ナニワのスクリーンで映画を観るということ。

大阪の映画好きゾンビまんです。 映画館のスクリーンで映画を観るということ。

これからの人生で縁があるのかないのか分からない見逃し映画チラシを紹介させていただきます。基本的に私が見逃した映画のチラシ紹介なので、作品の内容案内にはなっておりません。

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『バスケットケース』
解説:奇形人間が自分を殺そうとした医者に復讐するという恐怖映画。製作はエドガー・イエヴィンズ、エグゼクティヴ・プロデューサーはアー二ー・ブルックとトム・ケイ。監督・脚本・編集はフランク・ヘネンロッター。撮影はブルース・トーベット、音楽はガス・ルッソが担当。出演はケヴィン・ヴァン・ヘンテンリック、テリー・スーザン・スミスなど。16ミリを35ミリにブローアップして上映。

1982年製作/アメリカ
原題:Basket Case
配給:欧日協会
劇場公開日:1985年2月1日

ストーリー
グレン・フォールズの医師リフランダーが、小さいが恐ろしく奇怪なものに襲われて死亡する。デュアン(ケヴィン・ヴァン・ヘンテンリック)がニューヨークの42番街を歩いている。バスケットケースを大事そうにかかえた彼は、とある安ホテルに泊った。彼がハンバーガーをバスケットに放り込むと、中でむさぼり食う音がする。その間にデュアンはリフランダーのカルテを目にやる。そこには2人の医師の名前が書かれてあった。翌日、デュアンはニードルマン(ロイド・ペース)の治療を受けに行き、受付のシャロン(テリー・スーザン・スミス)と仲良くなリデートの約束をする。夜、デュアンはバスケットケースを持ってニードルマンのオフィスに行く。怪物がニードルマンを惨殺し、バスケットケースにもどる。怪物の正体はデュアンの兄弟ベリアルであつた。2人はシャム双生児として生まれたが、10歳の時よじれた肉塊に過ぎぬベリアルを父はいみ嫌い3人の医師に分離手術を行なわせ、ベリアルはゴミ袋に入れられて捨てられた。それをデュアンが拾い屋根裏部屋にかくまっていた。父はベリアルに殺され、2人は医師3人に復讐しようとしているのだ。デュアンはホテルにベリアルを置いて、シャロンとデートする。彼女にキスしようとした時、テレパシーでそれを感じたベリアルが叫び声をあげる。デュアンの金を盗もうとしたホテルの宿泊客オドノヴァンが惨殺された。ベリアルは最後の1人、クッター医師(ダイアナ・ブラウン)を惨殺。デュアンに嫉妬したべリアルはシャロンを殺し、デュアンに迫る。



上記チラシの裏面の何が素晴らしいって、『ヴィデオドローム』とのカップリングで、懐かしい「梅田東映ホール」で上映されているところ。

普段、そんなに映画を見たりしないのに、特定のジャンル映画(特にマイナーなヤツ)ばかり見たり知っているヤツがたまにいる。
で、ホラー映画が好きなヤツがやたらと私に「見ましたか?」と口にした映画に、『死霊の盆踊り』と『バスケットケース』があったね(爆汗)…

私が旧・ヤフーブログを始めた頃に大阪・十三のナナゲイで観た『バット・バイオロジー』という“人食いマ〇コ”を描いたエロ・スプラッター・ホラー映画を見て、私は笑いが止まらなくなった記憶があるんやけど、その映画の監督だったフランク・ヘネンロッターは一発で好きになった。
今回私が記事にした『バスケットケース』はシリーズ化されるほどのカルト映画なので、こういうのを「午前十時の映画祭」とかで取り上げて欲しい。
テレビで放送できないからこそね。 映画レビューランキング
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「午前十時の映画祭14」の案内チラシをゲットしましたので紹介します。


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私は以前の記事でも書きましたが、自分が大きなスクリーンで観た映画は、やはり大スクリーンで再見したい。
『インディ・ジョーンズ』で言えば、2作目は劇場で観ていないので、スクリーンで観たいですね。
この企画はゴールデンウイークにオードリーの映画やるのすっきゃなぁ(爆汗)…
ヴェンダースの2作は未見なのでこの機会に絶対に見たいです。



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『シャイン』は、今のTOHO梅田の別館が旧『OS劇場CAP』というミニシアターに生まれ変わった時の開場記念番組やったのは憶えてます。
今回の「14」の目玉であるかもしれない『フェーム』、1980年に開場した「梅田スカラ座(現・TOHO梅田2番スクリーン」初のお正月番組で、前売券を買った私の代わりに見に行った弟が感動して帰ってきたのを憶えてます。
私はまだ見ていないので、今回のチャンスに……
『マッドマックス』1&2の上映もめちゃくちゃ嬉しい。
数年前にリバイバル公開されていた『男たちの挽歌』って、とにかく女性に人気がないのですよ。もっと幅広い層に見てもらいたい、最高に燃える映画です。
『カジノ』と『スカーフェイス』もちゃんと見たことがないので、この機会に。





