫は薬に頼るほど心にダメージを受けていた事が判明する。
おもろいのは、この映画のサンドラは男っぽいサッパリした性格で、「俺は話し合いたいんだ」という夫の言葉をすべて女々しい愚痴だと片づけている。
ところが、この映画の女性監督の語り口の方は、どちらかと言えばぐずぐずして女々しいから退屈する(汗)…
152分は長すぎると思いましたが…

数か国語を操り、見事にサンドラを演じたザンドラ・フュラーは素晴らしかった。
この人が演じたサンドラが“揺るぎない”人だったから、見ている私が法廷劇に惑わされる事はなかった。
あと、息子を演じたミロ・マシャド・グラネールは、視覚障害者という設定が活かされていなくて残念な部分もありましたが、盲目的に親を愛する心がビシバシ感じられて感動させられた。

[2024年、2月25日、『落下の解剖学』、MOVIXあまがさき・スクリーン④にて鑑賞]
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2024年2月24日、土曜日、TOHOシネマズ梅田の様子です。
本日も私は朝から映画のハシゴでした。
この記事では、私がこの日2本目に観た映画『コヴェナント』を紹介します。
私は朝から大阪ステーションシティシネマで映画を観て、TOHO梅田へ移動。
今日見た映画はどちらもほぼ満席でした。

『コヴェナント 約束の救出』
解説:「スナッチ」「シャーロック・ホームズ」シリーズのガイ・リッチー監督が、アフガニスタン問題とアフガン人通訳についてのドキュメンタリーに着想を得て撮りあげた社会派ドラマ。

2018年、アフガニスタン。タリバンの武器や爆弾の隠し場所を探す部隊を率いる米軍曹長ジョン・キンリーは、優秀なアフガン人通訳アーメッドを雇う。キンリーの部隊はタリバンの爆発物製造工場を突き止めるが、大量の兵を送り込まれキンリーとアーメッド以外は全滅してしまう。キンリーも瀕死の重傷を負ったもののアーメッドに救出され、アメリカで待つ家族のもとへ無事帰還を果たす。しかし自分を助けたためにアーメッドがタリバンに狙われていることを知ったキンリーは、彼を救うため再びアフガニスタンへ向かう。

主人公キンリーをジェイク・ギレンホール、通訳アーメッドを「エクソダス 神と王」のダール・サリムが演じ、ドラマ「ザ・ボーイズ」のアントニー・スター、「トレインスポッティング」のジョニー・リー・ミラー、「リトル・ジョー」のエミリー・ビーチャムが共演。
2023年製作/123分/G/イギリス・スペイン合作
原題:Guy Ritchie's the Covenant
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2024年2月23日

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2001年のアメリカ同時多発テロ事件の報復の為、米軍はアフガニスタン侵攻として数千人の兵士を派遣した。
その数は数万人単位で膨れ上がっていく。
タリバンの武器庫撲滅を目論む米軍曹長キンリー(ジェイク・ギレンホール)は、少し反抗的だがキレ者だという現地人アーメッド(ダール・サリム)を雇う。
家族を養う為、お金で割り切って地元民から米軍に協力しているアーメッドに対し、どこか上から目線なキンリーでしたが、アーメッドの鋭い洞察力で味方の危機を回避したばかりか、戦闘を重ねているうちにキンリーとアーメット以外の部隊は全滅させられてしまう。
この映画の展開は、邦題のサブタイトルにも表れていますが、道路を使えないアーメットは、押し車に瀕死のキンリーを載せて、なんと100キロ先にある米軍の基地まで山道を進む。そこまでの描写に全体の三分の二を費やしています。



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奇跡的に生還したキンリーですが、キンリーを命懸けで救ったアーメットにはタリバンから首に懸賞金を賭けられ、アーメットは妻と生まれたばかりの子供を連れて逃亡する日々を送っていた。
アフガニスタンにアーメットを残してきたキンリーは妻に言う、「自分は生き延びる事ができたが、一日も気が休まった事はない」と。
キンリーはアーメットのビザを申請するが、お役所仕事で待たされてイラつく日々に耐えかねて、遂にアーメットを自ら救いに再びアフガニスタンへ飛ぶ…というお話。

