ナニワのスクリーンで映画を観るということ。

大阪の映画好きゾンビまんです。 映画館のスクリーンで映画を観るということ。 お気軽にコメントください。

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2021年11月28日、日曜日、梅田ブルク7の様子です。
私が観た映画『ダーク・アンド・ウィケッド』にも、たくさんの人が詰めかけていた。


『ダーク・アンド・ウィケッド』
解説:シッチェス・カタロニア国際映画祭で2部門を受賞したホラー。農業を営む生家を久々に訪れた姉弟が恐ろしい体験をする。メガホンを取るのは『ザ・モンスター』などのブライアン・ベルティノ。『エンプティ・マン』などのマリン・アイルランド、『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』などのマイケル・アボット・Jrのほか、ザンダー・バークレイ、ジュリー・オリヴァー=タッチストーンらが出演している。

あらすじ:農場を営むテキサスの実家から離れ、別々に暮らすルイーズ(マリン・アイルランド)とマイケル(マイケル・アボット・Jr)の姉弟。病身の父親の状態が良くないと聞かされた彼らは、長らく帰っていなかった実家を訪れる。最期を迎えようとする父親を見守っていた母親は、二人の姿を目にするや「来るなと言ったのに」と突き放したような態度を取り、その晩首をつって死ぬ。そのことをきっかけに、姉弟に恐ろしい出来事が次々と降り掛かる。

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真夜中の羊小屋で始まるこの作品、ぶら下げられた空き瓶などの防犯対策をよそに、なにかその空間に邪悪な気配を感じさせる。
そんな農場のあるテキサスの片田舎へ、ルイーズとマイケルという姉弟が帰省してくる。
鼻に管を通され、寝たきりの彼らの父親を心配しての事なのだが、付き添いの看護師に、彼等の母親は言い捨てる、「来るなと言ったのに。来てもしょうがない」って(爆汗)・・・。
案の定、帰省してきた姉弟に母親はすんごく愛想がなく、その姿に驚くルイーズに対し、少し前に帰省していたマイケルは、「もっと早くからそばにいてあげればよかった」と後悔の念を滲ませる。

この作品は月曜日から日曜日までが各チャプターで描かれるのですが、火曜日には台所で人参を切っていた母親が自分の指もついでに切り刻み、その勢いで首吊り自殺を遂げる。
そこから姉弟は、現実とも錯覚かも区別がつかない、恐ろしい出来事の数々に悩まされる・・・というお話。

この映画は,音やいきなり何か出して脅かすという演出がモロに恐怖映画なのですが、「何かあるぞ」とは匂わせておいて、どういう映画なのかという輪郭の掴みにくい作品で、劇中で姉弟に変な警告をする聖教者が登場するように、若干の宗教色が余計に難解な印象を与える。
しかも最悪な事に、「結局は何かの力によって家族全員死に追いやられる」という理由が一切説明されないという(爆汗)・・・。お客さん、エンドタイトルが始まった途端に、“われ先に”と逃げるように帰る(超爆)・・・。

コレ、今年何か別の映画であったパターンやなあと、考えてみたら、痴呆症老人の徘徊をホラーに仕立てた、エミリー・モーティマー主演の英国ホラー『レリック』に似ていて、根底に、“家族は家族、親は最後までちゃんと面倒みろよ”と言ってるようなホラーなんですよ(汗)・・・。普段から親を粗末にしていると、悪魔に魅入られてしまうぞ・・・みたいなね(爆汗)・・・。
ソコの部分は私のようなアラフィフ世代には、身につまされるというか(爆汗)・・・。
作品本来の解釈を私がおもいっきり間違えていたら、すんまへん(爆汗)・・・。

[2021年、11月28日、『ダーク・アンド・ウィケッド』、梅田ブルク7・シアター④にて鑑賞]

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2021年11月27日、土曜日、TOHOシネマズ梅田・別館の様子です。
私は午前中は仕事、午後から映画鑑賞でした。
映画『ディア・エヴァン・ハンセン』、盛況ですね。場内7割入りというところ。
同じTOHO梅田では他に大きなスクリーンでの上映があったのですが、私は仕事帰りに都合がいい別館での上映をチョイス。


『ディア・エヴァン・ハンセン』
解説:トニー賞でミュージカル作品賞を含む6冠を獲得したブロードウェイミュージカルを映画化。どこにも居場所のない孤独な少年の人生が、とっさについたうそをきっかけに一変する。『ワンダー 君は太陽』などのスティーヴン・チョボスキーが監督を担当。主人公を舞台版に続きベン・プラットが演じ、『メッセージ』などのエイミー・アダムス、オスカー女優ジュリアン・ムーア、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』などのケイトリン・デヴァーらが共演する。

あらすじ:家でも学校でも居場所のない高校生エヴァン・ハンセン(ベン・プラット)は、ある日自分宛てに書いた手紙を同級生のコナーに持ち去られる。その後コナーは自殺し、手紙を見つけた彼の両親は、文面から息子とエヴァンが友人だったと勘違いする。彼の家族をこれ以上悲しませたくない一心で、思わずエヴァンはコナーと親友だったとうそをつく。彼らに聞かれるままに語ったありもしないコナーとの思い出は、人々を感動させSNSを通じて世界中に広がっていく。