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以前のこの企画で見逃していた『チャイナタウン』もこの機会に。
見ていない人は『ネットワーク』、オススメします。フェイ・ダナウェイの鬼気迫る演技も見もの。
すっかりこの企画の目玉商品になりつつある東宝特撮作品。
今回の『妖星ゴラス』と『海底軍艦』は必ずスクリーンで観たいと思います。
あと私が観ていないのは『ドクトルジバゴ』やけど、長いの嫌いなんで、他に観たい映画があればスルーするかもしれません。

いつものことですが、この企画は毎回同じようなメンバーの選出なので、ワンパターンすぎます。
相変わらずホラー映画やアクション映画やカルト作を下に見てるし。
昨年は一時期、大きなシアターでの上映もあったのですが、また最近は小さなシアターに定着しつつある。
『プライベートライアン』とか『戦場にかける橋』などは、大きなスクリーンで観たいものです。
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2024年3月23日、土曜日、なんばパークスシネマの様子です。
この日の大阪は朝から終日雨でした。
私はこちらのなんばパークスシネマにて朝から映画のハシゴでした。
この記事では私がこの日2本目に観た『ブリックレイヤー』という映画を紹介します。
なぜかこの作品は特に宣伝もされていないのに、御覧のように大きなシアターで上映され、お客さんもそれなりに入っていました。
アーロン・エッカートって、地味ながら人気あるんですよね。

『ブリックレイヤー』
解説:元FBIという経歴を持つ小説家ポール・リンゼイがノア・ボイド名義で発表した小説を、「ダークナイト」「エンド・オブ・ホワイトハウス」のアーロン・エッカート主演で映画化したサスペンスアクション。

ヨーロッパでアメリカの諜報活動への抗議デモが広がる中、ギリシャのテッサロニキで米政府に批判的な女性記者の遺体が発見された。その背景には、反米を訴えるジャーナリストの殺害をCIAの仕業に見せかけることで、アメリカに対する世の反感をより高めようとする意図が存在した。やがて事件の容疑者として、1年半前に死亡したはずのCIA諜報員ヴィクター・ラデックの存在が浮上。捜査が手詰まりとなる中、米政府はかつてラデックの同僚だった元CIAエージェントのスティーヴ・ヴェイルに協力を要請する。レンガ職人として静かに暮らしていたヴェイルはかつての友との因縁に決着をつけるため、捜査に協力することにするが……。

監督は「クリフハンガー」「ダイ・ハード2」などのアクション映画で知られるレニー・ハーリン。

2023年製作/110分/PG12/アメリカ・ブルガリア・ギリシャ合作
原題:The Bricklayer

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冒頭、アメリカ政府に批判的な女性ジャーナリストが、ギリシャのテッサロニキで訪問してきた黒づくめの男ラディック(クリフトン・コリンズ・jr)に極秘情報を見せられたと思ったら、いきなり射殺されてしまう。
陰謀に巻き込まれたと察知したCIAは、容疑者を一年前に死んだはずの諜報員ラディックと断定。
CIAのオマリー(テォム・ブレイク・ネルソン)は、部下のケイト(ニーナ・ドブレフ)に、ラディックと因縁のある元CIAエージェントのヴェイル(アーロン・エッカート)と組んで、ラディックを追うように命令。
当のヴェイルは、道具にこだわるレンガ職人(原題のブリックレイヤー)として、静かな日常を送っていたのだが、再び殺し屋たちの激しい攻撃を受けるようになる。


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この映画の序盤をむちゃくちゃ盛り上げるのは、まるでオマリーから“昇進試験のお使い”のような任務を任されたケイトの存在。
「おじん」にしか見えないヴェイルに対し、やたらとマウントを取ろうと上から目線を崩さないケイトは、激しいスパイアクションの世界に翻弄されまくる。
そんな、どこかとぼけたようなヴェイルと、ツンデレなケイトが信頼関係を築く様子が面白く描かれてます。
この映画はむちゃくちゃシンプルで、レニー・ハーリン監督がアーロン・エッカート主演であの007を撮ったような映画(笑)……ホンマそのまんま。
ヴェイルの周りにはケイト以外にも女性が現れ、その彼女が物語を大きく左右していく。