このお話は救った方も救い返した方も男気溢れるエピソードで、見ていてむちゃくちゃ燃えました。
やはり友情とか絆の強さだとか、お金で買えないものの為に命を賭けるというお話は熱い。

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この映画、私は熱いと書きましたが、監督がイギリスのガイ・リッチーなので、タッチはめちゃくちゃクール!
それはイギリスのバンドなのにアメリカを名乗ったバンドの名曲、この映画の冒頭に流れた『名前のない馬』に象徴されていた。
ジェイク・ギレンホールのファンは必見の戦争アクション映画。

[2024年2月24日、『コヴェナント 約束の救出』、TOHOシネマズ梅田・スクリーン④にて鑑賞]

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2024年2月23日、金曜日(祝)、MOVIXあまがさきの様子です。
3連休の初日、シネコンは会場前から大盛況。
本日の私はこちらの同じ11番スクリーンで映画のハシゴでした。昔で言う2本立ての気分ですね。
この記事では、私がこの日2本目に観た『マッチング』を紹介します。
朝見た映画にも多くのお客さんが詰めかけておられましたが、『マッチング』の方がお客さん多かった。
小さな子供さんと二人で見に来たママさんが前方にいたのですが、子供さんにはトラウマになったでしょうね(汗)…


『マッチング』
解説:「ミッドナイトスワン」の内田英治が原作・脚本・監督を務め、マッチングアプリによる出会いから始まる恐怖をオリジナルストーリーで描いたサスペンススリラー。

ウェディングプランナーとして働く輪花は恋愛に奥手で、親友で同僚の尚美に勧められてマッチングアプリに登録することに。マッチングした相手・吐夢と会ってみたものの、現れたのはプロフィールとは別人のように暗い男だった。それ以来、吐夢は輪花のストーカーと化し、恐怖を感じた輪花は取引先であるマッチングアプリ運営会社のプログラマー・影山に助けを求める。同じ頃、“アプリ婚”した夫婦を狙った連続殺人事件が起こる。輪花を取り巻く人々の本当の顔が次々と明らかになっていく中、輪花の身にも事件の魔の手が迫る。

主人公・輪花を土屋太鳳、狂気のストーカー・吐夢をアイドルグループ「Snow Man」の佐久間大介、輪花を助けるプログラマー・影山を金子ノブアキが演じる。
2024年製作/110分/G/日本
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2024年2月23日

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今のキレイどころの女優さんたちは売れてる時に結婚して、出産すると急ぐように映画の現場に戻ってくる。
そういうのはそいつの勝手ですが、私は旬を大切にするプロらしからぬ行為だと、その女優さんに対して興味を失う。
この映画の主役土屋太鳳さんもそう。映画に出るなら家で子供の面倒見てあげたほうがと、余計な心配が先に立つ。
私はこの映画、『ミッドナイトスワン』や先日観た『サイレントラブ』の内田英治監督作だからチョイス。

ウェディングプランナーの輪花(土屋太鳳)は恋愛が小さな頃から苦手なタイプで、父親(杉本哲太)と晩酌を楽しむような仕事人間。
ある日、酔った勢いで流行りのマッチングアプリに登録してしまう。
さっそく吐夢(佐久間大介)という男とマッチングした輪花は吐夢と水族館で会うのですが、現れた吐夢は冴えない長靴姿の暗い男だった。幻滅した輪花は吐夢を相手にしなくなるのですが、吐夢は輪花のストーカーと化してしまう。
時を同じくして巷では、マッチングアプリで結ばれたカップルが連続して惨殺されるという事件が勃発。
そんな被害者の中には、輪花の恩師の姿もあり、なんと輪花はマスコミに追われるようになる。
やがて、一本の不審な女性からの電話以来、様子がおかしくなってしまった輪花の父親は自殺してしまい、傷心の輪花はマッチングアプリ会社のプログラマー、影山(金子ノブアキ)に心を許すようになっていく……