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私は首から上の機能で言えば、鼻以外はアウトなので、すっかりコミュ障になってしまった。
動物としてのコミュニケーション能力を使おうとしないから退化したわ(爆汗)・・・。
でもね、この映画の主人公である高校生のエヴァンを見ていると、私と違う意味でコミュ障が酷くて、エヴァンがもし私の息子であったりとか身内なら、大いに心配する。と思ってこの作品を観たら、感情移入しやすかったですね。

シングルマザーで看護師の母親(ジュリアン・ムーア)に育てられた一人息子エヴァン・ハンセンは、М・ナイト・シャマランそっくりのクラスメイトと仲が良いのですが(汗)、そいつにも「俺たちは親友じゃないぜ」って、クソ意地悪を言われてるような少年なので、対人関係に臆病になりすぎ、大人で言うところのうつ病(社会不安症)になってしまっている。
そんなエヴァンは心配した母親の勧めでセラピーを受けているのですが、その中の課題で自分宛の手紙を書いたところ、その手紙を出くわした問題児の同級生コナーに持ち去られてしまうんですね。

後日、校長に呼び出されコナーの両親と対面させられたエヴァンは、コナーが自殺した事、コナーのポケットから遺書代わりにエヴァンに宛てた手紙を発見した事をコナーの両親から知らされる。そこでエヴァンはね、その場の雰囲気に流され、コナーの両親を落胆させたくないから、優しい嘘をついて、コナーとの“ありもしない2人の思い出”を語ってしまう。
コナーとのメールも偽装して、問題児だったが亡きコナーの思い出にすがるコナーの両親はエヴァンにコナーの面影を求め、エヴァンはコナーとは仲違いしていたが、自分が密かに想いを寄せていたコナーの妹ゾーイ(ケイトリン・デヴァー)とも仲良くなる。
優しいクラスメイトたちにより、問題児コナーの追悼会が開かれる事となり、故人の親友としてスピーチをしたエヴァンですが、緊張とスピーチの内容が嘘なので、うまくできない。
ソコで登場するのが、私が大嫌いなんセリフを歌って聴かせるミュージカルなのですが・・・。

吉本新喜劇で私が大好きな女優さん、未知やすえさんは、真面目な長セリフは噛み倒すクセに(笑)、彼女のキレ芸である、「お前らちょう待ったらんかい~!」に始まり、「鼻から割り箸ツッコんでカックン言わしたろか!」みたいな悪態なら、どんなに長くても立て板に水の如くスラスラ言えるらしい(爆汗)・・・。
この映画で、その未知やすえさんのキレ芸のごとく、登場人物たちの心の叫びを代弁するのが、登場人物たちの歌(セリフ)なんです(爆汗)・・・。
人に対して一歩踏み出す勇気が、この作品では歌になっている。それが実に優しい効果になっている。

エヴァンの嘘を歌った動画は拡散され、同じ孤独に共鳴した若者たちによって、エヴァンは一躍人気者になる。
しかし、その嘘はバレてしまい、コナーの家族も大きく落胆させる。
この作品が素晴らしいのは、思いやりの嘘で人々の心を繋いだエヴァンは、逞しく成長する。
嘘を自分から正直のバラしたエヴァンはどうしたでしょうか?
この映画は現代社会における悩める若者へ送られたエールやと思いますが、嘘を事実化する為に奮闘するエヴァンの行いには、素直に感動できる。
経験値を積んで強くなる事、成長する事ってこういう事なんやと見せてくれるドラマの後味は清々しい。もう歌わなくてもええんちゃうか?(超爆)・・・。

[2021年11月27日、『ディア・エヴァン・ハンセン』、TOHOシネマズ梅田・別館スクリーン⑩にて鑑賞]

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『この子の七つのお祝いに』
解説:第一回横溝正史ミステリー大賞を受賞した斉藤澪の同名小説を映画化。大映~ATGで数々の作品を手がけた増村保造が脚本・監督を務め、主にテレビドラマで活躍した松木ひろしが共同で脚本を執筆した。赤を基調とした画面が印象的で、岸田今日子の演技が多くの観客に衝撃を与えた。  

あらすじ:ルポライターの母田耕一は、磯部大蔵大臣の私設秘書である秦一毅の身辺を探っていた。だがその矢先、秦の家で働いていたお手伝いが殺されてしまう。手型占いをしているという秦の内妻の青蛾を追う母田は、後輩の須藤に連れて行かれたバーのママゆき子と知り合うが、そのあと何者かに殺害されてしまった。須藤は母田の仕事を引き継ぎ調査を進めるが、青蛾も変わり果てた姿で発見される。やがて須藤は、ゆき子から驚くべき過去を知らされるのだった。