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アーロン・エッカートって、私と同い年くらいかな?と思っていたら、1968年生まれやから、まだ50代半ば。
この作品でも裸になるシーンがあるのですが、むちゃくちゃ体を鍛えているのが分かった。
この映画はしっかりとした原作があるようなのですが、分かりやすいアクション映画にしたのはさすがレニー・ハーリン監督。
彼は平成の初頭に『ダイ・ハード2』という傑作で注目されたのですが、昭和の影響なのか、ばらまいた伏線などはみんな回収して綺麗に終わりたがる(笑)……そういうところは私のツボでもあるので、今回の『ブリックレイヤー』は、地味な『コール・ジェーン』の後に続けて観たから、余計に面白く感じた。「そうそう、こういうので良いんですよ」って(笑)……
ヴェイルとラディックとの間、過去に友情があったところなど、原作はかなり凝っていると思われた。
[2024年3月23日、『ブリックレイヤー』、なんばパークスシネマ・スクリーン⑩にて鑑賞]
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2024年3月24日、日曜日、大阪ステーションシティシネマの様子です。
大阪は雨模様で、昨日に引き続きセンバツ高校野球大会も中止でしたね。
私は朝から映画鑑賞でしたが、リバイバル公開の映画『ピアノ・レッスン』、女性を中心にお客さん30人ほど。


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初公開時(1994年2月)のチラシです。


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こちらは初公開時の関西版新聞広告です。
『クリフハンガー』もいつか記事にしなくては(汗)…

『ピアノ・レッスン』
解説:ニュージーランド出身の女性監督ジェーン・カンピオンが、1台のピアノを中心に展開する三角関係を官能的に描き、第46回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた恋愛ドラマ。

19世紀半ば。エイダはニュージーランド入植者のスチュアートに嫁ぐため、娘フローラと1台のピアノとともにスコットランドからやって来る。口のきけない彼女にとって自分の感情を表現できるピアノは大切なものだったが、スチュアートは重いピアノを浜辺に置き去りにし、粗野な地主ベインズの土地と交換してしまう。エイダに興味を抱いたベインズは、自分に演奏を教えるならピアノを返すと彼女に提案。仕方なく受け入れるエイダだったが、レッスンを重ねるうちにベインズにひかれていく。

第66回アカデミー賞ではエイダ役のホリー・ハンターが主演女優賞、娘フローラ役のアンナ・パキンが助演女優賞、カンピオンが脚本賞をそれぞれ受賞した。2024年3月、4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開。

1993年製作/121分/R15+/オーストラリア・ニュージーランド・フランス合作
原題:The Piano
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
劇場公開日:2024年3月22日

その他の公開日:1994年2月19日(日本初公開)

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この映画は「R15+」指定になっているので、むちゃくちゃ官能的な映画やと私は30年前から思い込んでいたので、今回劇場のスクリーンにて初めて鑑賞して、あまりに真っすぐな愛の物語やったんで、ちょっと引いたわ(爆汗)…
19世紀半ば。私が想像する日本海の荒波みたいな海辺に、船に乗って娘フローラ(アンナ・パキン)と共にスコットランドからスチュアート(サム・ニール)のもとへ嫁いで来たエイダ(ホリー・ハンター)……
なんと自分の意志で6歳の時から言葉を発しなくなったエイダは、たくさんの荷物と共にピアノまで船に積み込んできた。
「よくこんなに荒れた海を渡ってきたな」と感心していたら、上陸した土地がえらい沼地で険しい。
原住民でもピアノは運べないと、数日は浜にピアノは放置されるのですが、唯一の自己表現方法であるピアノにこだわるエイダ。
スチュアートの家に嫁入りを儀式だけ済ませたエイダは、スチュアートが雇っていた原住民のリーダーであるベインズ(ハーヴェイ・カイテル)の家を訪ね、ピアノのところまで連れていってもらう。

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驚くほど色が白い小柄なエイダに、妻が出て行ったばかりのベインズは興味を持つ。
ベインズはスチュアートに自分の土地の一部を売る見返りとして、引き取ったエイダのピアノでレッスンを頼むんですね。
まるで世界征服したいかのように土地に目がなく家を空けがちのスチュアートはベインズの条件を快諾し、一方でエイダとの夫婦関係はまったく進歩しないまま(爆汗)…
字も読めないベインズをバカにしているエイダは、周辺でフローラを遊ばせながら、ただ聴いているベインズの前で淡々とピアノを弾く日々。
おもろいのはね、19世紀だからなのか、ステュアートもベインズも、エイダに関しては下心しかないのに、表面では初めて上司と食事に行った新入社員のように、遠慮の塊なんですよね。
特に欲しけりゃ服とかビリビリに破いて襲いそうなベインズなんて、「ちょっとスカートめくってみろ」とか、「腕を見せろ」とか、挙句の果てにエイダが脱いだ服の匂いをスーハースーハーと嗅いでる(超爆)……
ピアノの為に根負けしたエイダは、ついに全裸になってベインズとベッドを共にするのですが、なんと愛がないとベインズに幻滅されるまさかの展開に。
ピアノも土地もスチュアートに返すというベインズの姿を見て、自分からベインズを訪ねたエイダは、「俺を愛しているのならそばにいてくれないか」というベインズを心の底から受け入れる。
ピアノそっちのけで愛し合うようになったエイダとベインズの姿は、フローラやステュアートに見られる事となり、ソコに自分への愛がないことを思い知らされたステュアートは感情的になり、暴挙に出てしまう。