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この映画は昭和テイストな本格派のスリラー映画です。
登場人物が少ないから無茶苦茶先の展開が読めるのですが、むしろソコを逆手にとって二転三転、ウルトラC級の捻りが加わっていきます。輪花の周りで起きている事件と彼女の父の秘密等がすべてつながっていく。
私はマッチングアプリに関する注意喚起みたいな映画かと思って見てみたら、おもいっきりサイコ・サスペンス・スリラーで。
後味の悪さと恐ろしさは最強レベルです。
(真飛聖さんと片岡礼子さんは相変わらず素晴らしいのですが、斉藤由貴さんがあのままで怖い)

この映画の原作・脚本も手掛けた内田監督の語り口は、好き嫌いで賛否が分かれるかもしれませんが、自分が撒いた伏線をすべて繋げて回収するという、昭和の2時間ドラマのノリは私的には好感の持てるもので、面白かったですよ。
「いつまでもカワイ子ちゃんじゃいられないわよ」と言いたげな土屋太鳳さんの芝居も吹っ切れていて良かった。

[2024年2月23日、『マッチング』、MOVIXあまがさき・スクリーン⑪にて鑑賞]

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これからの人生で縁があるのかないのか分からない見逃し映画チラシを紹介させていただきます。基本的に私が見逃した映画のチラシ紹介なので、作品の内容案内にはなっておりません。



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 『欲望の航路』

解説:ロカルノ映画祭で主演女優賞を受賞した、欲望のままに生きる女性を描いた官能ドラマ。自由奔放なアリスは、女性では珍しい船の機関士。急遽乗船することになった船の乗組員は男ばかりで、しかも船長は訓練生の時に関係を持ったガエルだった。【スタッフ&キャスト】監督・脚本:ルーシー・ボレト 脚本:クララ・ブリュー/マチルド・ボアスルー 製作総指揮:イザベル・ティル 出演:アリアーヌ・ラベド/メルヴィル・プポー/アンデルシュ・ダニエルセン・リー/ジャン=ルイ・クロック



この作品はソフトオンリーで劇場公開されていないようです。
チラシではなくソフトパッケージなのですが、強烈なデザインですよね。
この映画は、私が先日観たヨルゴス・ランティモス監督の映画『ロブスター』にメイド役で出ていたアリアーヌ・ラベドさんを調べていたら出てきた。
男っていろんなところに首を突っ込むんですが(汗)、上記のような状況の時が一番アニマル化して興奮していると思います。
こういったオーラルなやつは相手にしてもらわないと、自分ではできませんからね(爆汗)……

で、そのアリアーヌさんが紅一点の船の機関士ってアナタ(汗)…
今はラブドールといいますが、昔のダッチワイフ状態になりますよ。海の上で野郎どもに囲まれると。

想像力だけでご飯おかわりできそうな宣材でした。

解説:この世は地獄か?
ウィリアム・ピーター・ブラッティ(『エクソシスト』)が世界の善悪を問う伝説的傑作。
『エクソシスト』の原作・脚本家で映画第3作『エクソシスト3』でメガホンも取ったウィリアム・ピーター・ブラッティの初監督作。原作・製作・脚本・監督を務め、ゴールデン・グローブ賞脚本賞などを受賞するなど高い評価を得た。日本では未公開ながらジャンル分け不可能な異色の人間ドラマとして多くのファンを生んだ傑作。
監督: ウィリアム・ピーター・ブラッティ
撮影: ジェリー・フィッシャー
編集 T・バトル・デイビス、ロベルト・シルヴィ、ピーター・リー・トンプソン
音楽: バリー・デ・ヴォーゾン
出演: ステイシー・キーチ、スコット・ウィルソン、ジェイソン・ミラー、エド・フランダース、ネヴィル・ブランド、ジョージ・ディジェンゾ、モーゼス・ガン、ロバート・ロッジア
製作年: 1980
製作国: アメリカ
上映時間: 118分
画面サイズ: ビスタ
受賞歴: 1981年 ゴールデン・グローブ賞脚本賞受賞/作品賞ノミネート1981年 サターンインターナショナル映画賞脚本賞受賞/最優秀ファンタジー作品ノミネート1980年 Mystfest 男優賞受賞(スコット・ウィルソン)/作品賞ノミネート

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この伝説的な日本劇場未公開映画、私は当ブログで1週間前に「未見だ」と紹介したばかりなのですが、運よくYouTubeで見れたので鑑賞。
これぞカルト映画というか…
恐ろしく退屈なのですが、無茶苦茶クセになる魅力に溢れてました。私、続けて3回見ましたから(汗)…
霧に包まれた古城が舞台の映画です。