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映画『砂の女』や、アニメ『ムーミン』の声でお馴染みの個性派女優・岸田今日子さんは、1974年公開の封印映画『ノストラダムスの大予言』での朗読だけでも、当時子供だった私を震え上がらせてくれたものですが(汗)・・・。
この映画では、その岸田今日子さん演じる真弓という女は病弱の寝たきりで、ボロアパートの一室でもうすぐ7歳になる娘と暮している。
真弓は娘を添い寝させ、わらべ歌「とおりゃんせ」を子守唄代わりに口ずさんだあと、「あなたが大人になったら、私とあなたを捨てたお父さんを探し出して、必ず復讐してね」と言い聞かせる(汗)・・・そんなもん、娘は恐ろしくて寝れるかい(爆汗)・・・。
そして娘が七つの誕生日を迎えた日に、真弓は布団を血で真っ赤に染めるカミソリ自殺を遂げる・・・。そんなトラウマ必至の場面が、この映画のツカミなんですよね(爆汗)・・・。

この映画の序盤を牽引する、ルポライターの母田(杉浦直樹)は、大臣秘書の秦(村井国夫)と、秦の内妻で、手相占いで有名な青蛾(辺見マリ)の周辺を探っていた。
秦の家で勤めていたお手伝いの女(あの“後ろから前から”の畑中葉子さん)が、無駄に乳丸出しの姿で惨殺されたから(汗)・・・。
この昼下がりのサスペンス丸出しのお話は、ハチャメチャに妖しく迷走する。
母田はひそひそ話が出来る店だとして、後輩の須藤(根津甚八)に紹介されたバー「ゆき」のママ・ゆき子(岩下志麻)の事を、「愛想の無い女だな」なんて言いながら、店に通ううちにすっかりねんごろになってる(笑)・・・。
ところが、頼れる主人公だと思われていた母田はそれまでの事件の被害者たちと同じように、切り裂かれて殺される。
母田の調査を引き継ぐ形になった須藤は、「そんなむちゃくちゃ都合のええようにサスペンスが繋がっとったんかい!」という、驚愕の真実にぶち当たる(爆)・・・。


ハイっ!ここからはネタバレ全開です。観覧は自己責任で・・・。


この映画の主役と言える、岩下志麻さん演じるゆき子は、「怪しい」とか「あんたが実は」とか、「犯人はあなたですね」という美味しい部分を根こそぎ持っていく(爆汗)・・・。
しかもタチが悪いのは、本人が自分の本当の正体(出生の秘密)に気づいていないという(超爆)・・・。ラストに明かされるゆき子の正体から逆算すると、よう最初にバーのママさんに収まっとったな!と。
そのウルトラCにこそ最大のミステリーを感じるという(爆汗)・・・。

私、子供の頃の休日の昼下がりだとか、体長を崩して学校を休んだ午前中などに、よく放映されていた昔の日本映画を楽しんで見ていた。
で、コレ面白いなと思う作品は、勝新太郎さんや若尾文子さんの作品等を手掛けていた増村保造さんの監督作品が多かった。
この映画は、その増村監督が最後に取った劇場用映画作品でした。

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2021年11月23日、火曜日(祝)、なんばパークスシネマの様子です。
なんばパークスシネマの鑑賞ポイントが溜まったので、無料鑑賞。
予告編でそそられた細野晴臣さんのライブドキュメンタリー映画、『サヨナラ アメリカ』と迷いに迷って、時間が早い方の『皮膚を売った男』をチョイス。お客さん私を入れて10人ほどでした。



『皮膚を売った男』
解説:自由を求めて自らがアート作品となる契約を交わした男の運命を描き、第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた人間ドラマ。チュニジアのカウテール・ベン・ハニア監督が、理不尽な世界のありようをあぶり出す。主演のヤヤ・マヘイニは本作で第77回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で最優秀男優賞を獲得。そのほか『Uボート:235 潜水艦強奪作戦』などのケーン・デ・ボーウ、『オン・ザ・ミルキー・ロード』などのモニカ・ベルッチらが出演する。

あらすじ:難民の男性サム(ヤヤ・マヘイニ)は、偶然出会った現代アートの巨匠から意外なオファーを持ちかけられる。それは大金と自由を手に入れる代わりに、背中にタトゥーを施し彼自身がアート作品になるというものだった。展覧会の度に世界を行き来できると考えた彼は、国境を越え離れ離れになっていた恋人に会うためオファーを受ける。アート作品として美術館に展示され、高額で取引される身となったサムは、やがて精神に異常をきたし始める。


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2020年、チュジニア・仏・ベルギー・スウェーデン・独・カタール・サウジアラビアの合作で製作された事を、この映画の冒頭は白地に白い文字で表記され、映画『燃えよドラゴン』のクライマックスシーンに登場したような、入り組んだ鏡張りの部屋に出るタイトルバックからして、むちゃくちゃアート志向だと分かる。
画面はすぐに留置場らしき場所で自由を奪われた小柄で筋肉質の男が、同じような男たちが雑魚寝する房に移される様子へと変わる。

最初の舞台はシリア。恋人アビール(ディア・リアン)の家に挨拶へ行く為に、共に電車に乗るサム(ヤヤ・マヘイニ)は、車内でプロポーズして周りに祝福されたときに、勢いあまって“革命”だの“自由”だのを声高に叫んだおかげで、なんと逮捕されてしまうんですね。
留置場の警官の粋な計らいで脱走に成功したサムは、裕福な男とお見合いするアビールに別れを告げ、自らは生き延びる為にシリア難民となってしまう。