口を真一文字に結んで愛想もへちまもない序盤のエイダは、娘よりもピアノを優先させるほどの我儘な女で、まったく可愛げがない。
そんなエイダが本当の愛に目覚めて、ピアノを海の底に葬り去るまでに変わる様がホンマに劇的。
コレ、ベインズが若いイケメンとかじゃなく、賞味期限切れ寸前みたいな男の色気を湛えたちょい悪オッサンのハーヴェイ・カイテルなのが凄く効いてる。この映画がゲスなポルノにならなかった最大のポイントやと思う。
エイダもベインズも、リアルなら近寄りがたく思うほど感情移入が難しい人物なのに、そんな不器用な二人が急速に愛し合うようになる姿がむちゃくちゃリアルなところがこの映画の素晴らしいところ。
とても繊細な語り口が絶妙の伏線になっている。

私はコーエン兄弟初期の作品『赤ちゃん泥棒』という映画でホリー・ハンターを見たとき、「こりゃ凄いのが出てきた」と思ったんですが、この映画の彼女はホンマにあっぱれでした。
本編を見ていたら、とても想像できなかった、最後にエイダが幸せになるという展開もナイスやったね。
ベインズの気持ちも痛いほど分かる、実に女性監督らしい純愛映画だった。
「女はガブっとこられるまでに、ソフトにじわ~っと時間をかけてくるべし」と教えられるような映画やね(爆汗)…

[2024年3月24日、『ピアノ・レッスン』4Kデジタル・リマスター版、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン⑦にて鑑賞]

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2024年3月23日、土曜日、なんばパークスシネマの様子です。
大阪は朝からずっと雨。私はこちらのなんばパークスシネマで映画のハシゴでした。
この記事では私がこの日の朝に観た『コール・ジェーン』を紹介します。
お客さん30人弱でしたが、やはり女性が多かったですね。


『コール・ジェーン 女性たちの秘密の電話』
解説:女性の選択の権利としての人工妊娠中絶を題材に、1960年代後半から70年代初頭にかけてアメリカで推定1万2000人の中絶を手助けしたとされる団体「ジェーン」の実話をもとに描いた社会派ドラマ。

1968年、シカゴ。裕福な主婦ジョイは何不自由ない暮らしを送っていたが、2人目の子どもの妊娠時に心臓の病気が悪化してしまう。唯一の治療法は妊娠をやめることだと担当医に言われたものの、当時の法律で中絶は許されておらず、地元病院の責任者である男性全員から手術を拒否されてしまう。そんな中、ジョイは街で目にした張り紙から、違法だが安全な中絶手術を提供するアンダーグラウンドな団体「ジェーン」にたどり着く。その後ジョイは「ジェーン」の一員となり、中絶が必要な女性たちを救うべく奔走するが……。

主人公ジョイを「ピッチ・パーフェクト」シリーズのエリザベス・バンクス、「ジェーン」のリーダー、バージニアを「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーバーが演じる。「キャロル」の脚本家フィリス・ナジーが監督を務めた。2022年・第72回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。

2022年製作/121分/PG12/アメリカ
原題:Call Jane



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この映画は劇場で観た予告編がおもろそうなんでチョイスしたのですが、男が見る映画ではないですね(爆汗)…
最初に「どうもすみませんでした」と言うときます(汗)…

舞台は私の嫁さんや弟が生まれた1968年のシカゴ。
夫と高校生の娘と暮らすジョイ(エリザベス・バンクス)は、二人目の子供の妊娠により心臓病が悪化してしまう。
男性の医師たちから中絶を拒否されたジョイは(当時は違法だとされていたから)、闇で中絶を請け負う団体「ジェーン」に辿り着く。

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ちょうど1960年代末期から70年代へという時代はサイケやアングラといったムーヴメントが一番活発だった頃で、数々のロックもこの頃に生まれたという、いかにもそういうファッションに彩られた作品ではあるのですが、内容は女性にとっては切実な問題を扱った超真面目な作品。
ジョイは自ら「ジェーン」という団体で中絶をしてもらったんですが、その活動の発起人であるバージニア(シガニー・ウィーバー)と意気投合し、成り行きで団体の一員になったばかりか、見よう見まねで自ら堕胎手術を行うようにまでなるという、見方を変えれば恐ろしい話なのですが……
要は望まない妊娠をした女性たちの「駆け込み寺」みたいな「ジェーン」という団体の正当性みたいなものを淡々と描いた作品で、私から見れば映画的というより教科書的やったんで眠くて眠くて(爆汗)…
(えらく地味やなと思ったこの映画は2022年の作品)
結局は1万2千人ほどの心身共に苦しむ女性を救った団体だとして、裁判になっても認められたというお話。
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私はその荒っぽい方法も含めて中絶には反対で、まあ、男が悪いんでしょうけど、それを防ぐのは女性自身だという思いが強いので、感情移入しにくいお話で参ったです(汗)…
ただひたすら、女性は大変だなと(マジで)……