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ベトナム戦争末期、森の中の古城に戦場などで精神に異常が認められた者たちが集められています。
あの映画『カッコーの巣の上で』に登場した精神病院みたいなところ。
そこへ軍服姿の精神科医ケーン(ステイシー・キーチ)が赴任してくる。
さっそく患者たちは入れ代わり立ち代わり挨拶代わりにケーンに絡んでくるのですが、特に粘着質でまとわりついてくるのが、元宇宙飛行士で海兵隊大尉のカットショー(スコット・ウィルソン)だった。
カットショーは月へのロケット打ち上げ寸前に発狂して搭乗拒否し、城の施設に送られてきた。
やたらとケーンを挑発するカットショーですが、ケーンに「なぜ月に行きたくなかったのか?」と聞かれても、ふざけて真面目に答えない。

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くせ者揃いの患者たちの話にじっと耳を傾けるケーンを描く中盤までは、どこかネジが緩んだ男たちのうだ話を聞かされるだけなので、すんごく退屈なのですが、強面の看守クローバー(ネビル・ブランド)を筆頭に、患者たちを演じているのが、ジェィソン・ミラーにジョー・スピネルにロバート・ロッジアという豪華な面々なので、見ていて飽きない。
で、ケーンの任務とは、そんな患者たちが本当に狂っているのかどうかを見極めるため。
あの映画『カッコーの巣の上で』のジャック・ニコルソンのように、精神異常のふりをしている輩もいますからね。
ところがケーンは患者たちと接するうちに悪夢に悩まされるようになる。
ケーンは「キラー・ケーン」と渾名されてるんですが、「見境なく人を殺すのはベトナムへ行った兄だ」と軍医フェル(エド・フランダース)に打ち明けるのですが…

ショック療法の一環で、患者たちに演劇をやらせようと準備を始めた頃、「神を信じられなくなった」と言い出したカットショーは、ケーンと共に教会へ礼拝に行く。
「先にあんたが死んで天国へ行ったら、俺に知らせてくれないか」と、ケーンに頼むカットショー。

ハイっ、ここからおもいっきりネタバレします。観覧注意で!

実はケーン自身は本当に「キラーカーン」そのものだった。
本当の施設長が兄で、ケーン自身はベトナムで子供を含む大勢を殺した罪の意識から逃れる為に自分を精神科医だと思い込ませて人格を抑え込んでいた。
そんなケーンの告白にショックを受けたカットショーは施設を飛び出し、町の酒場で暴走族にボコボコにされていたが、そこでキラーカーンの正体を現したケーンに救い出される。
施設に帰ったカットショーは、ケーンに宇宙へ行かなかった理由を語るが、それを聞いたケーンはその場で自死していた。

少しスピリチュアルで救いのある?オチ(カットショーの素晴らしい笑顔)で終わる映画なのですが、すんごく深い映画な気がする(超爆)……


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よく悪役で出ていたステイシー・キーチも印象的でしたが、いろんな映画に出ているカットショーを演じたスコット・ウィルソンが良いですね。この人は私が棺桶に入れてほしい映画『夜の大捜査線』の中で、最初にシドニー・ポアチエ演じる黒人刑事に心を開いた若者役から大好きで。

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我々日本人は世界中の人々からよく褒められたりしますが、私も含めてこれだけ無宗教な人種も稀。
自分に都合の良い何かを信じて祈ったりしてるとは思いますが、「神様」とか崇めて頼ったりしていない。
そこがいろんな神様を崇めている外国の人たちと宗教観が違うところなのですが…「死後」の解釈も含めて。
少し難解にも思えるこの作品が、超カルト映画になるの、凄く分かる気がしました。
わざわざ映画にしなくても、演劇で十分やんという内容なのに、爪痕はしっかりと残されてしまいます。

凄く説明に困る映画なのです(汗)…間違ってもオススメはしません。

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2024年2月19日、月曜日、シネ・リーブル梅田の様子です。
大阪は雨やったんですが、仕事帰りのちょうどいい時間に映画『ロブスター』の再上映があったので観てきました。
レインポンチョ着て自転車で(汗)…
今回の再上映は千円均一という嬉しい設定でしたが、時間の遅い昨日に鑑賞しなくて良かったと、見終えて心底そう思いましたね(汗)…