一年後・・・ベルギーで仲間と食べ物を漁りに美術館に潜入したサムは、個展のアシスタントであるソラヤ(モニカ・ベルッチ)を通じて出会った芸術家ジェフリー(ケーン・デ・ボーウ)から、「君の背中にタトゥーでアートを施すから、私の生きた作品として契約しないか?」と持ち掛けられるんですね。リモートで、今は人妻になっているアビールとコンタクトを続けるサムは、アビールに逢える自由欲しさに、自らの背中をジェフリーに差し出す。
“アート作品”としてビザと大金を得て、五つ星クラスのホテルで暮らすサムなのですが、作品として展示されている間は座っていなくてはならないので、まったく自由ではない(笑)・・・。そこからはサムの辿る運命が描かれていきます。

この映画はアート作品となる事で自由を得たように見えるサムを通して、戦争、難民問題に人種差別という社会問題を浮き彫りにし、人間の自由の意味を問う。
しかし・・・。
私、もっと過激でヘヴィだと思っていたこの作品、実は軽妙でユーモアを湛えた人間味溢れる物語で、傑作なのはもちろんのこと、むちゃくちゃ私好みのヒューマンな映画だった。

この映画の根底にあるふたつの柱が素晴らしい。
ひとつはこのアート作品を通じて、観た人が戦争によって奪われる自由を考えるべきだし。
もうひとつは、片方が結婚しようが自由を奪われようが、この映画のアタマからケツまで、サムとアビールは、ず~~っと一途に愛し合っているという事。見事なまでに(涙)・・・。
この映画はベルギーの美術家の実在の作品にインスパイアされた女性監督の作品なのですが、フィクションの映画的盛り方が面白くて、芸術点も凄く高いと思う。

[2021年、11月23日、『皮膚を売った男』、なんばパークスシネマ・スクリーン①にて鑑賞]

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2021年11月21日、日曜日、大阪ステーションシティシネマの様子です。
なぜ今年から午前十時の映画祭は満席にならなくなったのか?値上がりしたからちゃいますか?(汗)・・・。
本日の『グッドフェローズ』もお客さんボチボチでした。





『グッドフェローズ』午前十時の映画祭11
解説:巨匠スコセッシがスピーディーな語り口と鮮やかな編集テクニックを駆使して描いたNYマフィアの実録年代記。ロバート・デ・ニーロとは6本目の顔合わせとなった本作で、スコセッシはギャング映画に初挑戦。後の監督作『カジノ』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『ディパーテッド』『アイリッシュマン』の原点となった。

物語:1955年、ブルックリンの貧しい界隈に育ったヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)は、マフィアの世界に憧れていた。12才から地元のボス、ポーリー(ポール・ソルヴィノ)の下で働き始めたヘンリーは、やがてトラック強奪専門のジミー(ロバート・デ・ニーロ)、強盗と殺しが得意なトミー(ジョー・ペシ)と共に、闇煙草の密売、クレジットカード偽造、違法賭博、ノミ行為、八百長試合の手配など、あらゆる犯罪に手を染めていくが―。

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若い頃から映画ファンだった私は、映画興行界が年間で一番冷え込むという、秋からお正月までのちょうど今の時期がスランプ機で、映画の前売り券を買っても劇場に行くのが億劫になってスルーしたという作品が幾つもあった。マーティン・スコセッシ監督の『グッドフェローズ』という映画も、そんな一本だった。
“気の置けない仲間”という意味の原題をちゃんと発音すると、“グッドフェラ”になるこの映画(爆汗)、私はまったく初めての鑑賞でした。

1970年、クールなジミーと小柄で短気なトミーを乗せた高級車を、持ち主のヘンリーが運転していると、ヘンリーが、「この変な音をなんとかしないか?」と呼びかける。
車を止め、3人が物音のするトランクを開けると、顔面を踏みつぶされた恰幅の良い男がもがき苦しんでる。「こいつ、まだ死んでいやがらねぇ」と憤るトミーは包丁でサクサクと男を刺し、ジミーが拳銃を撃ち込んでとどめを刺す。
そこから物語はヘンリーを語り部に、1950年代へと遡る。

頑固親父と肝っ玉母さんに、兄弟がいるヘンリーは、普通の家庭に生まれ育つのですが、まるで少年が野球選手に憧れるように、警察でさえ頭が上がらない街を牛耳るマフィアの世界に憧れている。街のボスであるポーリー(ポール・ソルヴィノ)から信頼される“おつかい”になったヘンリーは、学校の無断欠席を叱る父親と決別し、そのまま同年代のトミーと共にマフィアの構成員となり、憧れのジミーともつるむようになる。
やがて勝ち気なカレン(ロレイン・ブラッコ)と結婚して、愛人と共に組で禁じられていた麻薬に手を染めて儲けるヘンリーですが、裏切りと保身の為に、グッドフェローズを敵に回すまでに至ってしまうという物語を、これぞ映画のマジック!という心地よい語り口で魅せてくれる。
この映画、後のマーティン・スコセッシの作品群から“モブ・マフィアもの”のはしりと云われている作品ですが、間違いなく傑作映画やね。