『コカイン・ベア』という、むちゃくちゃ美味しいネタも少し地味に監督していたエリザベス・バンクスという女優さんは奮闘していましたし、まだまだ若いシガニー・ウィーバーの健闘ぶりは嬉しかったです。

[2024年3月23日、『コール・ジェーン 女性たちの秘密の電話』、なんばパークスシネマ・スクリーン⑪にて鑑賞]

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2024年3月20日、水曜日(祝)、シネ・リーブル梅田の様子です。
今日の大阪は酷い強風で、あちこちでいろんな者が飛ばされて倒れているから、自転車で梅田スカイビルへ向かう私はかなり危険を感じました。
映画『12日の殺人』、盛況で、場内半分以上は埋まっていました。

『12日の殺人』
解説:「悪なき殺人」で話題を集めたフランスのドミニク・モル監督によるサスペンススリラー。ポーリーヌ・ゲナによる2020年のノンフィクション書籍をもとに、モル監督とジル・マルシャンが共同で脚本を手がけ、未解決事件の闇に飲み込まれていく刑事の姿を描き出す。

10月12日の夜、女子大学生クララが焼死体となって発見された。捜査を担当するのは、昇進したばかりの刑事ヨアンとベテラン刑事マルソー。2人はクララの周囲の容疑者となり得る関係者に聞き込みをするが、男たちは全員クララと関係を持っていたことが判明する。殺害は明らかに計画的な犯行であるにも関わらず、容疑者を特定することができない。捜査が行き詰まるなか、ヨアンは事件の闇へと飲み込まれていく。

主人公の刑事ヨアンを「恋する遊園地」のバスティアン・ブイヨン、相棒マルソーを「君と歩く世界」のブーリ・ランネールが演じた。2023年・第48回セザール賞で作品賞・監督賞・助演男優賞・有望若手男優賞・脚色賞・音響賞を受賞。

2022年製作/121分/G/フランス
原題:La nuit du 12
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10月12日の夜から始まるこの映画、本当は泊まるはずだった親友宅を後にした女子大生のクララは、直後に声をかけられた人物に液体を浴びせられ、なんと生きたまま火をつけられ焼殺される。
同じ頃、定年退職する部隊長の送別会で盛り上がる、刑事ヨアン(パスティアン・ブイヨン)たち刑事部屋の連中たちの姿が描写される。私の会社なんてもう20年近く前からそういった社内の親睦会的な事は一切なくなったので、私は感慨深げにヨアンたちの様子を眺めていた。
先輩の定年退職に従って昇進したヨアンは、12日の夜に発見された女子大生の焼死体事件を、ベテランのマルソー刑事(ブーリ・ランネール)と担当することになる。


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この映画は全体の20%に及ぶという、実際の未解決事件をヒントに作られた作品で、ザックリ言えばポン・ジュノ監督の出世作『殺人の追憶』のフランス版といった感じ。
しかしこの映画は、なかなか犯人に近づいていかないばかりか、そういう事態によって刑事たちが巻き込まれる大きなジレンマそのものを描写したような映画なんですよね。
被害者クララはとても美人で活発だが、かなりの肉食女子で、一時の快楽の為に色んな男と関係を持っていた。したがって容疑者は浮かんでは消えるを繰り返す。
事件捜査の結果を求めるだけの人が見ると、“解決”が見えないまま終わる作品なので、逆にフラストレーションが溜まる映画かもしれません。
出世して班長になったばかりのヨアンが、被害者の親に娘さんの死を伝えるのがどうも苦手だとマルソーに語ったり、そのマルソーから、妊活中だった自分の妻が最近できた不倫相手の子供を身籠ったので、離婚するつもりだ……とか(爆汗)…
未解決事件を追ううちに翻弄されて、自分たちの私生活まで浸食されていく様がむちゃくちゃ見ていて面白かったというか、ひたすら刑事たちが気の毒に思えてくる。人間臭さ全開の刑事たちの姿がリアルでした。
そう、この映画は犯人捜しよりも、事件捜査を通じて刑事たちの内面にスポットが当てられた人間ドラマでした。

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ヨアンを演じたパスティアン・ブイヨンがむちゃくちゃ良かった。
ヨアンは趣味で競輪選手が走るバンクで自転車を漕いでいる。
「なぜ公道を走らない」とマルソーにツッコまれた事がラストシーンに活かされてました。
私はリアルに“刑事”を描いた前記の『殺人の追憶』や『フレンチ・コネクション』といった映画は大好きで、その国の警察事情なんかも反映されていて興味深いからなのですが、そういう角度から見るとこの映画は優れている。
ただ、エンタメとして見るにはあまりに静かで暗いので、アテが外れた方は眠気との闘いになるかもしれません。

[2024年3月20日、『12日の殺人』、シネ・リーブル梅田3にて鑑賞]