『ロブスター』
解説:アカデミー外国語映画賞ノミネート作「籠の中の乙女」で注目を集めたギリシャのヨルゴス・ランティモス監督が、コリン・ファレル、レイチェル・ワイズら豪華キャストを迎えて手がけた、自身初の英語作品。2015年・第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。独身者は身柄を確保されてホテルに送り込まれ、そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、動物に変えられて森に放たれるという近未来。独り身のデビッドもホテルへと送られるが、そこで狂気の日常を目の当たりにし、ほどなくして独り者たちが隠れ住む森へと逃げ出す。デビッドはそこで恋に落ちるが、それは独り者たちのルールに違反する行為だった。
2015年製作/118分/R15+/アイルランド・イギリス・ギリシャ・フランス・オランダ・アメリカ合作
原題:The Lobster
配給:ファインフィルムズ
劇場公開日:2016年3月5日


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今公開中の新作『哀れなるものたち』が話題のギリシャの映画監督ヨルゴス・ランティモス。
それにリンクして、『ロブスター』と『聖なる鹿殺し』が再公開され、私は見逃していた『ロブスター』を今回運良くスクリーンで見る事ができました。
この映画、私は最初、いつの時代を描いた作品なのかサッパリわからなかったのですが、いろんな紹介文を見るとこの映画の定義は“近未来SF”になってる・・・私的にはまずソコから疑問を抱く(汗)…

結婚歴があるが独身の中年男デヴィッド(コリン・ファレル)が、へんてこりんな「婚活パーティー」みたいな催しに強制参加させられる。主催者(オリビア・コールマン)が盛り上げる超豪華なホテルでのパーティーと、彼らが独身者を獲物として狙う狩りに明け暮れる毎日で、なんと45日以内にパートナーを見つけなければ、人間以外の動物に姿を変えられるという。
デヴィッドは他の動物なら「ロブスターになりたい」と。
このホテルでのルールは変なものばかりで、デヴィッドはある女性とペアになっても、軽い嘘をついたというだけで相手から殺されそうになるから、自分がその相手の女性を始末してしまう羽目に。
モテない滑舌の悪い男(ジョン・C・ライリー)や、相手を見つけ家族を得た足の悪い男(ベン・ウィショー)らとデヴィッドは行動を共にしていたのですが、ある日のトラブルが原因で、独り者たちが隠れ住む森へ逃げ込む。


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森ではリーダー(レア・セドゥ)を筆頭にクセのある独身者がコミューンを形成しているのですが、ソコでも細かいへんてこりんなルールがてんこ盛りで。
しかしデヴィッドは、その森で出会った近視の女(レイチェル・ワイズ)とベストマッチ(笑)…
しかし、理想の相手と恋に落ちるという行為は、森では禁じられていた…というお話。

コレ、毎回ひと癖ある語り口で見るものを惑わせ圧倒するヨルゴス・ランティモス監督作の中でも、一番の珍品ちゃいます?
超豪華キャストでマイルールのみで描き切ったこの映画、私は何を伝えたいのか?深いのか浅いのか?サッパリちんぷんかんぷんで(爆汗)…まさか結婚観を描いた作品ではないでしょうに…
感情を押し殺されたようなデヴィッドを演じたコリン・ファレルのキャラ作りも野暮ったいだけやったし(汗)…
ところが、この映画は上記宣材にあるように、カンヌでは賞に輝いている。この作品のどこが審査員たちの心を揺さぶったのかと。

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こういうへんてこりんなエロシーンのある中盤までは、まだ面白かったんやけどね。
このシーンは「入れてない」のですよ(笑)デヴィッドの生殖機能を確認する“朝の素股”(超爆)…
婚活が大変だというのもよくわかる。
正直、書くのにこんなに困った映画も稀。
何を伝えたかったのか?
ラストのデヴィッドの蛮行も、意味があるのかな?