終盤、大きな強奪事件を数人で成功させたジミーたちなのですが、急にド派手な色のキャデラックを奥方名義で買ったり、同伴してきた奥さんにミンクのコートを買って着せてる仕事仲間にジミーがキレてるシーンからして、地に足のついた人間が描かれているから、見ていて飽きない。ジミーは、「デカい強奪事件の直後に、派手に金を使ってたらバレバレやん!」って、むっちゃ怒ってんのよ(笑)・・・。
あと、小柄だからすぐにナメられるっちゅうて、すぐにキレて相手を殺すトミーの残虐性に、同じく小柄でいらちの私はメガトン級の共感!
ツボを持ったホームランバッターの、見事な放物線を描いたアーチのような作品に、私はひたすら見とれた。

[2021年11月21日、『グッドフェローズ』、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン⑪にて鑑賞]

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2021年11月20日、土曜日、TOHOシネマズなんば・別館の様子です。
実は今月に入り、TOHOなんばは本館と別館、各リニューアル工事が行われていた。
ロビーが明るい内装になりましたね。
映画、午前十時の映画祭11『ファイト・クラブ』、お客さん半分入りで、若い人が多かったです。






『ファイト・クラブ』午前十時の映画祭11
解説:『セブン』のフィンチャー監督とブラッド・ピットが再タッグを組んだ問題作。一般常識や通常の倫理観とかけ離れた狂気と暴力に満ちた世界は、90年代の『時計じかけのオレンジ』とも評された。アンチ物質主義を唱え、現代の消費社会を嘲笑し、破壊する登場人物の極端な思想と言動によって、今なお賛否両論が絶えない要注意作品。

物語:不眠症に悩む保険会社の若きエクゼクティブ、ジャック(エドワード・ノートン)は、出張に出かけた際、飛行機内でタイラー(ブラッド・ピット)という男と知り合う。タイラーはエステ・サロンのゴミ箱から人間の脂肪を盗み出し、石鹸を作って売っているという素性不明の男。ジャックはタイラーに導かれ、謎の組織「ファイト・クラブ」のメンバーになるが、そこは鍛え抜かれた男たちが拳のみで闘いを繰り広げる野蛮な空間だった―。


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これ2000年の映画なんですね!
お正月映画やったんで前売り券を買ったものの、どうも行くのがめんどくさくなって、公開劇場がムーヴオーバー期間でランク落ちし、それでも公開最終日というギリギリに観て、あまりのハチャメチャな面白さに疲れが吹っ飛んだのが、まるで昨日の事のようで(汗)・・・。
今回、再見してみて、私自身はやはり時の流れを感じさせられた・・・。

不眠症に悩む若き保険会社の社員ジャックは、癌などの病で睾丸を摘出して、悩める男たちのサークルをはじめ、不幸な身の上を嘆き合う事で癒しを求める者たちのサークルに参加し、自分よりも分かりやすいにもほどがあるやろという不幸な人の胸に顔を埋めて涙し、やっと眠るという(超爆)、超不届き者なんですよね!
ジャックは同じような行動をしている女傑マーラ(ヘレナ・ボナム・カーター)と顔を合わせるようになりますが・・・。

ある日ジャックは出張に向かう飛行機内で、石鹸のセールスマンであるタイラーという男と知り合い、後日、再会後に意気投合。
タイラーに「本気でぶん殴ってくれ」と言われたジャックは、そこで得たすべての快感を維持・再現すべく、馴染みのバーの地下で「ファイト・クラブ」を設立する。
厳格なルールを設け、本気で殴り合う事で眠れるようになったジャックですが、そんな枠に収まりきれずに不埒な野望を実現化していくタイラーによって、ある危険な計画が実行されようとしていた・・・。

やはり映画も私も生きてる。
初公開時に、「なんじゃコラ!」って驚いて、クソ汚い空間を用いた特異な世界観において、人間の闇が独り歩きする恐ろしさを見せてくれたデヴィッド・フィンチャー監督の映画マジックに興奮したものでしたが、今回あらためて観たら、つまらなくてね(爆汗)・・・。
やはり時代の流れって私が思うよりも激流で速いものだから、今のクソ現実が映画『ファイト・クラブ』に追いつき、表向きはほぼ全否定ながら軽く追い越してるから、この映画の超サイコ野郎ジャックに対するタイラーがポピュラーかつ、さらに地下深くに潜ってしまったというね(爆汗)・・・。
自分でも不思議な感覚で、どうして20数年ぶりに観た『ファイト・クラブ』がこんなにつまらないのかと。今なら殴られて顔を腫らしてるだけでアウトなつまらない世の中やからやろうね・・・。逆に言えば、今の時代がつまらなさすぎるから、映画『ファイト・クラブ』の輝きが色褪せてる。
今の若いヤツの言葉を借りれば、この映画の内容も“老害”になるんやろ。
私は誰にも殴られたことのないヤツの言動は信じません(爆)・・・。