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これからの人生で縁があるのかないのか分からない見逃し映画チラシを紹介させていただきます。基本的に私が見逃した映画のチラシ紹介なので、作品の内容案内にはなっておりません。
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『愛情物語』
解説:1930年から20年間にわたり甘美な演奏で全米を風靡した音楽家エディ・デューチンを主人公とした映画で、デューチンと親交のあったレオ・カッチャーがオリジナル・ストオリイを執筆し、サム・テイラーが脚色し、「ショーボート」「悲恋の王女エリザベス」のジョージ・シドニーが監督、「野郎どもと女たち」のハリー・ストラドリングが撮影、音楽は「ピクニック」のモリス・ストロフが担当している。なお、この映画の中のピアノ演奏は名手カルメン・キャヴァレロが吹き込んでいる。主演は「長い灰色の線」のタイロン・パワー、「ピクニック」のキム・ノヴァク、新人ヴィクトリア・ショウなど。

1955年製作/アメリカ
原題:Eddy Duchin Story


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先日の日曜日やったかな?
いつものように私は朝から映画を見に行き、帰宅してこのブログの記事を書きながらテレビを点けてた。
眺めていると、みなさんお馴染みの徳光和夫さんが、ご自分のオールタイムベストだという映画を2本紹介されていた。
1本はフランス映画の名作『禁じられた遊び』で、もう一本は私がタイトルしか知らない『愛情物語』という、私が未見の作品でした。実在した音楽家を描いた作品らしく、音楽が重要かつ素晴らしいと。
私は以前、同じようにテレビ番組の中で俳優の江守徹さんが、『汚れなき悪戯』という映画を涙ながらにネタバレしながら語っていたことを書いたのですが……
江守さんとか徳光さんとか、私の親と同世代の80代の人が選ぶ映画って、戦争が暗い影を落としている作品が多い。
つまり極限状態で生きるか死ぬかの人間の姿を描いた作品内容になっている。
売れないピアニストが令嬢と結ばれるのですが、ピアニストの妻は息子を産んで死んでしまう。
息子を置いて戦争へ行った主人公なのですが、留守の間に息子は家政婦に懐いてしまい、戦争から主人公が帰ってきても主人公に心を開かない……という感じの物語だそうで、戦場で主人公がピアノを弾くシーンが素晴らしいのだと。
それらを遠い目をして語る徳光さんの姿も心に残った。
是非、機会があれば見たい映画です。 映画レビューランキング
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2024年3月17日、日曜日、シネマート心斎橋の様子です。
私はあさイチから気になる韓国映画を、大阪・韓国映画の殿堂、シネマート心斎橋で鑑賞。
お客さんは30人ほど。

『ビニールハウス』
解説:貧困や孤独、介護など現代の韓国が抱える社会問題に根ざした物語が展開するサスペンス。正規の住宅を失った低所得者層が、農業施設であるビニールハウスで暮らす事例などをベースに描く。主演は人気ドラマ「SKYキャッスル 上流階級の妻たち」のキム・ソヒョン。

貧困のためビニールハウスに暮らすムンジョンは、少年院にいる息子と再び新居で暮らすことを夢見ていた。その資金を稼ぐため、盲目の老人テガンと、その妻で重い認知症を患うファオクの訪問介護士として働いている。ある日、ファオクが風呂場で突然暴れ出し、ムンジョンと揉み合う際に床に後頭部を打ちつけ、そのまま亡くなってしまう。ムンジョンは認知症の自身の母親をファオクの身代わりに据えることで、息子と一緒に暮らす未来を守ろうとするが……。

ムンジョン役のソヒョンのほか、ドラマ「キング・ザ・ランド」のベテラン俳優ヤン・ジェソン、ドラマ「ザ・グローリー 輝かしき復讐」のアン・ソヨらが顔をそろえる。監督は本作が長編監督デビューとなるイ・ソルヒ。

2022年製作/100分/G/韓国
原題:Greenhou

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2024年の元旦に能登半島を襲った大地震&津波。
正規の避難所へ行かず、地域の顔的な爺さんが近所の人を集めてビニールハウスで避難生活をしている事が話題になっていました。
(私はその地域の顔役が仕切るそういうところに甘んじて生活するのは耐えられない。人に借りを作らないから、これまで貧しくてもなんとかやってこれたわけやし)
貧困の度合いを表す“半地下はまだマシ”というキャッチコピーに惹かれて鑑賞。

なぜかそんなにバックボーンが描かれないこの映画の主人公、ムンジョン(キム・ソヒョン)は、貧困に喘ぐシングルマザーで、お金を貯める為に訪問介護士をしながらビニールハウスで暮らし、少年院から出所間近の息子と再び暮らす事を夢見ている。
やはり過去に問題があるのか将来が不安なのか、自分の顔をペシペシと殴るという自傷行為に走る癖が抜けないムンジョン。
ムンジョンは、とても優しく誠実なんですが、軽い痴呆が始まりつつある盲目の老人テガン(ヤン・ジェソン)と、その妻で認知症のファオク(シン・ヨンスク)の世話をしているのだが、とにかくファオクからは毎日のように「お前に殺される」とか「死ね」「出ていけ」と唾を吐きかけられるような始末で。それでも仏の顔でファオクに献身的なムンジョンに、テガンは優しく声をかけていた。