人間が動物に変えられるシーンはありませんが、動物がひどい目に遭うシーンは多々あり。
凄く単純な事を独自の世界観で包みすぎてる気がしましたよ。私はサッパリわかりませんでした。
分かった人がいたら教えてほしいくらい。
SFで割り切って、昭和の映画『ローラーボール』のノリで楽しむのが正解なのかもです。

[2024年2月19日、『ロブスター』、シネ・リーブル梅田①にて鑑賞]

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2024年2月18日、日曜日、シネマート心斎橋の様子です。
今日の私の予定としては、珍しく映画の予定を入れてないから、朝から弟と朝食を買いに行ったくらいで。
ところが私の周りで韓国映画『梟フクロウ』の評判がいいのが気になり始めまして、急遽、観ることに。
お昼前のシネマート心斎橋、映画『梟フクロウ』はお客さん30人ほど。
時代劇だからと敬遠していた『梟フクロウ』、面白かったです。

『梟―フクロウー』
解説:17世紀・朝鮮王朝時代の記録物「仁祖実録」に記された“怪奇の死”にまつわる謎を題材に、盲目の目撃者が謎めいた死の真相を暴くため奔走する姿を予測不可能な展開で緊張感たっぷりに描き、韓国で大ヒットを記録したサスペンススリラー。

盲目の天才鍼医ギョンスは病の弟を救うため、誰にも言えない秘密を抱えながら宮廷で働いている。ある夜、ギョンスは王の子の死を“目撃”してしまったことで、おぞましい真実に直面する事態に。追われる身となった彼は、朝日が昇るまでという限られた時間のなか、謎を暴くため闇を駆けるが……。

「毒戦 BELIEVER」のリュ・ジュンヨルが主人公ギョンスを演じ、「コンフィデンシャル」シリーズのユ・ヘジンが共演。2023年・第59回大鐘賞映画祭で新人監督賞・脚本賞・編集賞、第44回青龍映画賞で新人監督賞・撮影照明賞・編集賞を受賞するなど、同年の韓国国内映画賞で最多受賞を記録した。
2022年製作/118分/G/韓国
原題:The Night Owl
配給:ショウゲート
劇場公開日:2024年2月9日

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私は興味ないからまったく時代背景とか分からないのですが、17世紀の朝鮮王朝時代のお話だそうです。
盲目ながら天才的な鍼の腕前を持つギョンス(リュ・ジュンヨル)がその力量を認められ、宮廷に迎えられるところからお話は始まりますが、作り手が大真面目な人たちなのか、この映画のキモとなる「事件」が起きるまでの描写にすごく時間をかけています。
たった一人の肉親である、幼い弟を残して宮廷に勤め始めたギョンスは、盲目でありながら鋭い感性を押し殺すかのように懸命に生き、官に従える。
しかし、本来なら跡継ぎになる王の継承者が帰還してくると、宮廷内にきな臭い空気が漂い始め、ギョンス立ち合いの施術中に、なんと次期王である息子が亡くなってしまう。
その事件の真実を、一番近くで“目撃”していたギョンスは、死んだ王の家族に真実を告げるのですが、立証が難しく、誠実なギョンスを庇う遺族は逆に投獄されてしまうんですね。
そう、実はギョンスの目は特殊な体質で、暗闇の中でだけわずかに見えるんです。
弟の為に静かに生きようとするギョンスは、そのことを周囲に隠している。


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実は我が息子に王位をまだまだ継がせたくない現職の王が黒幕(つまり息子を殺した)なのですが、弟の為を思う自分を庇ってくれた遺族の為に、あくまでも盲目のギョンスが静かに真相究明の為に暗躍するという展開がスリリングでした。
いかにも悪い政治力が蔓延り、押し切ってしまうクライマックスは胸糞悪いですが、なんとか生き延びたギョンスによる「因果応報」というオチにはスッキリする。

ただこの映画、韓国映画にしてはテンポゆっくりで躍動感に欠けるのと、ギョンスの設定上、画面がとにかく暗すぎる。
コレ、私の当初の計画通りに新世界・国際劇場あたりで見ていたら、何が起こっているのかさっぱりわからんかったと思うから、今回シネマート心斎橋で見て正解でしたね。
私的には粗が凄く目立って見えた作品やったのですが、とても優しいギョンスのキャラに救われた一品でした。