[2000年1月22日、『ファイト・クラブ』、南街文化にて鑑賞]
[2021年11月20日、『ファイト・クラブ』、TOHOシネマズなんば・別館スクリーン⑫にて鑑賞]

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2021年11月14日、日曜日、大阪ステーションシティシネマの様子です。
昨夜もこのステーションシティシネマで映画『アイス・ロード』を観たばかりで、この日は早朝にまた戻ってきました。
映画『カオス・ウォーキング』、若手のスター共演のSF映画なのに、お客さんは私と同年代か、もっと上の世代の人ばかりで驚きました。地球の存在と共に、洋画の存在(映画館での鑑賞)ってヤバいのがよくわかります。





『カオス・ウォーキング』
解説:男性は考えや思いが“ノイズ”としてさらけ出され、女性は死に絶える星を舞台とした、パトリック・ネスの小説を原作にしたSFアドベンチャー。不思議な星で生まれ育った青年が地球からやってきた女性と出会い、彼女を守ろうと逃避行を繰り広げる。出演は『スパイダーマン』シリーズのトム・ホランドや、『スター・ウォーズ』シリーズのデイジー・リドリー、マッツ・ミケルセン、デミアン・ビチルら。監督を『ボーン・アイデンティティー』などのダグ・リーマンが務める。

あらすじ:汚染した地球を発った人類がたどり着いた新天地“ニュー・ワールド”は、男性は考えや思いが“ノイズ”として現れ、女性は死に絶える不思議な星だった。その星で生まれ育ったトッド(トム・ホランド)は一度も女性を見たことがなかったが、あるとき地球から来た宇宙船が墜落し、生存者のヴァイオラ(デイジー・リドリー)と出会う。トッドはヴァイオラを捕らえようとする者から彼女を守ろうと決断する。

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近未来、人類は汚染された地球に住めなくなり、“ニュー・ワールド”と名付けた惑星に移り住んでいた。
高度な文明を誇るのではなく、森に囲まれた大自然で、まるで開拓民のように農耕生活を送る人類なのですが、首長ブレンティス(マッツ・ミケルセン)をはじめとする彼等ニュー・ワールドの住人たち、なぜか女性は死に絶え、男たちは“ノイズ”というオーラを発し、心の声が他人に筒抜けという、ヘンテコな状態になってる(笑)・・・。
そのニュー・ワールドで生まれ育ったトッドは、純朴を絵に描いたような青年。
ある日、地球から来て墜落した宇宙船を発見したトッドは、唯一の生存者ヴァイオラを見てビックリ。なんせトッドにとってヴァイオラは、生まれて初めて見る生身の女性だったから。
必死にノイズとなって現れるいけない妄想を根性で封印したトッドは(爆)、なぜか女性に執着するブレンティスたちから、ヴァイオラを守り抜こうとする。

この想像力豊かなSF映画は、余分な雑草を刈り取って燃やしてしまうと、シンプルにそれだけの映画(超爆)・・・。ところが、だからこそ面白い。

65年間かけて宇宙を旅して、生まれて初めて宇宙船以外の大地に降り立ったヴァイオラを連れて、育ての親たちから教えられた安全地帯を目指すトッドは、サバイバルするうちに、ブレンティスのニュー・ワールドでの行動が“侵略者”そのものだと悟る。
この映画はSF映画としてめちゃくちゃ面白いというか、惑星の大自然にとって、人間の欲とは野蛮でしかないと訴える側面がメッセンジャーとして素晴らしい。
今、世界中がというより、中国やアメリカが、われ先にと月や火星、宇宙の支配を急いでいる。人間は国盗り合戦が好きな生き物なので、この映画のようなお話が現実になる可能性は十分にあるでしょうね・・・。

[2021年11月14日、『カオス・ウォーキング』、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン⑦にて鑑賞]
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2021年11月13日、土曜日、大阪ステーションシティシネマの様子です。
この日は朝からなんばで『マリグナント』を観て、帰宅して記事アップしてからの、夕方から梅田という、変則の映画のハシゴでした。
固定客がいるリーアム・ニーソンさん主演の映画『アイス・ロード』、お客さん25人ほどでしたが、中年カップルの相方を除いて、他は全員オッサンやったという・・・。
コロナ過による規制が全国的に緩和され、シネコンロビーにようやく座れる椅子が登場!