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自身のメンタルが抱えた問題に自覚があるムンジョンは、無料のサポート支援サークルに参加し、そこで軽度の精神障害がある若い女性スンナム(アン・ソヨ)と親密になり、共にビニールハウスで暮らすようになってから、徐々にいろんな事のバランスが崩れてしまう。
まず、入浴介護中に暴れて襲ってきたファオクが、浴室に後頭部を打ち付け死ぬ。
普通なら救急車を呼びますわね(爆汗)…ところが最底辺の暮らしに甘んじてきたムンジョンは、なんとファオクの死体をビニールハウスに隠して、病院に預けている自らの痴呆症の母親チュンファ(ウォン・ミウォン)をファオクの身代わりに立ててシレっと元の生活に戻るんです。
この映画はそこからのムンジョンの“オカンの身代わり作戦”がバレそうになるというハラハラドキドキのサスペンスが凄すぎて、ちょっと笑えるレベルなんです。

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この映画、なんとまだ20代だという、イ・ソルヒさんという女性監督の長編デビュー作なんだそうです。
韓国に留まらず、色んな社会に蔓延る問題を映画的にあぶり出していて、お見事!としか言いようがない。
極貧のムンジョンに対して、裕福なテガンたち老夫婦が抱えた問題や、軽い障害者への性被害の方も悲惨。
いかにも幸薄そうなムンジョンを演じたキム・ソヒョンさんも、この作品で自国の主演女優賞を総ナメにしたそうです。
私、実に映画的に見えたムンジョンの一瞬の判断、むちゃくちゃおもろいし、説得力があった。
貧しくて、抑圧されてきた無表情のムンジョンの心の底を表しているようで。
タイトルの「ビニールハウス」に表現されるような貧困描写は控えめやったんですが、あの傑作『太陽がいっぱい』に肉薄するような極上のサスペンスが味わえます。
世の男性陣よ、我がパートナーの手を握っただけで、相手を識別できるようになっておこうぞ(爆汗)…

[2024年、3月17日、『ビニールハウス』、シネマート心斎橋①にて鑑賞]

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2024年3月16日、土曜日、MOVIXあまがさきの様子です。
さすがに人気YouTubeが原作だという映画『変な家』、老若男女を集めてシアターも半分が埋まるまずまずの盛況でした。

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『変な家』
違和感だらけの“変”な間取りの裏に隠された驚きの真実に迫る展開で話題を集めたYouTube動画をもとに、動画制作者・雨穴が自ら物語の続きを加筆して書籍化したベストセラー小説「変な家」を映画化。

オカルト専門の動画クリエイター・雨宮はマネージャーから、購入予定の一軒家の間取りについて不可解な点があると相談される。そこで雨宮は、自身のオカルトネタの提供者であるミステリー愛好家の設計士・栗原に意見を聞いてみることに。間取り図から次々と浮かび上がる奇妙な違和感に、栗原はある恐ろしい仮説を導き出す。そんな中、その家のすぐ近くで死体遺棄事件が発生。事件と家との関連を疑う雨宮が一連の疑惑を動画にして投稿すると、その家に心当たりがあるという人物・宮江柚希から連絡が来る。

間宮祥太朗が雨宮役、佐藤二朗が栗原役で主演を務め、物語の鍵を握るヒロイン・柚希を川栄李奈が演じる。「エイプリルフールズ」の石川淳一監督がメガホンをとり、「七つの会議」の丑尾健太郎が脚本を担当。

2024年製作/110分/G/日本

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私は結婚するまで引っ越し貧乏で転居を繰り返し、子供が生まれて家庭を持っても貧乏は相変わらずなもんで、毎日の新聞の折り込みチラシにある分譲住宅やマンションの広告で家の間取りを見ながら「宝くじがあたったらなあ」なんて夢を膨らませている人間ですから、この映画のチラシを手に取り、間取りに違和感をすぐに感じてからというもの、この映画が楽しみで仕方がなかった。

オカルトサイトの動画配信者である雨宮(間宮祥太朗)は、マネージャーから「最近マンネリですね」なんて嫌味を言われながら、買おうと思っている格安物件があるのだがと、奇妙な家の間取りを見せられる。
気になった雨宮は、ミステリー愛好家の建築士・栗原(佐藤二朗)を訪ね、意見を求める。
「家の間取りには作り手の思惑が反映される」と言う栗原は、雨宮の持ち込んだ間取り図から次々と不審点を挙げていき、ある仮説を立てる。それは、その家が幽閉された子供部屋や隠し通路を擁して、殺人目的で設計されたのではないかと。
そんな矢先、その問題の家のすぐそばで猟奇バラバラ殺人事件が発生し、遺体の一部、左手首だけが見つからない。
雨宮は時を同じくして、その家に心当たりがあるという柚希(川栄李奈)という人物からの連絡を受け、二人は問題の間取りの家に不法侵入を試みる。