[2024年、2月18日、『梟フクロウ』、シネマート心斎橋②にて鑑賞]

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2024年2月17日、土曜日、大阪ステーションシティシネマの様子です。
朝から上映時間3時間の『ボーはおそれている』を観てきました。
お客さんは男女比率半々で場内も半分入りでした。チューリップが少し開いてきましたね。
今日は珍しい、お昼に映画を見終えて梅田を歩いていたら、いつもより人出が少なくて、「551」にも並んでいなかったので焼売を買って帰った。

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前売り特典のポストカードです。

『ボーはおそれている』
解説:「ミッドサマー」「ヘレディタリー 継承」の鬼才アリ・アスター監督と「ジョーカー」「ナポレオン」の名優ホアキン・フェニックスがタッグを組み、怪死した母のもとへ帰省しようとした男が奇想天外な旅に巻き込まれていく姿を描いたスリラー。

日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう“いつもの日常”ではなかった。その後も奇妙で予想外な出来事が次々と起こり、現実なのか妄想なのかも分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な旅へと変貌していく。

共演は「プロデューサーズ」のネイサン・レイン、「ブリッジ・オブ・スパイ」のエイミー・ライアン、「コロンバス」のパーカー・ポージー、「ドライビング・MISS・デイジー」のパティ・ルポーン。
2023年製作/179分/R15+/アメリカ
原題:Beau Is Afraid
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2024年2月16日


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時代の流れが急だと、人々が感じる「恐怖」の質が変わるようで、今はなんでも解明&論破が主流なので、普通におかしな人間だとか説明のつかない「むちゃぶり」が恐怖の根源になってきている。
そういう説明不足のむちゃぶりで高評価されている現代スリラー映像作家の第一人者、アリ・アスター監督。
映画ファンが彼を手放しで褒めるものだから、調子に乗って3作目の本作ではいきなり説明なしで狂っているのが当たり前の世界観で来ることは予想できたので、私もアタマからそのマッドワールドを楽しもうかと思って対峙してみたら、冒頭から案の定の狂いっぷりで(爆汗)…

セラピストへの訪問を欠かせられないほどの気弱な男ボー(ホアキン・フェニックス)は、夜中にいわれのない苦情で眠れなくなり、母親への訪問時間に寝坊してうろたえている。
すると、母の携帯に出た相手から、「電話のそばでシャンデリアの直撃を食らい頭を粉砕されている死体があるが、君の母親か?」と返されてしまい、ボーはさらに動揺する。
早く母親のもとへ駆け付けたいボーですが、路上にいる殺人鬼に襲われたついでに車に撥ねられ、気が付けば見知らぬ女の子の部屋らしき場所で目覚め、自分を轢いた夫婦の世話になっていた。
丸二日間、意識を亡くしていたボーは、実家から「早く葬儀を済ませたいので帰省せよ」とせっつかされますが、ことごとく彼の望み通りに事が運ばない…というお話。


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この作品はザックリ言うと、大きく4つほどのパートに分かれているから、思ったよりも長尺のだるさは感じない。
しかし、アリ・アスター監督のいつものクセなのか、後半に行くほどグダグダになって雑になるから、クライマックスに向かうほどつまらない。
この映画を褒めている人に共通しているのは、アリ・アスター監督の作品は重いスリラーコメディだと(爆汗)…
私が観ている間、クスリとも笑った人は誰もいなかった。
かといって、3時間の間、誰一人トイレに立つ者もいなかったということは、アリ・アスター監督の世界観が観る人を引き付けていることには唸りました。ただ者ではありませんね。

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私が普段魅力を感じない、ホアキン・フェニックスがこの映画では良かったです。
私的には、今回の3時間でアリ・アスター監督のメッキが少し剥がれたのでは?と。おかしな世界観で暴走しすぎて、恐怖の演出がかなり乱暴でしたから。
まあ、私がそう書けば書くほど、世の映画ファンは絶賛してると思いますが(爆汗)…
私から見ればアリ・アスター監督の“コメディセンス”は幼稚すぎる。唯一、私がこの映画で「おっそろしいな~」とビビったのが、ボーが乗るエレベーターの扉の動きでした(笑)……


[2024年2月17日、『ボーはおそれている』、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン⑫にて鑑賞]

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