『アイス・ロード』
解説:『ファイナル・プラン』などのリーアム・ニーソン主演によるアクション。鉱山事故の救出装置を運搬するトラックドライバーたちが、作業員の命を救うため危険な氷の道を走る。メガホンを取るのは『キル・ザ・ギャング 36回の爆破でも死ななかった男』などのジョナサン・ヘンズリー。『コロニー5』などのローレンス・フィッシュバーン、『THE FORGER 天才贋作画家 最後のミッション』などのマーカス・トーマスのほか、アンバー・ミッドサンダー、ベンジャミン・ウォーカーらが共演する。

あらすじ:カナダの鉱山で爆発事故が発生し、作業員26人が地下に閉じ込められる。高い運転技術を誇るマイク・マッキャン(リーアム・ニーソン)ら4人のトラックドライバーが、30トントラック3台に分譲して救出に用いる装置を運搬する。30時間で鉱山内の酸素が尽きることから、彼らは最短ルートを選ぶが、そのルートは氷でできており、スピードが速すぎれば衝撃で、遅すぎれば重量で割れてしまうという危険な道だった。刻々とタイムリミットが迫る中、マイクたちは決死の思いでハンドルを握る。


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イギリスのジェイソン・ステイサム同様、ハリウッドのリーアム・ニーソンはアクション映画の分野で根強い人気を誇るスターで、両者に共通しているのは、多作なのに駄作が少ないところ。
今回のリーアムさんの映画『アイス・ロード』も、開始3分でおもろい事が分かり、その後の10分だけで感動まで出来るアクション映画だと安易に想像がつくところが凄い!

まず、カナダの鉱山内でガス漏れ検知器を何者かが止めた事により爆発事故が起こり、作業員26名が地下に閉じ込められる。彼等が生きられるのは酸素が持つ30時間のみ。
退役軍人で、トラック運転手として誇りを持つマイクは、同じく元軍人で、戦闘の後遺症により失語症になっている弟のガーディ(マーカス・トーマス)の世話をしながら十数年で幾つもの会社を転々としている。整備の腕は凄いが、のろまに見えるガーディがすぐに職場でいじめられるから。
ハムスターを可愛がり、大きなトレーラーを持つ事を夢見るガーディが、また職場でつまらないいじめに遭っていた為、弟を庇う為に反抗して兄弟でクビになったマイクは、鉱山の作業員救出の為のドライバー急募の知らせに飛びつく。
鉱山に知り合いが閉じ込められている為に、春先に溶け始めている“アイス・ロード”を最短距離で行くという無茶を引き受けたジム(ローレンス・フィッシュバーン)は、凄腕のマイクとガーディの兄弟を即決で選び、自分と同じく鉱山内に兄がいるという凄腕女ドライバーのタントリー(アンバー・ミッドサンダー)を強引に出獄させ(爆汗)、保険屋のトム(ベンジャミン・ウォーカー)とペアを無理やり組ませ、自分を含めた5人の3台で出発する・・・というお話.
大自然が生み出す“アイス・ロード”の氷の厚さは約80センチ。いきなり車のトラブルに巻き込まれたジムが車ごと湖に沈没(爆汗)・・・。
マイクは準備の整ったトレーラーの故障を不審に思うのですが、実は鉱山の爆発から何から何まで、鉱山事業が保険屋と共謀して計画した罠なんですよね。
中盤からは、とっちゃん坊やのような見かけによらずターミネーターのようなトムと、生き残った3人の戦いにシフトチェンジしていきます。

あの名作『恐怖の報酬』テイストに、『ウィンド・リバー』と『ターミネーター』をまぶして兄弟愛でコーティングした映画がつまらないわけがない(笑)・・・。
どこにでもありそうで、よくこんなおもろい話を考えたなと、リーアム・ニーソンの企画選びの凄さに感服します。

[2021年11月13日、『アイス・ロード』、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン⑥にて鑑賞]

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2021年11月13日、土曜日、なんばパークスシネマの様子です。
いよいよ寒くなってきましたが、まだまだシネコン内に暖房はいらんわ。暑い。
映画『マリグナント』、なぜか女性が多くてお客さん40人ほど。


『マリグナント 狂暴な悪夢』
解説:『アクアマン』などのジェームズ・ワンが製作と監督などを手掛けるホラー。殺人鬼による犯行現場を目撃するという悪夢に悩まされる主人公に、魔の手がのびる。『スカイスクレイパー』などのエリック・マクレオド、『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』などのジャドソン・スコットらが製作総指揮を担当。『アナベル 死霊館の人形』などのアナベル・ウォーリス、『アイ・ソー・ザ・ライト』などのマディー・ハッソン、ジョージ・ヤング、ミコール・ブリアナ・ホワイトらが出演する。

あらすじ:マディソンは、あるときから目の前で殺人を目撃するという悪夢を見るようになる。超人的な能力で次々と犠牲者を殺めていく漆黒の殺人鬼による夢の中の殺人事件が、ついに現実世界でも起きてしまう。人が殺されるたびに、殺人現場を疑似体験するようになったマディソンに魔の手が忍び寄る。

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この記事は基本ネタバレです。観覧に注意してください。

この映画はジェームズ・ワンが手掛けた作品なのでチョイスしましたが、劇場で観ていた予告編の印象では、スピリチュアルな題材を描いた怪談かな?と。
実はそれがミスリードである事を証明するかのように、この映画は1980年代を象徴するテープノイズ加工された、当時の医療現場(原題MALIGNANT)を撮影したビデオ映像から始まり、とても物理的な要素による血まみれ殺戮シーンがツカミになっている。