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この映画は前半と後半で大きく二つに分けられる。
初期の「本当にあった呪いのビデオ」みたいな音楽が流れる中盤までは、ホラー色が強くむちゃくちゃ面白く怖い。
ところが、話が謎とき要素に入り、柚希の姉や家族に関するある田舎の因習について掘り下げるにつれ、映画は横溝正史ミステリーの出来損ないのような世界にシフトチェンジしていき、石坂浩二さんまで登場するから手に負えないような大脱線に見る側は困惑する(超爆)……
誰か分からんかった根岸季衣さんのチェーンソーにはぶっ飛んだね(爆汗)……
半世紀以上に渡って映画を見てきた私なら中盤以降の脱線は許容範囲だが、若い世代だと昭和テイストへの助け舟(笑)は理解不能やろうね(超爆)……
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でも実際、込み入った変な間取り(特に隠し部屋がある)の家ってワクワクする。
佐藤二朗の凝った役作りも含めて、この映画はワクワク要素がたくさんあった。
それ以上に口あんぐりするような中盤以降の脱線により、猛烈な賛否両論必至なミステリー作品。
私は昭和テイストは大好物なので、むちゃくちゃ楽しめましたが(汗)…

[2024年、3月16日、『変な家』、MOVIXあまがさき・スクリーン⑩にて鑑賞]
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2024年3月15日、金曜日、なんばパークスシネマの様子です。
本日公開初日の映画『DUNE デューン 砂の惑星 part2』、この作品は前作もそうやったんですが、壮大なスケールの映画なのに大スクリーンを擁する大きなシアターでの上映がなく、スケジュール調整も大変なので私は「吹き替え版」にて鑑賞。
でも、劇中の半分以上は“デューン語”なので、半分は字幕スーパー付きでしたわ。
ちなみに場内のお客さん、私を入れても計4人(爆汗)…
しかもカップルの男の方は途中2回もトイレに立って、2回目は30分以上帰ってこなかった。


『DUNE デューン 砂の惑星 part2』
解説: 「メッセージ」「ブレードランナー2049」のドゥニ・ビルヌーブ監督がフランク・ハーバートのSF小説を映画化し、第94回アカデミー賞で6部門に輝いたSFアドベンチャー大作「DUNE デューン 砂の惑星」の続編。
その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポールは、ついに反撃の狼煙を上げる。砂漠の民フレメンのチャニと心を通わせながら、救世主として民を率いていくポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサがデューンの新たな支配者として送り込まれてくる。

ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソンら前作のキャストに加え、「エルヴィス」のオースティン・バトラー、「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」のレア・セドゥが新たに参加。

2024年製作/166分/G/アメリカ
原題:Dune: Part Two



(この記事はまったく作品の内容案内にはなっておりません。この作品を称賛している他のまともな映画ブロガーをあたってくださいな)

rすね2-1

私は前作を見て「なんじゃこりゃ!」とあまりのおもしろなさに驚いた作品やったんですが、監督がドゥニさんなので映画ファンとしてスルーできないというのが今回の続篇。
前作のおさらいもな~んもいらない続篇でしたよ。
前作で「選ばれし救世主」として砂の惑星にやってきた“よそ者”ポール(ティモシー・シャラメ)が、砂漠の民と協力し合い、彼らから予言に登場する未来の救世主としての信頼を得るためのシンプルな物語でした。

らで1
前作は少し難解やったんですが、今回はわけが分からないことはなかった。
原作をお好きな人はその世界観の実現に狂喜するだろうし、主役が人気のイケメン、ティモシー・シャラメなんで褒める人は腐るほどいると思うし、私は総合的に見た場合にこの作品の芸術点は相当高い。
好みの問題なんかなぁ?(爆汗)…コレのどこがおもしろいの?
子供が見てもあくびかますと思うで。
砂漠が海のように描かれているから展開がやたらとスローやし。

悪役のオースティン・バトラー(あの『エルヴィス』の兄ちゃん)は良かったね。
あと、この映画のポールは砂漠民のチャニ(ゼンデイヤ)と愛し合うようになるのですが、チャニはポールと愛し合うことでポールの弱さも目の当たりにしてるから、救世主としてイマイチ信用できないという伏線だけはおもろくて、ソコが引っかかる展開で終わらせるから、また次作も見なアカン(爆汗)…
監督のドゥニさんらしい人間描写が感じられない原作が気になるようになりましたが……
そう、この映画には予備知識云々よりも、原作への愛だとかミーハー気質がノレる要素だと思う。

[2024年3月15日、『DUNE デューン 砂の惑星 part2』、なんばパークスシネマ・スクリーン⑧にて鑑賞]


rらで2
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