舞台は現在へ・・・。
常に何者かの存在を感じて怯えるマディソン(アナベル・ウォーリス)は妊娠中。
ところが情緒不安定な彼氏の暴力に辟易しているマディソンは、大きなお腹を守るので精いっぱいという感じ。ある夜、何者かに彼氏を部屋で惨殺されたマディソンは、自らも大怪我を負い、その影響で流産してしまう。
心配する腹違いの妹(マディー・ハッソン)や、男女の刑事コンビがマディソンを囲みますが、やはりマディソンの周囲では惨殺事件が繰り返される・・・というお話し。

いつもの事なのですが(汗)、上記の転載解説文を拝借しに映画サイトに行きますと、この映画って凄い高得点&高評価で、私は目ん玉飛び出るかと思うくらい驚いて。
要は、冒頭のツカミとマディソンの奇怪な日常がどう結びつくかという“線”に対し、ぶつ切りで提示される“点”の部分が乱暴なアクション映画になってしまってるこの映画の“雑さ”が私的には眠くて仕方がなくって。ジェームズ・ワンにしてはえらい凡作やなと私は思いましたので(爆汗)・・・。

私は往年の映画『悪魔のシスター』とかを思い出しながら見てたんやけど、新しい映画に例えると、「なんや、ただの『ヴェノム』やん」って(汗)・・・。
あとで調べて、この映画R―18指定、つまり成人映画だという事にも「なんで?」って。

[2021年、11月13日、『マリグナント 狂暴な悪夢』、なんばパークスシネマ・スクリーン⑧にて鑑賞
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2021年11月7日、日曜日、大阪ステーションシティシネマの様子です。
私ですら予告編も見た事ない映画『アンテベラム』、なぜか盛況で、お客さん50人前後は入ってました。
先日までキンモクセイの香りが最高やったんですが・・・いよいよ本格的な寒さに突入しそうですね。
私はYМОとかそんなに聴かないのですが、劇場で予告編やってた細野晴臣さんのライブ映画、むっちゃ惹かれます。

『アンテベラム』
解説:『ゲット・アウト』などのプロデューサー、ショーン・マッキトリックが製作したスリラー。社会学者として華やかな日々を送っていた女性の転落と、ある黒人奴隷の女性の運命が描かれる。メガホンを取るのは、ジェラルド・ブッシュとクリストファー・レンツ。『ムーンライト』などのジャネール・モネイ、『ウインド・リバー』などのエリック・ラング、『スターダスト』などのジェナ・マローンのほか、ジャック・ヒューストン、カーシー・クレモンズらが出演している。

あらすじ:社会学者で人気作家でもあるヴェロニカ(ジャネール・モネイ)。招かれたニューオーリンズで見事なスピーチを披露して喝采を浴び、友人たちとディナーを楽しんだ直後、順風満帆だった彼女の日常は突如崩壊してしまう。一方、アメリカ南部の綿花畑で奴隷として重労働を強いられているエデン(ジャネール・モネイ)。ある悲劇に見舞われた彼女は、それを機に奴隷仲間と脱走を企てる。

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私はシネコンでこの映画のチラシを手に取って、ホラー映画だと決めつけて観たので、実際に観たこの映画の序盤の展開には驚きました。

この映画は、“過去は消えない。通り過ぎようともしない”という格言で始まる。
南北戦争以前(原題ANTEBELLUM)、大きな屋敷の一角に陣取ったアメリカ南軍の白人兵士たちは、比較的裕福な黒人夫婦を捕まえ、夫の目の前で妻を射殺する。
綿花畑牧場にて黒人たちは奴隷として働かされる中、新しく連れて来られた黒人女性エデンは、白人から焼き印を押され、日々労働に耐え、脱出する機会を窺っている。
私、「えっ? この映画って黒人奴隷の解放とかを描いた話?」って面食らっていると、冒頭で妻を殺された男が、掃除を命じられた小屋の中で、火葬された妻の骨と形見のペンダントを見て号泣するシーンで、デジタル機器に囲まれた、エデンと同じ顔をしたヴェロニカという現代の人気作家の、洗練されたライフスタイルに場面が転調する。

公私ともに順風満帆な社会学者で、ベストセラー作家でもあるヴェロニカは、公演で訪れたニューオーリンズで旧友との再会を楽しむ。
ところが、ホテルを出たタクシー内で、何者かに襲われ拉致される。

再び画面が転調し、奴隷として仲間の自殺に遭ったエデンは、妻の形見のペンダントを付けた男に、「今夜脱出するわ」と、脱出計画の決行を告げる。
そして夜になり・・・。
この映画ネタバレを避けるとこれ以上書けません(汗)・・・。

この映画はあからさまに黒人に対する人種差別批判がテーマですから、二つの時代を交差させる事によって、黒人の地位が向上した今も、人種差別は完全には無くなってはいないよ・・・なんて大真面目に見せながら、スリラーとしては見事な大どんでん返しを見せる。
私の感想・・・「やられた!参りました!」
たったひとつのアイテムによって、シレっとこの映画がネタバレした瞬間の違和感の凄いことったら(爆汗)・・・。
お見事でした!

[2021年11月7日、『アンテベラム』、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン⑧にて鑑賞]
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